このレビューはネタバレを含みます
遺書を分割しそれぞれが記憶して、家族に届ける。
松田は自分の母と重ねながら、
新谷は自分の兄弟と重ねながら、
會澤は自分の妻子どもと重ねながら。
そして、山本を裏切った原は、その懺悔の念を込めながら。
ソ連兵の目を掻い潜って遺書を記憶するのは、並大抵のことじゃない。自由時間は限られているし、荷物検査でいつ、没収されるかも分からない。それに加えて毎日の強制労働もある。
それでも、山本さんの医者を届けたいと思った人たちがいること。
そのことだけでもう……。
===
チラッと映る日本の新聞。そこには「もはや戦後ではない」の文字。
感動というより悔しさに近い。この感情は。