前作はSF的世界観のストーリーをしっかりとビジュアル構築で担保している所が好きだったが、今作はそのビジュアルには慣れちゃっていたし流石に全体的な物語ダイジェスト感は否めないけど、そのストーリラインが結構楽しめた。
原作未読なので自分の知見の中のスターウォーズに例えると、シスの精神を持った女系ジェダイ集団が仕切っていた銀河区域にルークが登場した感じね(笑)
復讐譚に爽快感ある物語とか決闘に対する価値観みたいな意味合いでは日本の時代劇的雰囲気も感じたり。
ポールがハルコンネン家系だったのは驚きで楽しかったけど、こういう血族系争いの話は恐らく古くはギリシャ神話からシェークスピアといった古典から語り尽くされ目新しくはないだろう。
でもポールのチャニへの言葉の意味合いを示す行動や対する彼女の心を表情と態度で描いた演出は楽しく、応えるゼンデイヤさんも良き。
フェイドの誕生日祝いの闘技場シーンのモノクロ演出も割と好きかな。
原作ままなんだろうけどSFで流石に核爆弾が切り札なのは古臭く感じたし、カナダ出身だし監督にその意図はないにしろ米の核爆弾至上な心持ちが透ける様にも感じられてしまうのはややマイナス点。
とは言え、恐らく原作はSF的な地域性と生じる社会といった世界観を緻密に構築した物語だろうと理解できる作品で、自分はメチャクチャ楽しめました。