松島百景さんの映画レビュー・感想・評価

松島百景

松島百景

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移動都市/モータル・エンジン(2018年製作の映画)

3.6

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無茶な設定のときは問答無用な映像で説得力を持たせる。

アクアマンのときもそうだったけど、頭から唖然とするような映像でぶちかませばもうOK。
ひとつの下町みたいな移動都市が三々五々に散らばる
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

3.7

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物語に手の込んだところは無い。
妻と子どもを取り戻したいがために、世界が崩壊しようとも別次元への扉を開こうとする悪役。
それを阻止するスパイダーマン。どういうわけか、スパイダーマンがその扉に入った
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フォルトゥナの瞳(2019年製作の映画)

1.2

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劇場で拝見したのですが、席は8割方埋まってるし、終盤ではすすり泣く声が結構聞こえてくるし、満足度が高そうな雰囲気があったのであんまり悪いこと書きたくないんですけどね。。。

でも書きます。ごめんなさい
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狼たちの午後(1975年製作の映画)

4.0

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銀行強盗に押し込んでるのに、「やっぱり無理だよ」「俺、撃てないよ」みたいに弱腰になって結局帰っちゃう若造のシークエンスから面白さ全開。
ちんけな強盗がみるみる大騒動に発展してしまうカタルシス。数ばっか
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雪の断章 情熱(1985年製作の映画)

3.9

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映画は虚構の芸術だということを骨の髄まで叩き込まれる、相米監督の傑作。
有名な長回しや意味不明なピエロ(田中陽造氏曰く、「いろいろなしがらみがあってのピエロだと思います」だそうです)ばかりが目につきま
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天国でまた会おう(2017年製作の映画)

3.9

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一見複雑そうな人物相関図を少人数で語り切ってしまうそのシナリオの力強さ!

しかしそれでも単調になりがちな復讐譚を、表情豊かな仮面たちで彩る演出!

クライマックスの父親との邂逅はベタな展開ながらジン
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斬、(2018年製作の映画)

2.5

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ガンガン打ち付けられる鋼鉄!過剰な音響!
始まり方はもう間違いなく、江戸時代版「鉄男2」!これは期待しかない!
物語も主人公を塚本監督扮する男が心理的に追い詰めるあたり、鉄男2っぽい!
そしていよいよ
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

僕はこの監督の、悪趣味ところがオシャレと思わせるその作風が嫌いだ。
大っ嫌いだ。吐き気がする。

それでもこの映画は面白い。それはただただシンプルな話だから。テーマもわかりやすい。

女王陛下は孤独だ
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ナポリの隣人(2017年製作の映画)

3.5

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生きることは理不尽と相対することだ。対外的なことだけではない。自分の中では自分が一番正しい。それは正しいと思ってないと精神を保てないだけで、理論的に正しいと証明することは難しい。すなわち自分自身も常に>>続きを読む

アリータ:バトル・エンジェル(2018年製作の映画)

2.1

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テレビドラマが映画化されると、元のドラマ見てないと全然話がわからない映画が出来上がるってことがよくあるけど、これもそうなんじゃないかなあって思うくらい、よくわからない。

モヒカン野郎が持ってた剣はど
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アクアマン(2018年製作の映画)

3.8

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超人とは、何をしても死なない人のことを言うのだ。
だから、超人には何したっていいんだ!!!

って模造紙に書いて壁に大きく張ってストーリーを考えたに違いない胸のすくような英雄譚。アホな(誉め言葉)描写
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バジュランギおじさんと、小さな迷子(2015年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

この映画を見て思い出したことがある。

2年程前。複数の友人と雑談していた時のことだ。雑談の流れで、僕は新宿駅で見かけたエピソードを語り始めた。それは困っていた日本人を韓国人観光客たちが助けようとやっ
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THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

人生は思い込みとの戦いだ。あの人はこう思ってる。あの人はそういう人だ。これはこういうこと。それはもう済んでいる。思い込みを重ねて取り返しのつかない失敗を犯す。

そしてそれを繰り返す。もう2度と失敗し
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ファースト・マン(2018年製作の映画)

3.0

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娘への無念を胸に、宇宙を目指す。
何故宇宙を目指したのか。その答えはラストにある。何気なく空を指さす娘。
その先にあったものは、青空に白く淡く漂う月だ。
あそこにいる、または、あそこに行きたい。

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赤い雪 Red Snow(2019年製作の映画)

3.1

記憶とは何か。真実とは何か。
ひとまず明確な答えを求めたがる現代において、この映画はもどかしく感じるかもしれません。
映画を見て、ひとことの感想で終わらせるのは簡単です。
だけどそれじゃもったいない。
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世界は今日から君のもの(2017年製作の映画)

2.9

門脇麦さんに対する興味が溢れ出す。
この人どんな人なんだろう。普段はどんな演技をするんだろう。所在ないカットでもそこに居られる存在感はいったいなんなんだろう。

もっとアッと言わせてくれる俳優さんだろ
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.1

オープニングで涙して、エンディングで涙する映画が、傑作でないはずがない。

みんな観るといいよ。
そんで、パンフを買って評論や監督のコメントに更に悶絶して、サントラ買ってもっと悶絶すればいいのさ!
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ルパン三世 カリオストロの城(1979年製作の映画)

4.0

前提としてMX4D版で鑑賞したので、落ち着いて観たというよりイベントに参加した感満載でしたが、それでも大スクリーンで名作を観られる喜び!

