東京マクラさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

東京マクラ

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ウインド・リバー(2017年製作の映画)

3.8

美しくも厳しい極寒の風景と、静かで重いストーリーが素晴らしくマッチしており、全体の完成度がとても高い作品でした!

映画内で映し出される自然の無情さや残酷さは、作品の展開や結末を的確に表現していると思
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わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)

3.3

ここ最近見た映画の中で一番透明感のある作品でした。主人公、風景、演出など映画の要素全てが澄んでいて、温かみのある作品です。

「変わりゆくもの」と「変わらないもの」相反する2つが共存する町並みが今作の
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(1963年製作の映画)

3.6

パニック映画を見ていて、面白いと思うことはあっても、結局は映画の中の話であり、自分に直接切迫するものではないからか、怖いと思うことが少ないタイプです。

しかし、今作は怖かったです。一見ありえない話な
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リービング・ラスベガス(1995年製作の映画)

3.5

死に向かっていく主人公は、この瞬間を謳歌して全力を尽くす刹那主義的な性質と人生に諦めて自ら破滅に向かっていく性質の2つが多いと思います。この作品は後者であり、その中でもかなり投げやり感が強いです。>>続きを読む

CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)

3.1

とてつもなく酔いました。画面の構成やカメラワークによって、視界がぐるぐると揺れてまるで車酔いのよう感覚が続きます。

薬物により思考や視界が混沌として乱れていく登場人物たちと同じ視点にさせる面白い演出
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

3.8

見よう、見ようと思っていたのですが、韓国映画は面白いけどエグいという印象が強くて、ずるずると見ずにきていました。身構えて、かつ話題作なのでかなりハードルが上がった状態で見ましたが、めちゃくちゃ面白かっ>>続きを読む

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

3.6

世界への警鐘をブラックユーモアたっぷり描いています。全編白黒なので身構えて鑑賞しましたが、物語がコメディー的にテンポよく進行していき、昔っぽさもあまりなかったのでとても見やすかったです。

この映画、
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RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)

3.8

世の中には様々な性的倒錯がありますが、その中でも特に禁忌だと思われるカニバリズムを題材にした映画です。

かなりグロテスクな内容ですが映像がとても綺麗で清潔感があるので、グロ描写が苦手な人でも比較的ま
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羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

3.6

映画を見始めた大学1年の時に見て以来の鑑賞です。初めて見たときはストーリーの面白さよりもレクター博士のキャラクターにやられてしまいました。狂気性のある映画好きの癖にぶっ刺ささった一本です。

久しぶり
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ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)

3.5

幼児を誘拐し監禁。その子に教育するために犯人がオリジナルアニメを制作し見せる。字面だけみるとサイコスリラー映画かなと思うのですが、自分は笑ったり温かい気持ちにもなれました。心温まる系の映画です。びっく>>続きを読む

メランコリック(2018年製作の映画)

3.5

映画の中で描かれる展開や設定を見るとかなり重たくなりそうですが、何故かそこまでヘビーに感じず、むしろ少し爽やかな若者たちの青春映画を見ているような不思議な雰囲気の映画でした。

「ヤクザの死体処理をす
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胸騒ぎの恋人(2010年製作の映画)

4.5

人間の人を好きになるという感情とそれによる心の動きを生々しく容赦なく、細部に関しては繊細、見事に表現している作品です。

表情による感情の表現が素晴らしく、どういう気持ちでその行動をしているのか言葉に
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グッバイ、レーニン!(2003年製作の映画)

3.9

自分は映画を評価する時にその作品のバランス感覚を重視することが多いです。特に感動させるようなテーマを扱う作品の場合は、見ている人を感動させようと演出や展開が偏り過ぎてしまいがちな印象です。

この映画
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ダウンレンジ(2017年製作の映画)

2.8

たまにはこういうB級映画をと鑑賞しました。男女が腕利きのスナイパーに白昼堂々と突然襲われるサバイバルアクション。設定だけみるとB級映画として100点です。

その角度はライフルの射線上ではないとか、普
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アマンダと僕(2018年製作の映画)

3.5

物語の中盤で大きく作品のテイストが変わる映画です。序盤はほのぼのとした雰囲気で描かれる家族もの作品という印象を受けましたが、中盤以降突然の理不尽に見舞われて行き場のない悲しみや、やるせなさを抱えながら>>続きを読む

Mommy/マミー(2014年製作の映画)

4.4

登場人物の誰に対しても好感も共感も抱くことはないのにも関わらず、これ程引き込まれて感情をぐちゃぐちゃにされるとは凄まじい映画だと思います。

鑑賞している時の感情は、一瞬たりとも平穏な時はなく、ずっと
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ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(2018年製作の映画)

3.8

凄まじい迫力と緊迫感。この映画はこれが特筆しています。前作の続きから始まるのかと思っていましたが、設定や登場人物は引き継ぎながらも単品でも普通に楽しめる作品になっていると思います。

前作と引き続きこ
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ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)

3.5

森見登美彦原作の映像作品を何作か見ましたがその中でも最も原作の色を押さえていると思います。しかし、原作の良さが消えているというわけではなく、特に会話が運びが森見登美彦作品ならではのテンポで耳心地がとて>>続きを読む

