カテリーナさんの映画レビュー・感想・評価

カテリーナ

カテリーナ

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グランド・ホテル(1932年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

群像劇の金字塔

グランド・ホテル方式
この言葉を産み出した傑作
限られた空間の中で見知らぬ様々な人々の
人生が交錯する
冒頭のグランド・ホテルの
電話室でそれぞれのキャラクター紹介をする場面では受話
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エミリア・ペレス(2024年製作の映画)

2.6

この映画の持つリズムみたいのが
私の感性と合ってなくて
ミュージカルに突入するたびに
これって歌にする必要性があるの?って頭の中で はてなマーク でいっぱいになる

あと、説明するのが難しいんだけどこ
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レッド・ロケット(2021年製作の映画)

3.7

ショーン・ベイカーの過去に経験した出来事に衝撃を受けて
傷ついた人々の物語の旅を
続けている私は
彼の物語に耳を傾けて
みたくなった

ただ『フロリダプロジェクト』だけは個人的な理由で
鑑賞に耐えられ
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13回の新月のある年に(1978年製作の映画)

4.0

ファスビンダー2作目
エルヴィンの最後の5日間を描く

夜更けの並木道
暗がりの中泡沫のぬくもりの為に
男娼を求めるエルヴィン
こんなに深い青で
表現する夜のとばり
スクリーン鑑賞では無い事に
秒で後
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ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972年製作の映画)

3.4

柳下毅一郎が好きな映画監督らしい
だから何って感じなんだけど
彼の批評は面白くてよく聞く
でもこの作品の感想は聞いたけど
よくわからなかった
この主人公のペトラは
35歳って台詞で言ってるけど
もっと
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BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

3.8

ある一定の企業の日常を切り取り
台詞の応酬でその背景を見せて行く原田監督特有の作風が
上手く作用していたのは『クライマーズ・ハイ』
その環境やキャラクターに深く入り込んで練り込まれた会話劇によって表現
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新幹線大爆破(2025年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

今作の感想は
75年版の俳優との比較と
令和版の俳優について綴りたい
『桐島部活辞めるってよ』で東出昌大に片想いする
生徒役を演じてた
大後寿々花が今作では教師役で出演していて時の流れを感じた
生徒の
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ダム・マネー ウォール街を狙え!(2023年製作の映画)

3.9

鑑賞が始まって案の定
空売りって何?となり
Chat GPTに聞いてお勉強して少し
わかり始めた 
最初にお断りしておくが
勉強した事で見えて来たことを
記しそれについてどう思ったかを述べてるだけの個
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サンダーボルツ*(2025年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ビル・プルマンの息子ルイス・プルマンが出演

父親の面影のあるルイス・プルマンは陰のあるトラウマを抱えた彼の役柄にマッチしている カート・ラッセルの息子ワイアット・ラッセルも出演していて
私的お得感一
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悪魔と夜ふかし(2023年製作の映画)

4.0

93分のサクッと見られるホラーと思って
たけど度肝を抜かれた 同じホラーで
後半の展開はこの前に見た『破墓/パミョ』
とはひと味違う 昼間より夜の暗闇の場面が多く色彩も作品のトーンも『陰性』だったのに
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破墓/パミョ(2022年製作の映画)

4.2

韓国映画の底力を
思い知らされた 
一番凄いと思ったのは
ひと段落した後
これで終わり?と思うと更にその先に
悍ましい真実が隠されている事が発覚し
ストーリーの山がもう一つあった事
一歩間違えれば荒唐
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ミンボーの女(1992年製作の映画)

4.2

鑑賞後は幸せに包まれる

宮本信子演じる井上まひるは民事介入暴力専門の弁護士で
この作品の舞台となるヨーロッパホテルでヤクザ対策に呼ばれます
及び腰のホテル従業員を
教育しながら 自らも正面切って
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タンポポ(1985年製作の映画)

5.0

オープニングで白いスーツ姿の
役所広司が女を伴い
映画館の一番前の席を陣取り
第四の壁を破って
「そっちも映画館か」と問いかける
私は心の中で答える
「そうそう、今からタンポポを見るのよ」
自分の事は
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街の灯(1931年製作の映画)

4.3

モノクロの映像の美しさ

二十代の頃
ちょっと首を傾げて花を持つチャプリンの
ポートレートをずっと部屋に飾っていた
同じシーンを観た瞬間
なんとも言えない気持ちになった

銅像の除幕式でこれみよがしに
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テオレマ(1968年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

舞台はミラノ 何不自由なく暮らしている一家 両親と姉と弟の豪邸に一通の電報が届く 「明日着く」
翌日車からスーツケースを持って
家に入ってくる何人かの人々
居間でくつろぐ一人の青年の事が気になる
その
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ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ(2024年製作の映画)

3.9

まひろ「人がいっぱいいる‥‥」

そもそも池松壮亮のずば抜けた身体能力については周りが騒ぎ始めてから認識したにも関わらず頭の隅に『MOZU』で見た彼の
躍動する姿に心底痺れた記憶が残っていた
かなり昔
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アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方(2024年製作の映画)

3.9

メンターのロイ・コーンの罪

ドナルド・トランプがアメリカ大統領に
就任したことで未来は決して明るいとは
言い難くなってしまった 平和を願う女性の候補者を抑えて 攻撃する どう考えてもトランプの立ち位
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どうすればよかったか?(2024年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

