オミクロン氏

デューン 砂の惑星PART2のオミクロン氏のレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.5
 大阪にあるエキスポシティの巨大なIMAXで観た。音に関しては前作ほどのインパクトはなかったが、圧巻の映像体験だった。

 本作は最高のオールスター映画でもある。ティモシー・シャラメのカリスマ独裁者のような演説、ゼンデイヤが向ける疑いの眼差し、レベッカ・ファーガソンの文字だらけになった美しい顔、オースティン・バトラーの『ダークナイト』のジョーカーを彷彿とさせる怪演、どれも素晴らしく、一作でこんなに贅沢を味わって良いのかしらと思ってしまう。出番は少ないけど、レア・セドゥも妖艶でクールで最高だった。

 原作は未読だが、本作を観ると、原作の物語世界の凄さを垣間見れる。原作に影響を受けた映画『風の谷のナウシカ』では、予言の実現が分かりやすく救済として描かれるが、本作で描かれる予言の実現は、宗教や全体主義の怖さを感じさせる。今の世界情勢にも通じるというか、よりタイムリーな感じもして恐れ入った。

 モノクロの闘技場の場面は凄かったけど、全体から浮いている印象も受けた。『哀れなるものたち』のように、モノクロとカラーの変化には意味づけが欲しい。