気狂いピエロ(1965年製作の映画)

3.5

ジャン=リュック・ゴダール監督の作品を初めて見ました。ストーリー展開や物語の伏線などの面白さというよりは、監督の作る世界を覗く面白さ、映画を見ているというよりは1つのアート作品を見ているような気分でし>>続きを読む

つみきのいえ(2008年製作の映画)

3.7

短い作品なのですが、メッセージ性がありとても良い作品でした。暖かみのある絵柄が内容とバッチリ合っており作品全体の雰囲気も素晴らしいです。

自分の住んできた家を舞台に主人公が経験してきた思い出や出来事
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天使のくれた時間(2000年製作の映画)

3.7

ごりごりのラブロマンス映画は普段あまり見ないのですが、なんとなく恋愛映画の気分だったので事前知識なしで鑑賞しました。

もう普通にいい映画です。人生の選択というものに焦点を当てた王道的なストーリーです
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夜明け告げるルーのうた(2017年製作の映画)

3.6

都会と田舎、生と死や夢と現実など対比するものの中で揺れる人々を堪らなく優しく、しかし時には厳しく残酷に描いている作品です。湯浅監督らしさ溢れる演出でアニメーションでしか表現できない世界を見事に作り上げ>>続きを読む

ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール(2014年製作の映画)

4.2

衣装や背景、画面全体の色使いやレイアウトがこれ程までに可愛らしくてお洒落な映画は初めてです。「何これ可愛い」となったので、女性はもちろんきっと男性でも共感してくれる方は多いのではないでしょうか。

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ロード・オブ・ウォー(2005年製作の映画)

3.7

一般的な人生ならば出会うことすらないであろう武器商人という生き方をテンポ良くスピーディーに描いており、とても見やすくて武器商人という仕事、兵器市場、戦争を取り巻くお金の動きが興味深く面白かったです。>>続きを読む

MIND GAME マインド・ゲーム(2004年製作の映画)

4.8

久し振りに観賞後すぐにもう一度見直しました。1回目はあまりにもぶっ飛んだ展開と膨大な情報量、熱量に圧倒されてしまいました。2回目はキャラクターの関係性や生き方、登場人物それぞれの考え方がありそれに共感>>続きを読む

怪怪怪怪物!(2017年製作の映画)

3.0

胸糞映画として身構えて鑑賞したからかそこまで鬱映画だとは思いませんでした。しかし残酷でキツい描写が多いので耐性が無い人は厳しいかもしれません。

B級スプラッタホラー映画としては素晴らしいできだと思い
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マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

3.7

シリーズを見たことがなく、この映画から入ったので正直ストーリーも世界観も良く理解していないです。またこの映画、展開自体は単調単純ではあると思います。
しかし最高でした。車で走って車で帰ってくるだけなの
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.9

今までに見たことがないタイプの映画。なんだこれはという2時間でした。序盤は導入部として引き込まれ、中盤は主人公たちと同様に一体何を見せられているのだろうという不安感と恐怖感、終盤は自分の倫理観や道徳観>>続きを読む

LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

3.5

インドが舞台の映画を見るたびに自分がインドに抱いている印象の薄っぺらさを実感します。

ノンフィクションの映画が特別好きなわけではないのですが、この映画はノンフィクションに意味がある作品だと思います。
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

5.0

話題作ということでかなりハードルを上げて鑑賞したのですが、期待以上に面白かったです!見ていてここまで様々な感情にさせてくれる映画だとは予告編などからは予想できず良い意味で裏切られました。

コメディー
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悲しみに、こんにちは(2017年製作の映画)

4.1

理不尽な理由で環境が大きく変化してしまった少女が新しい場所、人間関係の中で自分の居場所を得ることができるかというお話です。

誰かの庇護下でしか、周囲の大人に守られて頼らなければ生きることができない立
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岬の兄妹(2018年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

多くの人はこの映画に出てくる主人公達のような環境、社会的立場にいる人々と出会う機会なく一生を過ごすと思います。それが決して悪いことだとは思いませんし、わざわざ知る必要があるとも思いません。この映画は気>>続きを読む

ゾンビの中心で、愛をさけぶ(2018年製作の映画)

3.6

一周回って面白い邦題です。でもネタバレしていますし微妙に内容とも合っていないのでやっぱり原題の方がいいと思います。せめて叫ぶではなくささやくの方がいいような気がします。

好きな人といい感じになったり
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アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)

3.2

映画なのですが、映画みたいに一筋縄ではいかない。実際にあったことに基づいているからこその面白さがあり良かったです!

ドキュメンタリーに近い作品になっており映画の構造に関しても初めて見るもので斬新で面
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THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

3.5

場面の転換が極端に少なく描かれる空間が最小限な映画は何作か見たことがありますが、"音"という情報のみに焦点を当てて見ている側にこれ程想像を掻き立てさせる作品は初めてでした。

緊張感のある状況に置かれ
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ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)

3.6

新感覚のホラー作品でありSF要素にアクション要素、エンタメ性抜群でとても楽しかったです!ホラーは苦手なので普段はあまり見ませんが今作品はそんな自分でも楽しめました。

主人公の女性はわがままで自己中で
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