ShinMakita

デューン 砂の惑星PART2のShinMakitaのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
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☆俺基準スコア:2.5
☆Filmarks基準スコア:3.7



砂の惑星アラキス。
皇帝から新たに統治を命じられスパイス採掘権を得たアトレイデス家だったが、突然のハルコンネン家の襲撃で全滅。辛くも生き延びた王子ポールと母であるジェシカは砂漠の民フレメンに受け入れられ、採掘を始めたハルコンネンにゲリラ攻撃を仕掛けていく。痛手を被ったハルコンネン男爵は現場責任者にサイコパスのフェイド・ラウサを据えフレメン殲滅を命じるのだった…



「DUNE パート2」


以下、ポール・ネタバレ・ウスール。



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1960年代のSF小説でありながらソ連のアフガニスタン紛争からイラク戦争を予見したかのような世界観であり、オーソドックスな救世主誕生譚でもある「デューン」。確かに単純にスパイスを石油のメタファーとして、フレメンをムジャヒデン→タリバンに置き換え、ハルコンネンをソ連(ロシア)、アトレイデスをアメリカと変えてみても良いんだけど、女だけの秘密結社や皇帝の存在などの複雑さで一筋縄ではいかないプロットです。新たな戦いに向けて突き進んでいくポールと砂の民たちが最後に描かれて「つづく」な雰囲気だったけど、ポールに背を向けたチャニをラストカットにしたことで、これは明確な反戦メッセージを刻んで綺麗に終幕した作品だと私は解釈しました。預言に縛られた社会や男性優位社会から逸脱していく女性像としてのチャニこそが、ドゥニ版デューンのキーパーソンに思えました。


それにしても、これだけ主役級キャストを揃えた映画もそうそうないですよね。レア・セドゥにアニャちゃんまで出てきて、贅沢極まりないですよ。残念ながら我らがウォーケン様がステップを踏むシーンは無かったものの、シャーロット・ランプリングも出るし、70-80年代映画が好きな層にも受ける顔ぶれ。砂虫乗りこなしの迫力も良いけど、やっぱりこのパート2のウリはメンツの豪華さだと思いますね。期待どおりに楽しめました。
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