通りすがりのいがぐり

もっと超越した所へ。の通りすがりのいがぐりのネタバレレビュー・内容・結末

もっと超越した所へ。(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

超越の先を祈りながら

4つの部屋と4組の男女によるとても"自分勝手な"ドラマ。出てくる男女はみんな曲者。そんで出てくるクズ描写も同族嫌悪を覚えてしまうくらいの代物。なのに最後には全員が憎めなくなってしまうほんとに不思議な映画だ。きっかけから終わりまでの描き方も丁寧なお陰で人物への理解もしっかり行えた上でのあの急展開。とんでもなく困惑したと同時に生々しさで彩られていた作風が一気に明るくなる。さらに言えば超越の意味すら変わってしまう。中々好みが分かれそうな一本ではあるが、反面教師祭りであり時に大胆な切り替えによって作品の本質を曝け出す事で"可能性のあるハッピーエンド"に変貌できる事を証明したとても歪な劇映画として大好きだ。