海軍のF研究、陸軍の二号研究。アメリカのマンハッタン計画を追うように、日本の物理学界も「原子核爆弾」の研究に邁進していた。
“答えなど最初からないんだ。正しいか過ちかもなければ善悪もない。ただ真理が>>続きを読む
これはこれで良いのかも(むしろ一本の映画によく収まったなと)。
風の歌を聴けもそうだけど、作品の筋や展開は表現できても、行間に漂う空気感は映すのは難しい。
なぜなら、それこそが小説の面白さだから>>続きを読む
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大学の頃に所属していたボランティアサークルがまさに「正義の声」に似た活動で。
一番神経を使うのが電車やバスの移動。作中でジョゼフが橋を通る音に驚いて緊急停止ボタンを押すように、僕らの活動にも音がダメ>>続きを読む
“真実はすべて美しい”
というのは、監督の解釈に過ぎない。いろいろ調べてみたけどリヒター自身はそんな意味の発言も、文章も書いてはいなかった。むしろ彼の作品群からは真実とか、主張とか、そういう意図やイ>>続きを読む
早稲田の演劇博物館にて。
シェイクスピアの『リア王』の戦国時代風アレンジ。
有名な「三本の矢」のエピソードが出てくるんだけど、捻くれ者の三郎が膝で矢を折るところで笑っちゃった。
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映画冒頭、居酒屋でヘミは習っているというパントマイムをジョンスに見せる。慎重に皮をめくり、一粒ずつ大事にミカンを食べるヘミ。
けれどジョンスは多分、その意味が理解できていないのだろう。曖昧に「上手だ。>>続きを読む
最初に見たのは高校生の頃。これがきっかけで防大受験をやめようと思った。結局、カネ、カネ、カネ。どこをとっても。
1つ言えることは、悩んでいる人は「今」をどうにかしたいのであって。
宇宙の広さに比べたら、人間の悩みなんてとか、10年たったらそれがバカげてると分かるとか。
そういう気休めにもならないアドバイス>>続きを読む
ハッピーエンド。とっても良かった。
もしミアがセブと一緒にツアーに出ていたら。おそらく最後のシーンでミアが思い描くのと同じことが、ミアにも起きていただろう。自分の夢をあきらめて、恋人の夢を追うとい>>続きを読む
ビーチボーズで一番好きなのはGod only knows.
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遺書を分割しそれぞれが記憶して、家族に届ける。
松田は自分の母と重ねながら、
新谷は自分の兄弟と重ねながら、
會澤は自分の妻子どもと重ねながら。
そして、山本を裏切った原は、その懺悔の念を込めなが>>続きを読む
人間の奢りだと思うんです。自分たちの思い1つで天変地異をコントロールできるなんて。
どうにもできないからこそ、昔の人は人間と神様が住む空間を分離して敬っていたし、「恵み」として自然から物を分けてもらう>>続きを読む
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ソーシャルワーカーが気を利かせて3着用意したコートも「3着もどこに置くの?」と突き返すし、近所の子どもが持ってきたクリスマスプレゼントにもありがとうの一言すら言わない。
車のキーを無くしかけたときも>>続きを読む
『失敗の本質』に沖縄戦の顛末が詳細に描かれているから、詳しい話はそちらを見るとして。
うーん。島田叡しかり、中川州男しかり、栗林忠道しかり。
彼らの高い精神性を見るたびに「もし違う場所・違うタイミ>>続きを読む
止まることを知らない男、ディーン・モリアーティ。彼の目は常にここではない「どこか」に向いていて、ただひたすらにアメリカを右に左に、移動し続ける。
かたや主人公サル・パラダイスは、育ちの良い「インテリ>>続きを読む
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物事を因果律的に解釈する人類と目的論的に解釈するヘプタポッド。
僕らにとって未来は、行動の結果として存在しているけれど、彼らにとってみれば現在も未来も、そして過去さえも同時に存在していて。
だと>>続きを読む
作中、たびたびこちらを見つめて語りかけるミルグラム。まるで僕らも被験者の1人かのように…。
600万人ものユダヤ人虐殺を指揮したアドルフ・アイヒマン。ハンナ・アーレントは法廷で話す彼の平凡な姿から「悪の凡庸さ」と名前をつけ、思考を止めた人間だと主張するけれど。
どうなんだろう。
むしろア>>続きを読む
言葉巧みな話術に加え、制度上の盲点をつくことにも長けていたヒトラー。不況時代は強いリーダーシップを求めがちですけれど、それが英雄か、それとも独裁か。考えさせられます。
移り変わる時代の中で、漫画に求められるものも変化していく。
少年少女向けから大人向けに、冒険活劇からSF、サスペンス、もっと過激で過剰なギャグに。
そのこと自体はもちろん、漫画のイチ発展形態とも言>>続きを読む
この手の映画を観て「人間は愚かだ」とか「戦争はダメだ」と思うけれど。
自分がもし、彼らと同じような状況になったとして、戦争反対を言えるのだろうか。周りに流されて志願してしまうんじゃないのか。結局、権>>続きを読む
巣鴨プリズンに響く、力なき歌声の「神共にいまして」。圧倒的現実の前に、神も仏も…。
小学校の頃に家族で行った十和田湖の、ロープウェイ乗り場のディスプレイで流れていた映画。
覚えているのは寒すぎるあまり体温調整がおかしくなって服を脱ぎ捨てる兵士と排泄しながら兵士が死ぬシーン。子供なが>>続きを読む
世界は悪意によってではなく、ねじ曲がった「善意」によって滅びる。
そのルールを守ることに、どんな意味があるのか。目の前の人を幸せにできるのか。
現実は曖昧で、グレーで、正解が無いからこそ。他人ではなく、自分の良心に従ってルールを作る。
もちろん、それは簡単なこ>>続きを読む
「死」をテーマにしつつも良い意味で深さを感じさせないところが、ショービジネスの熱気や怖さを出してるというか。
思ったんだけど、オープニングテーマ(『On broadway 』)で全部説明してるね、映>>続きを読む
言葉は単に文字通りに機能するのではなく、発せられた背景や伝える対象との関係性によって意味が変化する。
この映画は、セリフもシチュエーションもほとんど同じ短編を3つ重ねる。けれどそれぞれの文化圏が異>>続きを読む
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後味の悪さがとても良い。見方によって結末の意味が分かれるところも。
彼らを「中途半端」と上から語るのは簡単。でも人は皆、僕を含めて彼らと同じようなものだと思う。不満は無いけど不安はあるとか。変わり>>続きを読む
テーマはとっても良い。生きるうえで悩み苦しみは尽きないものだから。
原作は、特に1巻の『影との戦い』は、ハイタカ(ゲド)自身が自分の弱さゆえに生み出した影と向き合い、1つとなる物語。だからこそ、どう>>続きを読む
ブルータリズム、スポメニックの禍々しさを堪能できる作品。このモニュメント群を見に旧ユーゴスラヴィアへ行きたくなる。
「想定しうるあらゆる事故」の範疇を超えた「想定外の事故」。それは、地球から32万キロ離れた、月まではあと6万キロという地点で生じた。
予想しえない事故、シミュレーション不足。
誰が悪い、何が悪い。>>続きを読む
宗教コミュニティの永遠のテーマ「信仰と自由の選択」を、3人の複雑な関係で表現した作品。テーマがテーマだけに、人ごとという感じではいられなかった。
個人的には、ドヴィッドがラビの地位を放棄してまで伝え>>続きを読む