gingerさんの映画レビュー・感想・評価

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カンバセーション…盗聴…(1973年製作の映画)

3.5

盗聴を仕事にしている男が、良心の呵責から疑心暗鬼に陥って精神的にどんどん追い込まれていく心理サスペンス。BGMの静かに流れるピアノの音が秘密主義の主人公の心情にマッチしていて、盗聴の裏側で陰謀が密かに>>続きを読む

スケアクロウ(1973年製作の映画)

3.7

冒頭、一本の道を挟んでジーン・ハックマンとアル・パチーノが出会うシーンからしてもう良作を予感させる。性質も見た目も凸凹なふたりの男のロードムービー。
ヒッチハイクに貨物列車に無賃乗車とかいかにもアメリ
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日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)

3.5

80年前に思いを馳せながら8月15日に視聴。時刻を追いつつのドキュメンタリータッチでとても臨場感がありました。
昭和のテレビドラマでお見かけした名優さんが勢揃いのうえ、その熱量も凄かった。
玉音放送直
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フレンジー(1972年製作の映画)

3.5

主人公が容疑者として追い込まれていくかんじがヒッチコック作品らしいと思いつつ、サイコパスな真犯人が身バレを防ぐため焦りまくってるトラックのシーンも面白かったです。
奥さんにトンデモ飯を食べさせられてる
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真昼の死闘(1970年製作の映画)

3.4

イーストウッドとマクレーンのキャラありきな男女コンビの珍道中西部劇でした。
相方が女性だと無骨な流れ者のイーストウッドもかなり緩い雰囲気で、生命力高めなマクレーンに振り回される感じも変化球で面白かった
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恐怖のメロディ(1971年製作の映画)

3.4

オープニングの緑のフォントが好きな感じと思いながらの導入部分、崖の空撮シーンからの主人公ズームアップの演出がなんとなく意味深だなと思ったら、結末があれだった。終わってみたらとてもサスペンススリラーっぽ>>続きを読む

Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼(2007年製作の映画)

3.2

ケビン・コスナーがサイコキラー役?に少々違和感でしたが、彼の中の二重人格「マーシャル」がウィリアム・ハートで、ふたりの会話を通じて心に葛藤があったり、共謀したりする見せ方は良かった。どう収まるのかとい>>続きを読む

小さな巨人(1970年製作の映画)

3.5

121歳のご老人の語る人生は妄想込みの眉唾ものとも思えるような波瀾万丈過ぎる冒険譚だけれども、もしかすると歴史の真実に立ち会ったのかもしれないという描き方が面白かった。先住民に育てられた白人という設定>>続きを読む

関心領域(2023年製作の映画)

3.5

ヘス一家の撮り方がホームビデオでも撮っているような視点で、何気ない普通の日常を撮っているようでありながら、映像の中に存在する違和感を映し出しており、とても気持ち悪くて恐ろしい。すぐそばの壁の向こう側の>>続きを読む

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

3.6

70年代の空気が映像や音楽から感じられて、好きな作風の映画。クリスマス休暇に取り残されたいびつで孤独な3人の魂が教師と生徒、使用人という立場を越えて、ゆるやかに人としてお互いの心に寄り添うようになって>>続きを読む

サスペリア(1977年製作の映画)

3.3

赤やら緑やら青やらの照明とアート系の壁紙や小物。いかにもホラーという舞台設定に、よく出来たお化け屋敷という雰囲気がありました。イタリアンプログレのゴブリンが音楽を担当していて、音楽が流れるとゴブリンの>>続きを読む

遥かなる我が子(1946年製作の映画)

3.3

昭和のメロドラマのようでしたが、ハヴィランドさんの演技に見入って最後まで飽きずにみられました。(可愛らしいヒロインの役しか見たことなかったので)設定や話の流れには力技で無理があるところも多いですが、な>>続きを読む

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

3.8

ワンシチュエーション劇の名作。密室内の暑苦しさの演出、脚本の秀逸さ、12人の陪審員を務めたお互い名も知らぬおっさんたちのキャラ、完璧に計算されていて、会話劇のお手本のような作品。
証拠や証言の精査は本
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エイリアン3(1992年製作の映画)

3.5

1,2と比べると物足りませんが、エイリアンシリーズはそれなりに面白い。
かなり久しぶりに観ましたけど、これ最後の溶鉱炉はターミネーター2意識してましたよね、今更ですが。

アパートの鍵貸します(1960年製作の映画)

3.5

これは当時のロマンティックコメディの王道ですね。キャラクターの配置に無駄がなくとてもわかりやすいストーリー。自分の保身のために上司を庇う主人公や狡い男に騙されるちょろいヒロインにイライラしながら、でも>>続きを読む

教皇選挙(2024年製作の映画)

3.6

教皇庁内、密室で行われる選挙ながら、現代の国政選挙とリンクしているような内容の選挙戦で、世界の縮図のようだった。消去法で候補者が脱落したり、少しでもマシな方を選ぶしかしょうがないという途中経過には苦笑>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

-

複雑な気持ちで観ました。ひとりの天才科学者を描いた伝記としてとても見応えのある作品であるとは思いました。でも心情としては、天才科学者たちが大量殺戮兵器を開発し、政治家が大勢の罪なき民間人に対して殺戮兵>>続きを読む

仕掛人・藤枝梅安(2023年製作の映画)

3.4

あまり和ものは観ない方ですが、結構楽しめました。
仕掛人ものだけど、派手な演出とか抑えめで、静かに淡々と事が進む感じが好みでした。
特に梅安と彦次郎の食事シーンがなんともいい空気感で良かったです。

三十四丁目の奇蹟/34丁目の奇蹟(1947年製作の映画)