鑑賞後映画館を出て駅に向かう道すがら電車の中でも雅子さんの顔がチラチラと頭をよぎる とりわけ
症状が悪化して 監督の弟からの
問いかけに無言で視線をせわしなく
動かす表情が心に残る
私が喰らった
この
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ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

3.7

〜偉そうに批評してる散文なので
悪しからず〜

殺し屋2人組の男子の方の丸顔に見覚えがある 最後まで見て思い出せなかった
過去の出演作を眺めてたら
『記憶にございません』があった
そうか!中井貴一の息
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真夜中のサバナ(1997年製作の映画)

3.2

2024年の中で一番の作品と『陪審員2番』の絶賛をしていたのはお馴染み町山智浩
冤罪についての裁判劇のひとつと今作を挙げていた『真夜中のサバナ』という
耳慣れないタイトル ジョン・キューザックもケビン
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大きな家(2024年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

この作品の冒頭で出演する子供たちの
個人情報を漏らさないでと警告が
あったにも関わらず 悪意は無くとも
うっかり名前を載せてしまったことに
深く反省しています
私の不注意で子供たちに何らかの
影響があ
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恋のためらい/フランキーとジョニー(1991年製作の映画)

3.8

市井の人々を描いた作品は好き
パシーノがダイナーのキッチンで働いてる姿を見られるの
とても貴重な気がする
ミッシェル・ファイファーと共演した
(この後?この前?)
『スカーフェイス』では麻薬で頭がおか
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フェイク(1997年製作の映画)

3.3

数年、嫌、数十年前に鑑賞した
まだジョニー・デップにお熱だった頃に彼の出演作だという理由だけでDVDを購入した

マイケル・マドセンが出てるの
全く覚えてない
刑事のデップがパシーノの所属するマフィア
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ミッシング(2024年製作の映画)

3.9

ある意味
我が娘が先に逝ってしまうより
辛いのか 
それともいきなり
線を引かれて貴方の娘さんは
亡くなりましたと亡骸を見せられる方が
辛いのか

この問いかけも永遠に解けない答えが出せない内のひとつ
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ロボット・ドリームズ(2023年製作の映画)

5.0

80年代のニューヨークを舞台にした
スペイン出身の監督は本作のアニメーションは初挑戦
原作の絵本を読んで感銘を受け映画製作に取り組んだ

主人公のdogは監督自身と語る
単身ニューヨークで暮らしている
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侍タイムスリッパー(2023年製作の映画)

4.8

Dedicated to Seizou hukumoto
50年もの間時代劇を斬られ役として
支えてきた福本清三さん(残念ながら鬼籍に入ってる)を讃える言葉ではじまるこの映画
自主制作の為限られた資金
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チャレンジャーズ(2023年製作の映画)

3.0

ゼンデイヤがボールを受け取り
黄色のボールをバウンドさせながらコーナーに向かう後ろ姿はサマになっている
ちゃんとテニスプレイヤーに見える
見事な体躯
サーブを撃つ時の力の込め方も
TVで見る
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正欲(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

この映画について
映画動画配信では様々な声を発する
その声に耳を傾けて
タイトルの聞き慣れない言葉同様
頭が混乱する

水フェチという言葉に反応し
直接性的に紐付けできないと
不満の声を
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マディソン郡の橋(1995年製作の映画)

3.6

クリント・イーストウッドのラブ・ストーリーは不倫が真実の愛だと悟るお話しだった。
平凡に生きてきた主婦と放浪者のプロのカメラマンと出会い 僅か4日間でお互いの存在の深さを知り 真実の愛に目覚める ら
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ソウルの春(2023年製作の映画)

4.5

1979年10月26日
パク・チョンヒ大統領が暗殺されるまでを描くイ・ビョンホン主演の
『KCIA 南山の部長たち』で
パク・チョンヒと側近との関係性を深く掘り下げひとつの回答を提示した 町山智浩の解
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フォールガイ(2024年製作の映画)

4.3

チョイスミス→満面の笑み

字幕は割とお気に入りの林完治とアクション監督の谷垣健治が並ぶ スタントマン出身の彼の登場は名前を見ただけでテンションが上がる
スタントマンのお話しだから専門の人を連れてき
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ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

お馴染み柳下毅一郎のひと事は重みがある
『グッドナイト&グットラック』で
伝説のニュースキャスターを演じた
デビット・ストラザーン 吉野朔実の本で
初めて知った彼の存在
キャスターとして赤狩
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関心領域(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

己の関心領域を問う

とりとめのない予告編がいくつか流れ
場内の電気が消えるても長四角のスクリーンは黒い色のまま いつまで経っても映像に変わらない 鈍くて低い音楽が鳴り始めて暗闇から明るい午後の日差
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アレックス STRAIGHT CUT(2020年製作の映画)

2.5

ギャスパー・ノエって?

赤い壁の地下道を歩く女の背中
赤い色が血の色に見える
紙屑が散らばるねずみ色の道は何処に辿り着くのか 見当もつかない
そしてはじまりは 唐突に連れらしき女を殴る男 暴力
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

原爆投下の場面は目の前で起こったような錯覚

ホワイトハウスでの
オッペンハイマーとトルーマン大統領との会話

「日本人は原爆を造った人を憎むのか?否、日本人が憎むのは
原爆を落とした人間だよ
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.0

アナ・トレントは
映画は虚構だと撮影時認識していたらしいが 流石に俳優がメイクしたフランケンシュタインの姿を見た時のアナ・トレントの驚きの表情を監督のビクトル・エリセは忘れられないと語る 切り取られた
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