Atsushiさんの映画レビュー・感想・評価

Atsushi

Atsushi

映画(40)
ドラマ(0)
アニメ(0)

TENET テネット(2020年製作の映画)

4.0

クリストファー・ノーランは時間を扱うことが多い。映画の魅力って編集で時間の流れをいじれることだと思っているのかもしれない。それを現実でやれたらどうなんだろう?というお話がこれなのかもしれないと思った。>>続きを読む

大いなる幻影(1937年製作の映画)

4.5

国同士の戦争となると安易に敵味方と単純化して考えがちだが、どちらの陣営の中にもさまざまな社会的ルーツを持ち、戦争に対する視点も異なる人々が混じり合っている。
そんな当たり前ながら忘れてしまいがちな現実
>>続きを読む

ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)

3.5

映像の圧倒的な素晴らしさ無しにこの映画は語れない、というか成立しない。
宇宙空間をここまでリアルに感じたことはなかった。

そして緩急の付け方も素晴らしくて、冒頭から一気に極限状態に陥るまでの序盤はス
>>続きを読む

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

3.5

冒頭から一貫して音と映像の組み合わさる面白さを存分に味合わせてくれる。
カーアクションは文句無し、全体を通してテンポよく、お洒落。
ストーリーの盛り上げ方も結末も上手い。シンプルに楽しめる良い映画だな
>>続きを読む

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

5.0

大傑作の前作に勝るとも劣らないクオリティの高さだと思う。冒頭から映像の美しさに圧倒させられる。とにかく美しい。色使いや照明の雰囲気にも品があると思う。

街の景観やメカも前作の世界観をうまく引き継ぎな
>>続きを読む

マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

3.5

相変わらずテンポ良く展開していくし、ド派手なカーアクションも出し惜しみなしで良かった。
映像的にも砂漠の美しさに感嘆させらされつつ、多彩なアングルで迫力もばっちり。どうやって撮ってるのか不思議なシーン
>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.5

無垢な子供同士の友情でもなく、モンスターペアレントやネグレクト、教育現場の崩壊といった諸問題でもなく、それらすべての渾然一体となった世間を様々な視野から納めた作品だと思った。
どう読み取るかを観客に委
>>続きを読む

マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

4.5

シリーズものでしかもリブート的な作品が面白いことってなかなかない気がするけど、これはまさかのシリーズ最高傑作。
ほとんど説明的なシーン無しでずっと走りっぱなしなのがすごい。
改造車が砂煙を上げながら砂
>>続きを読む

キリエのうた(2023年製作の映画)

4.0

映像がとても綺麗で、明暗それぞれ印象に残る光の使い方が上手い監督だと思う。
アイナ・ジ・エンドの天性の歌声に一気にひきこまれるし、持ち前のキャラクターを引き出す脚本のうまさも相まって演技に関する違和感
>>続きを読む

サイコ(1960年製作の映画)

5.0

サスペンス映画の最高峰だと思う。
冒頭からしばらく展開が読めないが視聴者側は主人公と一緒に精神的に追い込まれる。
そこから先、とにかく意表をつく展開とハラハラする攻防、予想外の真相、もやもやする結末と
>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.5

主人公が日々を淡々と過ごしていく姿を追っていく。
トイレ掃除という厭われる仕事を黙々とやり、木漏れ日をカメラに収めたり、古本屋で幸田文買って読んだり、盆栽を育てたり、質素ながら日々を楽しんでいる姿に憧
>>続きを読む

不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年製作の映画)

3.5

突然街中から他の惑星に飛ばされ、全く違うおかしな異星人達の文化に戸惑いながら奇妙な冒険をする。
なぜだろう。普通に古臭いしさっぱり意味がわからないし気の抜けた感じなんだけど、面白くて癖になる。そして他
>>続きを読む

オールド・ボーイ(2003年製作の映画)

4.0

スタイリッシュでバイオレンス。
主人公がなぜ囚われていたのか、なぜ解放されたのか、いずれも全く分からないという構造が上手い。
カメラワークもセンスが抜群に良いと思う。

ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

5.0

世界観、人間らしさを問うメッセージ性、斬新な未来世界のビジュアルなど、全体を通して圧倒的なクオリティだと思う。
美しい映像と音楽、斬新な衣装とセット、哲学的な脚本、どれをとっても最高。

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

4.5

めちゃくちゃ怖い。でも怖いシーンだけを見直してみると意外と耐えられるので、展開が凄まじく上手いのだと気づいた。
冒頭からとにかく不気味な演出が続き、緩急はあるのだけれど気が休まる時がない。じわじわと真
>>続きを読む

レオン 完全版(1994年製作の映画)

5.0

何度も観ているが飽きのこないアクション映画の名作。
ゲイリー・オールドマンとナタリー・ポートマンの演技が凄すぎる。
ストーリーはシンプルだけれど絶妙だし、冒頭の唐突で残虐なシーンが生む緊迫感や最後の壮
>>続きを読む

スナッチ(2000年製作の映画)

4.5

めちゃくちゃな登場人物達の思惑が絡み合い、偶然が偶然を呼ぶどこに向かうか分からない展開が癖になる。
編集の妙でテンポが良く展開気持ちいいし、ジェイソン・ステイサムやブラッド・ピット、ベニチオ・デル・ト
>>続きを読む

ニュー・シネマ・パラダイス(1989年製作の映画)

