テオ・アンゲロプロスのような質感。小田エリカが雪面を蹴散らすシーンが印象的。
サントラがあざとい。感無量。ただ、統合失調症患者のような殺人犯がただ「悪」として描かれることに対しては一定の留保が必要だと思った。背景を見る、社会的背景を見る、ということを踏まえてまた見直したい。
齋藤潤と綾野剛のやり取りがたまらない。シュールな場面とベタな笑い両方がとてもよい塩梅で散りばめられていて大変面白かった。
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音楽とカットが素晴らしいのは言わずもがな。
ただ、トラヴィスが自分本位すぎて消化不良ぎみだ。
夫婦関係が上手くいかなくなったから家族を捨てて放浪するなんてけしからん、と思ったがそもそも芸術を道徳の物差>>続きを読む
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交通事故のトラウマを抱える家族が宇宙人をフルスイングする痛快な映画。本当に平凡な家族だが、遺言からの逆転劇のラストシーンは感動で胸がいっぱいになること必至。
途中は正直、大きな展開がなく眠たくなったが>>続きを読む
心温まる名作。感動を誘ういやらしさをなく、とても上品な演出とストーリーだった。老人と青年の友情が主ではあるが、この友情を成立させたのは息子を失ったメアリーその人といえる。
黙々と料理を提供し、二人の会>>続きを読む
随時に見られるアニエス・ヴァルダのユーモアが可愛らしい。拾わない人に拾う人、特に市場のゴミを拾い食べる青年が印象的。畑の収穫こぼしを落穂拾いして良いという法解釈は現在でも生きているのだろうか。捨てられ>>続きを読む
自分の殻に閉じこもっている青年とおじさんの友情物語というとありきたりな感じだが、そこに才能の有効活用の話が出てくることでより深みのあるストーリーになっている。
特にウィルの親友と、若々しい才能に怯える>>続きを読む
この説明のなさよ、よく作ったと思います。ダイアンとカミーラ、切ないね。
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抑制のきいた静かな映画だった。
ラストシーンの、バスの車窓から浜辺を歩く家族が映されるシーンは、残されていったものたちの困惑と哀切を深く感じた。
息子の知られざる写真、夜の高速道路。
なんかこの映画の>>続きを読む
コンパクトにまとまっていて良い。茄子とワインが食べたくなる。エンディングが忌野清志郎なのは自転車好き繋がりだからか。
今風にいえば、ホモソーシャル的だとか有害な男性性という言葉が思い浮かぶような映画ではある。
だけども本作にあるベトナム戦争末期のアメリカ、息苦しい海軍、同僚が被る不条理といった背景を考えればジャック・>>続きを読む
ポール・オースターとトム・ウェイツとハーヴェイ・カイテル、みんな渋すぎる。みんな過度にお人よしな気がするが、でもクリスマス映画に暗い話は嫌だしなと思った。
コモドゥスが猛烈に情けない。ホアキン・フェニックスの負け顔を存分に堪能できる作品だった。
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民営化された警察が舞台。天下の警察もいまや下請けなわけだが、そんな本作ロボコップは好きなシーンがたくさんだ。
燃え盛るガソリンスタンドをバックにwho are you!と問い詰めるロボコップ。階段を降>>続きを読む
表情に所作、全てが可愛い。しかしながら、テーマが差別と分断なので決して軽薄な印象はない。とてもいい映画だった。
アキ・カウリスマキ作品のようなビター感。旅芸人たちの哀愁がグッとくる。キャラクターの躍動感と生命感は流石。絶望顔の芸人がシチューを淡々と食べるシーンで泣く。
荒唐無稽で難解(プロットが散らかっているのは本作の主人公の苦悩を表している?)。
時系列もめちゃくちゃで、ただ男が不倫して妻に怒られてるだけの話ともいえる。しかし、画はオーパーツ。これはお勉強しないと>>続きを読む