ぶてぃさんの映画レビュー・感想・評価

ぶてぃ

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はだかのゆめ(2022年製作の映画)

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ファーストショット。闇夜を横切る何か。次に突如あらわれる電車の光と突然の切断で心を鷲掴みにされる。

私が誰かに思いを馳せるときに、記憶のなかに浮かぶ相手を見つめる自分はまるでノロのようになる。記憶の
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メリー・ゴー・ラウンド(1981年製作の映画)

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追いかけるより対峙し見つめ合っている瞬間のほうがより印象に残るのは何故だろうか。

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

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映画に選ばれし者への啓示に溢れているが、おそらく今もってスピルバーグから消えないのであろう家族特に母親の呪縛が見ていてずっと苦しかった。
現実は映画とは違うことも、映画が時に被写体すら気づいていない真
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

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神話は生と死の境界にまたがり、現在過去未来にわたる生のあり方を照らしだし、感じさせてくれる特別なフィクションなのです。
西垣通著『こころの情報学』

美しい術(2009年製作の映画)

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後輩との関係性の描き方が絶妙で、女側にとってはこれぐらいが心地良いんだよね。

適切な距離(2011年製作の映画)

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れいじがいる世界を知ってしまった我々は、飲み会でのゆうじのゆうれい話を最初と同様に聞くことはできない。(れいじは存在してしまった。)最初から仕組まれた歪みは不思議な感触を残したまま、虚構のなかの虚構に>>続きを読む

私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)

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今見ても時代がシャンタル・アケルマンに追いついたとは全然思えない。

タイトルどおりのミニマムさ。一人称、二人称、三人称。で、君とはだれだったか?

砂糖爆食いから部屋を飛び出し、行きずりの恋が始まる
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ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

5.0

ルーティンの繰り返しにより安定させ閉じ込めていた狂気がルーティンの綻びと共に現前したとも思えるし、振り返ってみれば、1日目のルーティンこそ狂気で、2日目3日目は徐々に正気を取り戻していく過程だったよう>>続きを読む

愛されちゃって、マフィア(1988年製作の映画)

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80年代アメリカのエネルギーがぎっしり詰まっていて、その軽快で陽なグルーブをキープしたまま最後まで持っていくのが最高だった。
こういう映画が見たかった。2022年映画納め。ばっちり納まりました。

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

5.0

続けていくことと続いていくもの。
ラストの街のカットが印象的だった。そこにあるものをそこにあるままそっと切り取っているような(実際にはかなり緻密に厳格に構成されてるのだろうが、それを意識させない)画面
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西遊(2014年製作の映画)

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Walkerシリーズ汎用性高い。世界各地でもっと作って欲しいしもっと見たい。
登壇した監督の目がキラキラ輝いていたのが印象的だった。リーカンションも朴訥としながらお茶目に話してくれて会場はとても良い雰
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水の上を歩く(2013年製作の映画)

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映画館で観られて良かった。それぞれどこかを見ている人々の顔が良い。顔を見ているだけで良い。

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

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久しぶりに再見。どうして今これを見ようと思ったのか。不明。ただ、昔あんなに興奮したラストのWhere Is My Mind?がもったりと聞こえてしまってショックを受ける。

友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

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子供はわかっていないし大人もわかっていない。世界は素っ気なくでも優しい。オフの音。見えない顔。開いては閉まる扉。ドア職人のじいさんやアハメッドのじいさんに流れる時間。母親に流れる時間。明日の登校を前に>>続きを読む

桜桃の味(1997年製作の映画)

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すべては地続きで分ける必要がない。生活と創造は境目なく繋がっている。
並走したりすれ違ったりふと入り込んでは離れていったり。人と人との関係性の不思議さ。車という装置の巧みな使い方がやはり素晴らしい。

若き詩人(2014年製作の映画)

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ダミアン・マニヴェル監督来日記念上映にて
ヴァカンスがもたらす出会いの刹那。風のざわめきや鳥の囀り。墓地から聞こえるメッセージ。孤独を柔らかく包みこむように緩やかに流れていく時間。大きな出来事は起こら
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