Blake1757

幕が上がるのBlake1757のレビュー・感想・評価

幕が上がる(2015年製作の映画)
3.2
平田オリザの原作小説の映画化ということに興味を持ち、かつ特典の劇中劇『銀河鉄道の夜』の完全版の映像が観たくて、ブルーレイを購入して視聴。
実際の高校演劇の大会映像などがふんだんに使われていることもあり、その舞台の空気感がとてもよく映し出されていたと思う。黒木華は実際に高校で演劇部だったらしいが、見事にその(高校の演劇部という)世界を作り出していた。
下のネット記事からの引用になってしまうが、「たばねていた髪を振りほどき、美術室の窓を開け放ち、そこから風が吹き込み、揺れる髪に乱反射する。その瞬間、そこには『女優』がたち現れ」たのは、まさにその通りで、この映画の中では、一人「格の違い」をみせていた(もう一人あげるなら出番は少なかったが重要な役どころでもあった志賀廣太郎もか)。
全体としてよくできた青春映画だとは思うものの、僕の好みからいうとキャメラがちょっと動き過ぎなのと、序盤のモノローグによる説明はあんなに要らなかっただろうとは思う。
エンドロールで一気に、この映画が「ももクロの映画」であることを思い出させられるわけだが、ここも僕の好みとは違うのだが、そこはまあ興業ビジネスとしては当然といえば当然なのだろう。

*記事:「ももクロ×平田オリザ」論 「幕が上がる」をめぐって――関係性と身体性 対極の邂逅」(SYNODOS)
*記事:ももクロ映画「幕が上がる」に出てくる高校演劇シーンいろいろ
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