3.6

クリスマスシーズンに観ようと思ってました。
ファンタジーなお話かと思いきや、クリスマス商戦のリアルからの法廷でサンタの存在を証明するという展開になっていく脚本が面白かったです。そういう奇蹟か!という。
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黄色いロールス・ロイス(1964年製作の映画)

3.6

黄色いロールスロイスを所有した人々の人生(恋愛)模様。昔絵本で読んだディズニーの「青い自動車」を思い出した。豪華なキャストやそれぞれの国のロケーションだけで充分楽しめる作品でした。イングリット・バーグ>>続きを読む

ファニー・ガール(1968年製作の映画)

3.6

B・ストライサンドの力強い歌唱力とコメディのりが心地良い作品で、愉快なテンポで進んでいくのに、反面ほろ苦い感じで終わるのが切なくて良かったです。ワイラー監督、「おしゃれ泥棒」もそうでしたが映像の色調が>>続きを読む

ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録(1991年製作の映画)

3.6

撮影現場が壮絶すぎて、もう2度とこんな映画は撮れないだろうなと思うので、これは見る価値のあるメイキング映像なのでは。コッポラ監督の取り憑かれっぷりは尋常ではなかったです。マーロン・ブランドは面倒くさい>>続きを読む

リトル・プリンセス/小公女(1995年製作の映画)

3.5

「小公女」は幼少の頃、母に読み聞かせてもらった本の中でも一番好きで、小学生になってからも何度も繰り返し読んだ物語でした。空想力や心の豊かさはどんな境遇になっても生きていく力になるんだとそんなことを教え>>続きを読む

海の上のピアニスト イタリア完全版(1998年製作の映画)

3.6

音楽がモリコーネ氏で以前から気になっていた作品だけど、何故か観ていなかった。
船で生涯を過ごしたピアニストのリアル系のお話と思いきや、主人公は船で生まれ、船で育ち、音楽の神に愛されたほとんど妖精?みた
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太陽にかける橋/ペーパー・タイガー(1975年製作の映画)

3.2

コウイチくんが初めからずっと腕時計を付けたままなのが、気になっていましたが、意味があったわ〜。英国からやってきた家庭教師のブラッドベリーに向ける少年の純真な敬愛の眼差しがとても良かった。ブラッドベリー>>続きを読む

シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

3.6

全編ストーリー仕立ての80年代のMVを観ているようで、懐かしい感じの作品でした。英国のパンクロックのムーブメントも失業者の増加という社会問題がベースにあったと思うけど、逆境や満たされない思いに暴力では>>続きを読む

手紙は憶えている(2015年製作の映画)

3.5

主人公の認知症気味老人の記憶の曖昧さが観ている方にも不安感を抱かせつつ、「手紙」頼りの旅の行く末を見守っている感じが面白かったです。マックス、死に際に手の込んだ復讐を…最後に訪れた家のピアノで、セヴが>>続きを読む

グラディエーターII 英雄を呼ぶ声(2024年製作の映画)

3.8

前知識ゼロで観ました。前作は大好きな作品ですし、劇場行く直前に1作目を観てから鑑賞したら、大正解。全編マキシマスリスペクトに溢れた続編で、その点では大満足でした。重厚な戦闘シーンや血が湧くような闘技場>>続きを読む

夜の来訪者(2015年製作の映画)

3.5

ほぼ同じ場所で話が展開するワンシチュエーション作品。舞台を観ているような趣きもある。デヴィッド・シューリス、警察関係者にしては関係者への事情聴取というより告解を求めているような態度で何か違和感だったけ>>続きを読む

名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊(2023年製作の映画)

3.5

ベネチアが舞台のポワロ作品なんか無いよな?と思いながら見始めましたが、今回は原作「ハロウィンパーティー」をアレンジ、舞台も変えて、前2作と違い、かなりオリジナル展開なんですね。クリスティ作品の中ではマ>>続きを読む

ルックバック(2024年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

原作は読ませて頂いて、絵描きの心情捉えてて面白いなと思いましたが、漫画家さんなので当然か。ふたりの進む道が分かれて唐突に、理不尽に命が奪われてしまう展開は、実際起こったあの事件に対する無念や、色々含む>>続きを読む

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.2

作中で精神疾患について述べられていましたが、悪魔が憑依するとは実際はそういうことなのかなと。ラッセル・クロウは悪魔祓いの神父というより、原付に乗ってやってきた戦う悪魔ハンターみたいな風情でした。

チャーリング・クロス街84番地(1986年製作の映画)

3.7

古書のお取り寄せから始まって、20年以上も文通のみの交流を続けたNYの女流作家とロンドンの古書店の店主。古書をこよなく愛していたという点でふたりは同志だったし、お互いの心の友だったのだろうことがじんわ>>続きを読む

ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

3.3

原作も既読でピーター・ユスティノフ版も何度も観ているので、自分の興味はどういう演出でリメイクされているかという点のみでした。愛というテーマに焦点を当てていたためか、何故かポワロの過去の恋愛秘話まで登場>>続きを読む

ロスト・キング 500年越しの運命(2022年製作の映画)

3.5

40過ぎ主婦の歴オタの究極の推し活じゃないですか。しかもこれが実話ベースとは。主人公の女性、歴史学者ではないので自分の功績のことより、リチャード三世の評価が見直されたことが何よりの喜びだったのでは。実>>続きを読む

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.5

ダニエル・クレイグ版ボンドはあまり軽くない真面目なボンドというイメージだったので、彼のシリーズの終わり方としては愛を感じる結末で良かったと思います。今回悪役のラミ・マレックはちょっと描写不足なかんじが>>続きを読む