Leoさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

OK牧場の決斗(1957年製作の映画)

-

荒野の決闘のドクの奥行きと比べると、人物設定は物足りないかもしれないが、カーク・ダグラスのドクの迫力は圧巻。

一度は部屋から逃げ出したKateが、慕情を振り切れずに立ち戻る、ドア越しのショットが心に
>>続きを読む

大いなる幻影(1937年製作の映画)

4.5

あっさりとしたエンディングがカッコいい。
戦争映画だが、平民と貴族の相剋にまで言及し、違うバックグラウンドの人々の交差点となった軍隊ならではの人間ドラマを見せてくれる。

"Pff, tu t’fai
>>続きを読む

恋の手ほどき(1958年製作の映画)

-

"Love is a thing of beauty, like a work of art. And like a work of art, it is created by artists. Th>>続きを読む

おはん(1984年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

一見地味な作品ですが、エンディングの大原麗子のショットが華を添えます。と思いきや、新人芸妓の不敵な笑みが最後に画面を飾ります。さすが市川監督です。

直前に車輪が映り、おかよの人生が新人芸妓によって反
>>続きを読む

少年時代(1990年製作の映画)

4.5

夏はこういう映画に限ります。

今となっては存在感満点の本作ですが、1990年の公開当初は、ヒットしなかったとか。いじめの描写が陰惨だからでしょうか。

劇場版予告編にも織り込まれたエンディングで、列
>>続きを読む

みじかくも美しく燃え(1967年製作の映画)

4.0

ヌーヴェルバーグやアメリカン・ニューシネマを真まで追求した人は、このような作品に行き着くのでしょう。
全篇が詩のようなセリフで彩られた、スウェーデン生まれのヌーヴェルバーグです。
多くの人が見返したく
>>続きを読む

オルフェ(1950年製作の映画)

-

オルフェはイザナギのように、旅立った妻を黄泉の国へ追いかけていきます。

ジャン・コクトーは、本作をリアリズム映画と説明したそうです。

戦争を目にした世代の生死の描き方は、迫力があります。

5年の
>>続きを読む

スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐(2005年製作の映画)

-

前作では息を潜めた年代物のトランジションが、本作で復活します。
0年代のトランジションってこんな感じだったっけ、、、?

"Power~! Unlimited power~!"

"Execute o
>>続きを読む

スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃(2002年製作の映画)

-

’99年公開の前作で多用された、時代を感じさせるトランジションも、本作ではなりを潜めます。
ITバブルは終わってしまったんですね。

スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス(1999年製作の映画)

-

ITバブル期にアメリカで幼少時代を過ごした皆さんが当時、怖すぎて直視できなかったダース・モールの顔。それも今となっては懐かしくて見入ってしまうはず。

"Fear leads to anger. An
>>続きを読む

もののけ姫(1997年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

『風の通り道』にだったか、アシタカとサンは互いに認め合いながらも、最後には別々に生きていくことを決める、と書かれていた。
この本を読んでから10年間、2人がその後の生き方を決めた成り行きを気にしてきた
>>続きを読む

ホフマン物語(1951年製作の映画)

4.0

比較の仕様がない。

監督は、バグダッドの盗賊('40)の作者でもあります。がスローモーションで落下していく場面を観ると、かつて映像媒体が真新しかった時代、映像にしか表現できない文学を追求した時代があ
>>続きを読む

ウエスタン(1968年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

ジルに憎まれながらも一夜を共にした男、尻を触って去った男、ジルに愛されながらも指一本触れずに去った男
ー ジルとの距離によって描き分けられる3人の男の対比は演劇的です。

それにしても、男ってくだらな
>>続きを読む

ビルマの竪琴(1985年製作の映画)

4.5

高校時代、原作を読んだ数ヶ月後に白黒版の本作を観ました。その時は原作の方が良いと思いましたが、原作を読んで10年以上経ったせいか、日付がそうさせるのか、今回はそう思いませんでした。

ビルマの景色を見
>>続きを読む

パガニーニ(1989年製作の映画)

4.0

過激です。

90年前後に作られた耽美的なヨーロッパ映画はもっと評価されるべきかもしれない。

アメリカのフィルターを通して世界を見ていたことに気付かされます。

'89/9/3日本公開@渋谷Bunk
>>続きを読む

マルタの鷹(1941年製作の映画)

-

今回は、使用人ではなく、ボガートがサムの名を名乗ります。
ハードボイルドの傑作、という評判に身構えてしまいますが、「天井桟敷の人々」のような雰囲気で交わされる会話の軽妙さで、案外和やかな雰囲気です。
>>続きを読む

キャスト・アウェイ(2000年製作の映画)

-

寮の管理人川尻さんに途中まで観せてもらったあと、2年半ぶりに最後まで観た人は、誰もがその結末に驚くはず。

"Who knows what the tide brings?"

