Blake1757さんの映画レビュー・感想・評価

Blake1757

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教授と美女(1941年製作の映画)

3.0

日芸映画出身の知人から勧められて2022年にアマプラで見ていたのを、さっき思い出して記録。
思い出したきっかけはたまたまみた「スクリューボール・コメディ」についてのwikipediaの項目の下の方に「
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シックス・センス(1999年製作の映画)

2.5

ネットで『映画の嘘(の魅力)』について書かれた文章(*)を読んで、そこで「トリックエンディング(観客に映画で描かれた現実の理解が完全に間違っていたことを明かす意表をつく結末)」の代表作として取り上げら>>続きを読む

気狂いピエロ(1965年製作の映画)

3.9

2週間前に、「応援しているサッカーチームががっかりな負け方をして、気分を変えたくて、『そうだゴダール、見よう』と思い立っ」て、『勝手にしやがれ』を観た。
今日もまた、チームはふがいない負け方で負けた。
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3-4x10月(1990年製作の映画)

3.1

これを監督2作目(自作脚本では1作目)で撮る北野(および撮らせるプロデューサー)の度胸が凄い。北野のフィルモグラフィーの中でも、かなり物語(プロットと言い換えてもよい)を「解体」しちゃってる部類だと思>>続きを読む

菊次郎の夏(1999年製作の映画)

3.5

久石譲の映画音楽の中で、旋律に関して言えばこの映画のテーマである「Suumer」が最も好きだ。
この「菊次郎の夏」にこの旋律が無ければ、だいぶ違った印象になっていたように思う。
北野武の撮る映像に、見
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π〈パイ〉 デジタルリマスター(1998年製作の映画)

3.2

劇場のポスターだったかに「90年代カルトフィルム~」といった形容がされていたが、まさに「王道的カルトフィルム」。
モノクロームの陰影、クロースアップと超クロースアップ(extream close-up
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

4.1

予備知識ほぼゼロで「高校の映画部を題材にした青春映画(演劇部が題材の『幕が上がる』のような)」だろうと思って見始めたのだが、まったく予想もしていなかった展開で(予告編で明かされていたSF要素も知らずに>>続きを読む

勝手にしやがれ(1960年製作の映画)

4.2

応援しているサッカーチームががっかりな負け方をして、気分を変えたくて派手なアクション映画か爽やかな王道青春映画でも見ようかとサブスクを探しているうちに、「そうだゴダール、見よう」と思い立った。
今さら
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

3.7

まったく個人的なことだが、僕は昨年(2023年)11月に、「裁判員候補者名簿に登録」された旨の通知を受け取った。まだ具体的な事件の裁判員に選任されたわけではないが、今年(2024年)中に選任される可能>>続きを読む

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

3.5

少し前に久しぶりに観た『未知への飛行』に合わせたわけでもないが、ちょうどNHK-BSで放送されたので録画で視聴。
同時期に制作されたモチーフを同じくする映画である両作には何やらいわくつきのようでもある
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市子(2023年製作の映画)

4.1

昨年公開時にツイッターのタイムラインに流れていてちょっと気になっていた。アマプラ開いたら突然きてたので、鑑賞。
ほぼ予備知識はなく、なんとなくヘビーな映画なんだろうと推測していたのだが、思った以上だっ
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.7

いわゆる謎解き型のミステリーだと思っていてあまり興味がなかったのだが、実はなかなか骨太の法廷劇で、僕は法廷劇は嫌いじゃなので、とても楽しめた。
シナリオがじゃっかん要素が詰め込まれ過ぎな感もあるが、手
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HANA-BI(1997年製作の映画)

3.8

北野武のフィルモグラフィーの中でも、もっとも死の匂いに満ちている作品だろう。
絵画によるモンタージュは、失礼ながら作品の中盤までは「策士が、策に溺れ」たような印象で、成功とは感じられなかったのだが、終
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Kids Return キッズ・リターン(1996年製作の映画)

3.1

はんちく(半端)な若者の鬱屈や挫折を寡黙なシナリオで描く本作のようなタイプの映画は本来嫌いじゃないのだが、今一つ物足りないのは、(ボクシングジムを含めた)屋内シーンのショットに力が無いからかなあ。逆に>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

2.5

僕には合わない映画だった。サブプロットの「家族」の話しは余計だった。この映画の作り手はああいうのを入れとかないと商業映画として成り立たないと考えてるのだろうか。『シン・ゴジラ』はそういうのが無くても商>>続きを読む

ソナチネ(1993年製作の映画)

4.1

北野武監督の最高傑作と評されることも多い作品。暴力団の抗争を枠組とするプロットで、拳銃が撃ちまくられ次々と人が死んでいく。
北野が「ソナチネ」というタイトルに込めた意味は分からないが、ルート音(根音)
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

3.9

ビクトル・エリセの随分久しぶりの長編ということで期待感をもって劇場に足を運んだ。
劇中でのある出来事で物語が大きく動くところまでは、会話中心でそのシーンの多くはクロースアップの切り返しが多く、名作「ミ
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.0

三宅唱監督の前作『ケイコ 目を澄ませて』がほんとうに素晴らしい作品で、この映画も期待値を高くして劇場に足を運んだ。
主演の二人がこの場で息をしているような存在を感じさせる演技(人物造形)、季節やその場
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明日に向って撃て!(1969年製作の映画)

