とちこさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

千年女優(2001年製作の映画)

4.5

フィクション間の地続き的編集がすごいです。「揺れ」や「扉の開け閉め」、そして「主人公のつまずき」による別のシーンへの移り変わり。人の記憶ってデジタルではな無くて、流れるような連続体なのかもと思わされま>>続きを読む

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

4.0

主人公未麻アイドルとしての自分と、女優としての自分のギャップから生じる葛藤がよく描かれていました。「ダブルバインド」というドラマの脚本がそれに追い打ちをかけるかのように、彼女を精神的に追い込んでいく演>>続きを読む

ユンボギの日記(1965年製作の映画)

3.0

ゴダールが『ジェーンへの手紙』などで参考にしてたと思われる、韓国の子どもたちの写真のモンタージュと、ナレーションで構成されている作品。
今現在、紛争が起きている状況下で非常にアクチュアルな作品だと思い
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ボブという名の猫 幸せのハイタッチ(2016年製作の映画)

4.5

トラ猫と薬物依存症のストリートミュージシャンの物語。
ネコ的な主観ショットも面白かったですし、なにより物語全体がすごくいい話でした。ドラッグに飢えているような主人公の身体を使った演技もすごく説得力があ
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小原庄助さん(1949年製作の映画)

4.0

古き日本の農村における、大富豪の伝統的日本家屋の奥行きを活かした撮影が秀逸。それとsound。ツバメの鳴き声、ミシンの音、坊さんが叩く木魚の音。

RENT/レント(2005年製作の映画)

2.0

ホームアローンやハリーポッター からこの「レント」という作品のモードチェンジは驚かされました。ミュージカル映画なんで、役者さんたちの歌の技術はすごいです。
ただ、この映画で出てくる、ゲイ・レズビアン、
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ピクセル(2015年製作の映画)

2.0

パックマンとの闘いのシーン、ニューヨークの街を俯瞰ショットで撮ることで、ニューヨークの幾何学的道路模様をパックマンのコースに見立てるというのは面白かった。
けど、軍人に対してオタクたちがイキってる姿と
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グレムリン(1984年製作の映画)

4.0

この時代ならではの人形的、彫刻的なモンスターの造形にリアリティを感じます。そしてギズモが愛らしくて可愛いです。

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.5

宇宙の闇の中を宇宙船のごとく、夜中の街をタクシーが駆け抜けていくショットがいいですね。タクシー運転手と乗客のやりとりも面白く楽しく見れました。特にローマの回はバカバカしい話を真剣に話す運転手の姿が笑え>>続きを読む

菊五郎の鏡獅子(1935年製作の映画)

4.0

小津のドキュメンタリー作品で、歌舞伎の演目「鏡獅子」を演じる6代目尾上菊五郎が主な被写体です。舞の荒々しさが凄まじいです。とくに終盤の獅子に乗り移られて、猛り狂うように踊る姿が。それに加わる荒々しい舞>>続きを読む

美女と野獣(1946年製作の映画)

3.5

「美女と野獣」はフランスファンタジー映画の系譜に位置する作品でもあり、マルセル•カルネの「悪魔が夜くる」(1942)もこの系譜に入ると思ってます。
蝋燭をもつ黒子を使っているところとか、今見るとチープ
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港の日本娘(1933年製作の映画)

3.0

1930年代の横浜の山手?と思われる場所がロケーションとして使われ、高低差のある台地上からの撮影が印象に残ります。今みたいに高い建物が無い分、台地上からの眺めが素晴らしいです。「ありがたうさん」でもそ>>続きを読む

シン・ジョーズ(2016年製作の映画)

2.5

日本語タイトルは「シン•ジョーズ」となっていて、結構うまいなぁと思いました。
タイトルの「シン〜」がとくに。庵野秀明の「シン・ゴジラ」の連想からつけられているのはもちろんだけど、実際にこの映画自体がゴ
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フェリチタ!(2020年製作の映画)

3.5

タイトルのFelicitàはイタリア語で幸せという意味みたいですね。庭付きの戸建がなくても、船と車と映画があれば家族は幸せに暮らせるんだ感じられるような映画でした。

ダムネーション 天罰(1988年製作の映画)

4.0

ずっと気になっていてやっと見にいけました。モノクロームの美しい映像が最後まで持続していくとても高密度な映画でした。
雨と霧の存在感がとてつもないです。