ミニヴァー夫人(1942年製作の映画)

4.0

防空壕のシーンは、セットを用いた撮影とはいえ、ヴェトナム戦争報道が戦争の実態を突きつけるのに先駆けること20年、映像媒体が戦争の悲惨さをスクリーンに描いた先駆けだと言えるかもしれません。
このシーンを
>>続きを読む

セント・エルモス・ファイアー(1985年製作の映画)

-

四苦八苦する社会人一年目を描いた群像劇です。
身の周りに四苦八苦する若年社会人がいたら、こう声をかけてあげましょう;
"There wasn't even a St. Elmo, they made
>>続きを読む

ミッション(1986年製作の映画)

4.0

見どころ☞
信仰とは何か。そして、モリコーネの音符はそれをどう語るのか。

"Though I have all faith so that I could remove mountains, and
>>続きを読む

リトル・マーメイド(1989年製作の映画)

4.5

80年代らしいストップモーションで締めくくられるこの作品から、ディズニーの90年代が幕開けました。

ー (美女と野獣)、アラジン、ライオン・キング、ポカホンタス、(ノートルダムの鐘)、(ヘラクレス)
>>続きを読む

明日に向って撃て!(1969年製作の映画)

-

零戦を設計した堀越二郎は言いました:
「無駄のないものは、美しい」
商業映画の作り方にそっぽを向いて作られた点に、好感が持てます。
イストミンのピアノのようなドライな感触。
無駄のない作品は、時代を超
>>続きを読む

西部戦線異状なし(1930年製作の映画)

-

支店長が"All is Quiet on the Western Front"って言ったら、"is"は要らないって指摘してあげよう。

クレオパトラ(1934年製作の映画)

4.5

アントニーと出会うシーンの幕引きは、史上最も甘美なラブシーンの一つです。
幻想的なフィナーレは、表現主義の影響を受けているのでしょうか。カエサル暗殺の場面は表現主義の影響を受けており、ゆとり世代には新
>>続きを読む

初恋のきた道(1999年製作の映画)

4.0

時々、中国の文物に触れると心が洗われるような心地がします。

始まってすぐ、英題が映し出されましたー "The Road Home" ー原題は『我的父親母親』です。
確かに主人公のけなげさは光るものの
>>続きを読む

サテリコン(1969年製作の映画)

-

"Ascilto, ho perduto la spada!"

"Il lusso, la ricchezza, le belle donne. Le cene succulente e prolu
>>続きを読む

敦煌(1988年製作の映画)

-

先日、Apple Musicで浅香唯の曲がリリースされましたね。映画好きだからという訳ではないですが、セシルが一番好きです。そのセシルと同い年の映画です。
異国の登場人物が日本語を話す映画が、邦画にい
>>続きを読む

天国にいちばん近い島(1984年製作の映画)

4.5

カドカワ映画の中で、最も詩的な作品ではないでしょうか。
乙羽信子の言葉が、全てを飲み込んでくれます。

https://youtu.be/eJ80bsBBVrc

「どうかあたしと思って、安らかに眠っ
>>続きを読む

モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

4.5

俗の中に聖を見出すことは、アメリカ文化の重要な一面であり、アメリカの世紀を生きた人々の特質でもあります。
cf; The Jazz Singer('27)

はじめは商業音楽を手掛けることを後ろめたく
>>続きを読む

イースター・パレード(1948年製作の映画)

-

Les Demoiselles de Rochefortの監督も、本作の配色を参考にしたことでしょう。

"This isn't just dancing, it's differentー it's
>>続きを読む

四十二番街(1933年製作の映画)

4.5

1990年にワーナー・ブラザーズ・ジャパン・インコーポレーテッドから売り出された本作のLDには、柳生すみまろの手による解説文が付されており、バブル時代のサブカル・文芸界の雰囲気を宿していてチャーミング>>続きを読む

フラガール(2006年製作の映画)

4.5

マーヴェリックを観て、「感動する場面の連続だ」と投稿した人は、きっとこんな気分でしょう。我が谷は緑なりき、October Skyなど、炭鉱町を描いた作品に共通のエピソードやモチーフであっても、本作で目>>続きを読む

思い出のマーニー(2014年製作の映画)

-

サイロが何なのか知った。
真野って言う名前の人がみんな、マーニーって呼ばれていた瞬間でしたよね。

ジャズ・シンガー(1927年製作の映画)

4.5

"a jazz singer ーsinging to his God."
世界初のトーキー映画は、ユダヤ人家庭における聖俗の融和を描いた物語でした。

トーキーとは言え、字幕仕立ての部分も多いため、"
>>続きを読む