Dさんの映画レビュー・感想・評価

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ウエスタン(1968年製作の映画)

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これまでマカロニの作風では描けなかった、ゆったりと流れる西部劇を活写しつつ、復讐劇がみられる、移行期となったレオーネ作品。

モリコーネの音楽も雄大で美しく変化。

アルジェントやベルトルッチが原案に
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モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

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エンニオ・モリコーネと言えば、セルジオ・レオーネの音楽として有名だが、他にもパゾリーニは、それまでバッハしか使わなかったが、「大きな鳥と小さな鳥」以降はモリコーネに変更したエピソードがあり、他にもベル>>続きを読む

サイドウェイ(2004年製作の映画)

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ワイン×ロードムービー×ポール・ジアマッティ(演じるダメ男)

この組合せにより相乗効果となり、映画自体が持つ寄り道=人生を豊かにするといった機能がいかんなく発揮され、アレクサンダー・ペインが求めるテ
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ラブ&マーシー 終わらないメロディー(2014年製作の映画)

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ザ・ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンの物語。

監督は、本作が初監督作品となるビル・ポーラッド。ポール・ダノ&ジョン・キューザックによる2人1役で演じられる。

天才ゆえに自滅していくというよ
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墓泥棒と失われた女神(2023年製作の映画)

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アリーチェ・ロルバケル監督が最新作で示したのは、もはや次世代の逸材では収まらない、いまを代表する作品を撮る目下大注目の存在にまで成長し、堂々たる作家性を放った過去最高の傑作を生み出した。

やはりパゾ
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続・夕陽のガンマン/地獄の決斗(1966年製作の映画)

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原題の「The Good, the Bad and the Ugly 」の通り、善玉をイーストウッド、悪玉をリー・ヴァン・クリーフ、卑劣漢をイーライ・ウォラックがそれぞれ演じ、キャラクターをはっきりと>>続きを読む

夕陽のガンマン(1965年製作の映画)

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セルジオ・レオーネ「ドル箱3部作」2作目。

何といっても3人の役者がめちゃくちゃ格好いい。

イーストウッドがポンチョ、ベスト、ハットを茶で統一した衣服を身に纏い、リー・ヴァン・クリーフはスーツ、ネ
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荒野の用心棒(1964年製作の映画)

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セルジオ・レオーネ、イーストウッド、エンニオ・モリコーネ(&黒澤明)によるキング・オブ・マカロニ。本家の「用心棒」から、ユーモアを排除し、暴力と死に迫ったシリアスを強め、ダーティーなヒーローの誕生とな>>続きを読む

白い暴動(2019年製作の映画)

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本作は、クラッシュの同名のアルバム、トラックとなるタイトルを冠しているが、これはクラッシュのドキュメンタリーではない。1970年代後半のイギリスで経済破綻の矛先が、増加した移民たちへ向かい、過激な排外>>続きを読む

アバウト・シュミット(2002年製作の映画)

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前作「エレクション」からの振り幅が大きく、定年退職した初老の男を描く、アレクサンダーペインによる「野いちご」的な構造の映画。主演ジャック・ニコルソン。暇を持て余し、ひとり娘に会いにキャンピングカーでネ>>続きを読む

恋愛ルーキーズ(2006年製作の映画)

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トッド・フィリップス×ビリー・ボブ・ソーントン×ジョン・ヘダー、お前らホントに!!アホだろ!!(褒めています、あと、「ハイ・フィデリティ」のあいつとか脇役もエグい)

この頃の作品はどれもこれも「ハン
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ZAPPA(2020年製作の映画)

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フランク・ザッパに対するイメージとして、難解で懐の深い得体の知れない怖いものみたさがつきまとうが、その根拠としてアンサーのひとつが、作曲に対する底なしのエネルギーに満ち溢れている、ということの片鱗に触>>続きを読む

メイ・ディセンバー ゆれる真実(2023年製作の映画)

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トッド・ヘインズ監督最新作、「キャロル」「エデンより彼方に」直系作品で、やや評価は低いレビューが目立つ中、なかなかに面白かった。

実在のメイ・ディセンバー事件を題材にした、親子ほど年の離れたカップル
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ロード・トリップ(2000年製作の映画)

