ソウキチ

デューン 砂の惑星PART2のソウキチのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
5.0
僕が人生で初めて映画館で観た洋画は『ジュラシック・パーク』だった。それから時を経て二十代の頃に3Dで『アバター』を、IMAXで『プロメテウス』や『ゼロ・グラビティ』を観た時のセンスオブワンダー。

ここ10年くらいは好きなSF映画には沢山出会えたものの、上述のような純度100%の映像体験による感動はなかったんじゃないかと思う。今日『デューン 砂の惑星 PART 2』を観るまでは。

アメコミ映画が過ぎたあとの砂の惑星と化したハリウッドが失って久しい超大作ならではの威厳。今作はまさしくそんな"大作映画への畏怖"を久しぶりに感じさせてくれた至極の映像体験だった。

画面は隅から隅まで偏執的なまでに耽美にデザインされ、それをお腹いっぱいまで堪能させてくれる必然的な語りのスローさ。目で見るというよりは、劇中の"命の水"や"スパイス"さながらに脳に直接流し込まれる幻視体験のよう。

「いま最も映える俳優ぜんぶ集めました」みたいな圧巻のオールスターキャストについても、はっきり言ってルッキズム的に時代に逆行してるような気もするが、良くも悪くもこういうところにもヴィルヌーヴのブロックバスター映画かくあるべしという確固たる意志を感じる。

実のところ1作目は疲れてる時に観たのもあってかそこまで刺さらなかったんだけど、今回はめちゃくちゃ好きだった。好みの分かれる作品だとは思うけど個人的には最高の一言。惜しむらくは観に行くタイミングを完全に見誤って近場のIMAXがオッペンハイマーに占有されてる状態だった為、通常スクリーンでの鑑賞になってしまったこと。とても後悔している。
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