斉藤百香

ウーマン・トーキング 私たちの選択の斉藤百香のレビュー・感想・評価

3.9

試写会で視聴。

なんて胸糞悪い事件なんだ。
村の男たちが女性たちにひどいことをしていた、ってことなんですけど。
その被害にあっているのは村の女性ほぼ全員。
中にはほんの小さい子供まで、被害にあい苦しんでいた。

この映画は、タイトル通り、被害にあった女性たちの会話劇。
直接的な描写はないものの、その惨さが会話の端々から感じられる。

驚いたのが、これが実話を基にした話だということ。
事件が起こったのは2010年ごろ。
私はてっきり、昔の物語だと思って観進めていたが、様々なシーンで現代を思わせる描写があり
ん?と思っていたところで、確信に変わるシーンが。
宗教に造詣が深くないので、最初はどういうこと?!と思って観ていたのだが

後から調べたところ、キリスト教の中でもさらに強い信仰をするナノメイトという教派があって、
世界の各地で、今だに19世紀の暮らしをしている人たちがいるらしい。
映画の中と同じように、車とか電気とかを使わない生活をしている。馬とかに乗って、農業をして生計を立てていると。

世界のどこかで、こうした問題が、今現在も起きているという事実に驚き、苦しくなった。

これはもっと知られていい事実だし、
こうした映画が社会問題を「知る」きっかけになったら良い。
斉藤百香

斉藤百香