テレビで観た時には気付かなかった、風景の書き込みの緻密さ、美
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ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

3.9

言い方が悪いけど、エピソード7より断然面白い!

評判の悪い前半部分も、マッツ・ミケルセンの熱演やドニー・イェンの技斗、異星人たちの雑踏の細かい作りこみに惚れ惚れしちゃうし、そうこうするうちに怒涛の後
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スモーク(1995年製作の映画)

4.2

大大大好きな映画がまさかのデジタルリマスターで劇場公開!
これを機に絶版になってる文庫を再販してください!持ってるけど。

ブルックリンの街角にあるタバコ屋に現れる人間模様を描いた群像劇。
ブルックリ
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ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)

3.2

ホラー映画の定義ってちょっとわからないんだけど、個人的には「得体の知れないものに命を脅かされる恐怖」がホラー映画だと思うので、この映画をホラーと呼ぶのに違和感を覚えました。

つまりスリラー映画。
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幸せなひとりぼっち(2015年製作の映画)

3.5

やさしい、やさしい、やさしい映画。
「幸せなひとりぼっち」という邦題はイマイチだけど、そんな邦題にダマされて観ても許してあげられるやさしい映画。

幸せは、人との関係の中でしか生まれない。
なのに最近
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シークレット・オブ・モンスター(2015年製作の映画)

3.0

実存主義の大家、サルトルによる小説「指導者の幼年時代」が原案とあって、まあ到底理解のできる映画じゃないだろうなあと思ってたけど、まあこうまで理解できないとは!

なのに!

こうまで観続けられる映画が
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L エル(2016年製作の映画)

2.0

ABCファン2名と準主役の古川さんファン1名の友人たちに連れられて行った映画。

友人たちの感想は、
ABCファンその1(女性)→小説のほうが断然泣ける
ABCファンその2(女性)→もっと音楽を楽しみ
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手紙は憶えている(2015年製作の映画)

3.5

家族を殺したナチSSの生き残りを追う、認知症の老人。

映画全篇、不穏な演出。鑑賞した劇場の狭さもあって(席数56!)ほんとに窒息しそうな気分になりました。

原題はシンプルに「REMEMBER」。手
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.3

こんなに志の高い映画は滅多にない。
笑えて、のんびりとして、心が温まって、苦しくって、残酷で、だけど人間を信じずにはいられない。

鑑賞中に沸き起こる感情の数がたまらなく多い。
なぜこんなことができる
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湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

3.5

「寿命いくばくもない主人公の映画なんて見に行きたくねえ!」と思ってる方にオススメしたい。

9割がた埋まった劇場が、物語中盤あたりからすすり泣きすすり泣きの大合唱。一緒に見にいった友人は嗚咽しているし
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追憶(2015年製作の映画)

3.2

南太平洋のパラオ諸島に浮かぶペリリュー島。第二次世界大戦中のこの島で70日に及ぶ激戦、日本軍、米国軍合せて1万を超す命がこの地に散った事実を、美しい自然と豊富な資料映像と証言で綴る。

とにかく資料映
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怒り(2016年製作の映画)

3.1

規模が大きく、演者も一流ということもあり、終始安心して観ることのできる邦画。
だけど誰にもオススメできない。観た後は、心がガッサガサになるから。しかし鑑賞後の満足度は高い!

ということで、これから観
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ダゲレオタイプの女(2016年製作の映画)

3.0

黒沢清監督の映画はおそろしい。じわじわと、しかしはっきりと提示され誘導されるその演出は本当に素晴らしい。

その演出で愛が語られる。一体何が起こっているのか。是非劇場でお確かめください。


以下、批
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スーサイド・スクワッド(2016年製作の映画)

3.2

「バットマン v スーパーマン」と「ジャスティスリーグ」の間を埋めるスピンオフ的な作品として観ると俄然燃える一作。
ドンパチ大好き!「ワンダーウーマン」も楽しみにしてます!

映像と音の迫力や役者陣の
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リトル・ボーイ 小さなボクと戦争(2014年製作の映画)

2.1

このレビューはネタバレを含みます

どんな映画でも褒めたいたちなのですが、これはちょっと・・・。

アメリカの人たちにとって、ヒロシマってこの程度の認識でしかないんだよなって、悲しい気持ちになって劇場を後にしました。

細かいことかもし
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ある戦争(2015年製作の映画)

3.6

戦争犯罪は誰のもの?

ただただそれを身近に感じさせてくれただけで見てよかったと思わせてくれる映画。

そしてその疑問を誰かと共有して意見交換したくてたまらなくなる。この映画に関しては誰かと話してこそ
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チャーリー Charlie(2015年製作の映画)

3.6

インドの片田舎を舞台にした独立心の強い眼鏡っ娘ヒロインと、神出鬼没なお節介焼きイケメンの追いつ追われつ?な冒険譚。

インド映画ならではのサービス精神満点な演出も楽しいし、なによりたたみ掛けるカットひ
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七人の侍(1954年製作の映画)

4.2

言うまでもないけど、黒澤明の代表作。「小國×橋本×黒澤」トリオとしては2作目。

シナリオとしては「生きる」のほうが好きですが、観ていて楽しいのはやっぱりこっち。

長尺でストーリーはシンプルでありな
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生きる(1952年製作の映画)

4.3

ひと月以上前に見たのに、それでも、感想書きたくても、

「小國×橋本×黒澤ってバケモノだよね」

ぐらいしか思いつかなかった。
鑑賞後にすぐに黒澤明全集に載ってたシナリオを読みました。

(2016.
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