がぶりえる

デューン 砂の惑星PART2のがぶりえるのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
3.9
巨大な映画。画面に映るいろんなものが壮大で、ダイナミックで、エレガントで、破格のスケールに満ちている。やはりこのシリーズは映画館で見なければ、作品の持つ最大ポテンシャルを体感できない。素晴らしい映像と音から溢れ出る特別な何かに、166分間ただただ酔いしれる贅沢な作品だった。

映画産業の衰退が囁かれるここ数十年。映画館にわざわざ足を運んで、2000円払って映画を見るという人はずいぶん減ったらしいし、いち映画ファンとして危惧する所と受け止めているのだが、一方で「映画館でしか体感できない映画体験を提供しよう」という志を持った作品も随分増えている。いわゆるIMAX作品や4DX作品向けに製作された作品がその例に挙げられ、本作もその類だ。僕個人としては、最近のトレンドである「映像の素晴らしさ・没入感最優先映画」というのはいくらかギモンな所があったのだが、前作と本作の「DUNE」シリーズを見て、今映画の価値観は大きく変化しているのだと思った。それは、昨今の、特に、ハリウッドの稼ぎ頭となる作品の要となるところは「映像の迫力と豊かさ」であるということだ。潤沢な資金と旬の役者、優秀なスタッフという最強装備で、とてつもない技術をフル活用し、物凄い映像を生み出す。それこそが、ネット社会である今、サブスクに取り憑かれた人間の顔からスマホを引き剥がして映画館に人を呼びこむ最も重要な戦略となっているのだと思った。「いい映画」の世間全体として価値観は、良くも悪くもここ数十年で大きく変わったことを本作を見て実感した。

ダラダラと前置きを書いてしまったが、お察しの通り、本作の僕の感想は「映像は凄いけど、ストーリーは普通」という感じだった。ヴィルヌーブの、豊かなイメージを映像に結びつけるセンスと器用さはすごいし、人物の顔面ドアップや砂漠の風景など、どのカットも本当に美しく撮る。建物や機械のデザインの細かさの美術力も素晴らしくて、見ていて本当に眼福だった。
ストーリーの大筋はもろ「スター・ウォーズ」の要素を受け継いでいる。復讐心に燃え、血筋や力に囚われていく主人公の様は、アナキンと重なる部分が多い(だからこそ嫌な予感。パート3でポールとジェシカは闇落ちするのか!?というかすでにしてるのかも!?)ハルコネン、そして皇帝との争いに決着をつけ、さらなる世界観の拡張を匂わせて終わったので次なるストーリー展開に期待大といったところだ。さらに、ポールとジェシカの血筋に関する事実も判明したので、そこも今後どうなるか楽しみなところ。
 
前作にましてキャストの華やかさが倍増している。オールスターキャストの最強布陣。こんだけ良いメンツ揃ってたら現場楽しいだろうな〜。ちなみにいくら積んだらこんなキャストが揃うのかが気になるところ。最後は印象に残ったキャラの一言感想を1人ずつ記して締めくくりたいと思う。
ポール:かっこよすぎ、てか目きれいすぎ
チャニ:チャニというよりゼンデイヤ、不貞腐れ顔はゼンデイヤのお家芸なのか
チャニ友:結局いいヤツ
ジェシカ:喋る宝石、意味わからんくらい美女
ガーニィ:良いおっさん
ハビエルバルデム:良いおっさん
ハルコネンのデカい親父:デカい、迫力ある
ハルコネンのヤバい息子:可愛い
ハルコネンの部下ドラックス:キレ性、ヤケクソ、ネズミどもを潰せぇ!!
皇帝:く、クリストファーウォーケン!?
皇帝妻:やな感じのおばさん 
皇帝娘:フローレンピューの輝き、あの衣装あんな似合う人他にいる?
レアセドゥ:妖艶さがよい
アニャ:あの短時間であの存在感、シャマランの「スプリット」とほぼ同じカット、出演ありがとう