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デューン 砂の惑星PART2のプライのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.7
圧巻で怒涛の映画体験。前作を遥かに凌駕する。前作は良くも悪くも静かであり、良くも悪くもシームレスで起伏が少なく、良くも悪くもいかにもドゥニ・ヴィルヌーヴらしい荘厳なSF大作としてまとまっていた。だが、前作は試作品のようであり、序章の「じょ」の字に過ぎなかった。(とはいえ、前作は前作で素晴らしい出来栄え。)

本作は、静かな前作と打って変わり、身体が震える体験の乱れ打ちとなっている。壮大な劇伴と共に、身体が振動するかのように重く轟き渡る音響。人間が粒に見えるほど画面をワイドに広げ、改めて感じ取れるメカおよびサンド・ワームの大きさ。大勢の敵味方がナイフで打ち合ったり火器で撃ち合ったりして入り乱れるワイドな戦場。残忍ながらも相手に敬意を表するという複雑なバランスを保った新キャラで印象を残したオースティン・バトラー。徐々に力を渇望していく人物として、徐々に性格を変化させる演技幅を見せつけた主人公役のティモシー・シャラメ。前作のシームレスな話運びを下地にしながらも、香料を巡る物語だけに多くのスパイスが味付けをしてアクセントを生んでいた。全てのスパイスが怒涛の勢いで身体に雪崩れ込み、鑑賞後はスパイスの香りがプンプン匂う。


⭐評価
脚本・ストーリー:⭐⭐⭐⭐
演出・映像   :⭐⭐⭐⭐⭐
登場人物・演技 :⭐⭐⭐⭐
設定・世界観  :⭐⭐⭐⭐⭐
星の総数    :計18個
プライ

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