前半ソープオペラみたいなどうでもいい話が延々続いてしかもそこが面白いのだが、話が展開しても一貫してくだらなさが持続している本作はとても素晴らしい。こういう雰囲気の作品は話をぼかしたりあえて難解にしたり>>続きを読む
白人・男・作家という主人公の設定はあまりに現代では標的になってしまう。本作はその通りに進む。人間には常に比較対象としての階層が存在し、本作も一見貧富の差を真っ向から描いているように見えるが、複製された>>続きを読む
同じような話を繰り返す脚本構造のため観ていてかなり気乗りしないが、主演2人の芝居はとても良い。
撮影は交霊シーン以外が単調であるのが残念だが、脚本はよく練られていて尺も丁度いい。
「死体が腐ってしまう」という台詞を20回くらい連呼するところは爆笑した。全体的にエンタメとしてしっかり成立させた作りが巧み。
全体としては中々頑張っているけど前半部がフリのためとはいえ下手くそな映像に付き合わされるのはいただけない。
地味な見せ方をする映画ではあるが、『刑事マルティン・ベック』のような刑事の生活を丹念に描く作風で滋味が深い。また、ロケーションと撮影がとても綺麗で、旧来の刑事ものの要素を踏襲しつつ現代社会の男女間の問>>続きを読む
ブロッキングの範囲が広すぎる異常なカメラワーク。それでいて芝居が窮屈そうじゃないのが本当に凄い。
異様に話の早いウド・キアを筆頭に、本作には無駄なためがなく次から次へと見せ所を持ってくるのでテンポが良い。魔女たちが空港にやってくるところなんかは素晴らしいテンション。
駄作過ぎて逆に好き。話のアイデアや配役は悪くないのに、無駄にアクションシーンを入れるのとその見せ方が下手過ぎて作品の方向性を見失っている。若干アルジェント映画っぽさを感じたし、ジャッロに全振りしたら傑>>続きを読む
劇中にかかる音楽の選曲はとてもユーモアが効いていて良い。話の展開はなかなか巧くできていているのだが、組織がなにをしたいのかがいまいち見えてこず、X-MENやキングスマンの1作目のようなアクションのカタ>>続きを読む
長い気はするけど決して嫌いな作品ではない。じわじわ癖になる感じがある映画。ただ、冒頭から妄想と現実の区別を一切見せないため、統合失調症の人が見てる世界を体験している感覚とフィクションとしての不親切とが>>続きを読む
特に前半部に顕著だが、編集のリズムと芝居の間がすこぶる悪く、話運びも下手。似た系譜にあるゴダールの映画にしろ、タランティーノの映画にしろ、そうした「下手上手な」映画は芝居がちゃんと撮れているから成立す>>続きを読む
ハンナ・シーグラの出演がなにより嬉しい。これまでのランティモス作品とは違い、アッパーな笑いと実存主義で貫かれている。その点では『籠の中の乙女』に原点回帰しているとも言えよう。
タルコフスキーは娯楽的な撮り方が巧いのにあえてそういうのを封印して撮る癖が腹立つ。ただ、どんなに長いショットでもピントひとつミスらない撮影技術の高さは凄い。