5.0

映画への愛をうたった映画。映画館のある広場の風景、映画に熱狂する人々や主人公、映写技師の姿、全てがたまらなく愛しい。
全編通してシチリアの自然や街並み、人々の生活の様子を捉えた美しい映像と、エンニオ・
>>続きを読む

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)

4.5

ちょっと他に思いつかないくらいに美しい映像に圧倒された。撮影を手がけたエマニュエル・ルベツキの名前をこの作品で知ったけれど他の作品を知ると納得。
レオナルド・ディカプリオとトム・ハーディの荒々しくたく
>>続きを読む

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

5.0

スネアドラムと共に現れるオープニングタイトルを見た時点で確信したけど、裏切らない最高にクールな映画。
長回しで主人公を追いかけるカメラワークも最高、ドラムを軸にした音楽も最高。
落ちぶれた俳優を軸に、
>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.0

ホラー、SF、サスペンス、???となかなか全貌を掴ませてくれない。ネタバレになるので言えないが最後はもうずるいというか、やってくれたなと感嘆した。
スティーヴン・ユアンの役どころが絶妙で、彼の存在で作
>>続きを読む

ゲット・アウト(2017年製作の映画)

3.5

とにかく不穏さ、不気味さの演出がうまい。
真相までしっかりフェアに描いていて、やられたなとなる。
センシティブで避けられがちな人種差別問題にまつわる複雑な様相を絶妙な角度で取り入れてうまく作品に昇華し
>>続きを読む

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

5.0

役者のはじけきった演技と全編ふざけたブラックユーモアで綴りながら、核保有国同士の緊張状態がいかに異常なことなのかストレートに伝える作りが最高。

シャイニング(1980年製作の映画)

5.0

ホラー映画の最高峰だと思う。モダンなホテルの内装と構図や動きが素晴らしい撮影の妙が合わさって映像も楽しめる。
双子の女の子や血の海、パーティーといった印象的なシーンの連続に加えて、最高にいかれたジャッ
>>続きを読む

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

5.0

傍若無人で倫理観の欠落した主人公。
その嫌悪感を抱かざるえないおこないを、近未来的な奇抜な衣装やセンスバツグンな映像や編集でポップに描くことで狂気にどっぷり浸らされる。
振り切った役者の演技や筋書きの
>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

5.0

タイトルのとおり、金持ち一家に寄生する貧乏一家。ブラックユーモアに満ちたコミカルな作品として見られるんだけれど、それを生み出す格差社会の批判もしっかりあるのでなんとも言えない気持ちにもなる。
そうこう
>>続きを読む

12モンキーズ(1995年製作の映画)

4.5

時代を行き来しながら人類を壊滅させた原因を追いかけでいくんだけれど、ところどころにヒントを散りばめながら繋いでいくことでサスペンス的な面白さが絶妙。
狂気を感じさせる未来世界のビジュアルやカメラの使い
>>続きを読む

ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008年製作の映画)

4.0

奇抜な設定だけれど、主人公が出会う全てのキャラクターが印象的で素敵。様々な人がいて、それぞれに儚くも愛すべき人生があると思わせる素敵な作品だと思う。
どこかファンタジーな雰囲気ながらすっきりとした映像
>>続きを読む

21グラム(2003年製作の映画)

5.0

罪と人生、愛情、命を真正面から描いた作品だと思う。キャストが豪華すぎるので演技の素晴らしさは折り紙付き。
時系列がバラバラでちょっと混乱させられるけれど、ちょっとざらついたような映像も含めてかなり印象
>>続きを読む

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

5.0

オープニングからしてもうかっこいい。
一回きりの人間関係とか、高級石鹸とか、サブリミナルなとか、とにかくシニカルな消費社会批判もありつつ、それを殴り合ったり犯罪行為をすることで突き破ってく爽快感。
>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

クリストファー・ノーラン監督作品らしく時系列が複雑なので流れを理解するまでは苦労するが、長尺の作品を最後まで飽きさせない仕掛けとしてしっかり機能している。
政治や国際情勢に翻弄される様もしっかり描いて
>>続きを読む

セブン(1995年製作の映画)

4.5

雑多な街並みや痛々しいシーンを生々しく映しながら全編どこかアートな感性が宿る映像の素晴らしさ、結末のインパクトはもちろんのことそこに至るまでの流れも完璧な脚本の素晴らしさ。サスペンス映画の金字塔だと思>>続きを読む

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

5.0

これほど削ぎ落として、なおかつ飽きさせずに楽しませることができる映画が他にがあるだろうか。
たった1人陪審員としての責務を全うしようとする男の熱意が徐々にまわりを動かしていく様が熱い。
陪審員制度、と
>>続きを読む

素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

5.0

何度も観ている大好きな映画。
明るく実直、自分のことなど二の次で他人を助けるような主人公の行動にフィクションだと分かっていてもいちいち温かい気持ちにさせられてしまう。
気を衒うことなく、真正面から人生
>>続きを読む

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015年製作の映画)

3.5

一流ビジネスマンとして理想的な人生を歩んでいたように見える主人公。
妻の死によってどんどん無軌道になっていき、体裁を取り繕うことを辞め、生き生きとしていく。果たして本来の自分と向き合って自分の人生を生
>>続きを読む

ゆれる(2006年製作の映画)

4.5

事件の真相を語る兄弟それぞれの証言。一体どちらが正しいのか、はたまたどちらも100%正しくはないのか。観ている側はまさに揺さぶられる。
徐々に兄弟がやり過ごしていたしこりが表に出てきて、誠実ながらパッ
>>続きを読む