3.6

おそらく何十年ぶりかの鑑賞。
かなりの部分を忘れていたが、有名な「自転車」のシーンやラストのストップモーションは勿論記憶に残っていた。
ただ改めて見たら、こんなに「馬に乗っている」映画だったのだなとい
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あの夏、いちばん静かな海。(1991年製作の映画)

3.9

キタノ・ブルーの映像、台詞の代わりのように鳴っている久石譲の音楽。ひたすら歩く登場人物達のリズム。これだけで、やはりこの映画は傑作。ただ歩いているだけの映像に、心を揺さぶられる。
いま観ると、現在の北
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.1

ビクトル・エリセの新作が公開されるとのことで、“予習“のつもりでリマスター版のDVDで鑑賞。
改めて言うまでもないが、これぞ「映画」であり、別の言い方をすれば「映画」という表現形式以外では決して表現で
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

3.4

前日に『ストップ・メイキング・センス(IMAX)』を観た流れで、こちらも配信で鑑賞。
ドラムセットのないステージで、(打楽器奏者も)全員が立ってステージを所狭しと動き回りながら演奏していくってショーの
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サン・セバスチャンへ、ようこそ(2020年製作の映画)

3.4

ウディ・アレンらしいコメディではありながら、その実、初老のペダンティックなインテリ男性のアイデンティティ・クライシスの映画という、それもまたウディ・アレンらしい展開の会話劇で、充分に楽しめた。いろんな>>続きを読む

ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

3.5

IMAXで観賞。
「かっこよかった」に尽きる。
正直なところトーキングヘッズにもデビット・バーンにもそれほどの思い入れはなくてCDもベスト盤を1枚持ってる程度。
僕は「ロックバンドの至上の形は3ピース
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ショーイング・アップ(2023年製作の映画)

3.5

オープニングのドローイングの映像はすごく惹かれたし、フィックスやミドルサイズの多いキャメラワーク自体もミニマルな物語も好みだし、ところどころに見事なモンタージュもあったと感じたのだが、けっきょく何かが>>続きを読む

幕が上がる(2015年製作の映画)

3.2

平田オリザの原作小説の映画化ということに興味を持ち、かつ特典の劇中劇『銀河鉄道の夜』の完全版の映像が観たくて、ブルーレイを購入して視聴。
実際の高校演劇の大会映像などがふんだんに使われていることもあり
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.0

今さらレビューの必要もない傑作だが、改めて、サスペンス映画としてのクオリティに恐れ入った。いわゆる「ハラハラ」感が連続し、長尺だがまったく飽きさせず、映像の力で観る者を引っ張っていく力量はさすが。シー>>続きを読む

あ、春(1998年製作の映画)

3.8

相米慎二の映画を観る度に思うのだが、自分は相米の映画を“生理的”に好んでいるのだと気付かされる。映画を観るということは、(いわゆる筋を追うこととは別に)ショットのサイズや時間感覚、テンポ、そうした「映>>続きを読む

SO WHAT(1988年製作の映画)

3.4

劇中歌(主人公たちがバンドで演奏する『SO WHAT』と『SHE IS STANDING』)が聴きたかったのと、大友克洋の原作漫画が付録でついているということで、DVDの[SPECIAL EDITIO>>続きを読む

揺れるとき(2021年製作の映画)

2.5

予備知識ほぼゼロで、配信でたまたま視聴。
光線(の違い)をかなり意識した撮影だと思うけれど、じゃっかん策を弄しすぎ(過剰にルックを変えすぎ)な気もした。さすがにカラーグレーディンで手を抜いたとかいうこ
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俺たちに明日はない(1967年製作の映画)

3.8

たぶん何十年ぶりかの視聴。
ストーリーは随分忘れていたが、やはりラストシーンは鮮烈。ガラス越しのラストショットも、いま観ても新鮮に感じる。
これぞアメリカン・ニューシネマ。

真島昌利(ex.ブルーハ
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東京物語(1953年製作の映画)

4.0

NHK BSでのオンエアを録画視聴。
今さらレビューする必要もないが、名作中の名作。
画面の奥行きの使い方やキャメラのアングルなど、やはり味わい深い。特に、日本家屋の中で人物が奥に遠ざかっていく動きや
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

3.8

ごく普通の善良な一市民を排除していく、社会福祉制度。あからさまな“悪意“が現前化しない分だけ理不尽だという思いが募る。劇中で直接言及されているわけではないが、「新自由主義」、「自己責任」という(大嫌い>>続きを読む

パッチギ!(2004年製作の映画)

3.8

すかっと終わる青春映画を観たい気分だったので、配信で視聴。
60年代の京都が舞台、日本人の高校生の在日朝鮮人の女子高生への「一目惚れ」が一応のメインプロットではあるが、その他にも幾層のサブプロットが重
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ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

4.0

冒頭の鉄道の車両基地の映像と、そこに続く犬と歩く主人公の映像(と聞こえてくる鼻歌)だけで、この映画が揺るぎない傑作だろうと確信した。
ラストベルトのインディアナから職を求めてアラスカに向けてクルマを走
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未知への飛行(1964年製作の映画)

3.9

シドニー・ルメット作品がわりと好きで、20代の頃に観て、その当時もとても面白かった記憶があるのだけど、2024年のいま観ても、いわゆるサスペンス映画として凄く面白かった。
プロローグのいくつかのシーン
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