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トッド・フィリップ監督作「オールドスクール」をみたときにも感じた、「ハングオーバー」の原型が色濃く映し出している。大学生の男4人のロードムービー。青春とはエロのためにバカをやるというのは真理。

2重螺旋の恋人(2017年製作の映画)

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やりたいことはわかるんだけど、たすきに短し帯に長しではないが、全体的にやや散漫でラストにしても納得したのかできなかったのか、狐につままれるような感覚を覚える。

双子の恋人を題材にしたサスペンス映画で
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ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!(1999年製作の映画)

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アレクサンダー・ペインの初期監督作、「ホールドオーバーズ」とは対極的な位置にあるものの、共通点も多く表裏一体となっていて、詰まりまくっているね面白さが。

残念な邦題のせいで損をしているタイプの典型で
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地獄に堕ちた野郎ども(2015年製作の映画)

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Damned Damned Damned

【ロック映画】最低限みておくべきロックムービー10作品
https://narcos.hatenablog.com/entry/rock-movie-osu
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プロジェクトA(1983年製作の映画)

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ジャッキー・チェンが監督・主演・脚本・武術指導を務めた。

そのきれきれのジャッキー、ユン・ピョウ、サモ・ハン・キンポーといったゴールデントライアングルとも呼ばれる共演が余りにも有名な作品で、20世紀
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フェラーリ(2023年製作の映画)

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スタイリッシュな男の美学をテーマにするマン監督にピッタリの題材で、その最新作はかなり期待値が高かったが、そのハードルを軽々と超えてきてくれて、大変に面白かった!

本作は1957年、59歳だったエンツ
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ワンダーストラック(2017年製作の映画)

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主な舞台はニューヨーク。父親を捜す少年と少女が母親に会うための物語、時代の異なるふたつのストーリーを交差させながら描かれる。

ややまとまりに欠け、説明的でもなく、散漫なので、何をみさせられているのか
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The Godfather Family: A Look Inside(原題)(1990年製作の映画)

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スタッフ、キャストによるシリーズ3部作の思い出を語るドキュメンタリー。コレクションの映像特典として収録されている。割と有名なエピソードが多いのだが、その語られる熱量の高さは、いつみてもエネルギッシュに>>続きを読む

ロンドン・コーリング ザ・ライフ・オブ・ジョー・ストラマー(2007年製作の映画)

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ジョー・ストラマーのパンクロッカーの生き様の真髄は、破天荒で剥き出しの荒々しい本能に囚われない、繊細でナイーブ、そして何より愛に満ちている。監督ジュリアン・テンプル。著名人である有名、ミュージシャン、>>続きを読む

デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム(2022年製作の映画)

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デヴィッド・ボウイ財団初の公式認定映画。生き方そのものがボウイを構成している生粋のアーティスト気質を感じられる膨大なアーカイブから厳選された未公開映像、代表曲の数々、ボウイのナレーション。みるたびに地>>続きを読む

私がやりました(2023年製作の映画)

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フランソワ・オゾン監督による1930年代のパリを舞台にした、洒落たコメディ劇。

無名女優、駆け出し弁護士そしてサイレント期の有名女優が絡んでくる、一筋縄ではいかない、先行き不明の面白さは、映画ならで
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ダイナソーJr./フリークシーン(2020年製作の映画)

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90年代のオルタナティブ・ロック・シーンを牽引したバンドの中でもダイナソーJr.がフェイバリットなら必見のドキュメンタリー、J・マスシスの天才にちょっぴりと触れることができる。

【ロック映画】最低限
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ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅(2013年製作の映画)

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「ホールドオーバーズ」以前、約10年前に制作されたアレクサンダー・ペインの傑作。

「ネブラスカ」といえば、スプリングスティーンのアルバムを思い出すが、これはインスパイア作品ではないものの、監督自身も
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ゴッドファーザー(最終章):マイケル・コルレオーネの最期(2020年製作の映画)

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劇場版と再編集版の違いについて

【映画ゴッドファーザー PART Ⅲ】何がそんなにすごいのか改めて検証してみる
https://narcos.hatenablog.com/entry/godfath
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ゴッドファーザーPART III(1990年製作の映画)

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前作の公開から16年経っても前2作より引き継いだ世界観をそのままに、「パートⅡ」にも増してバチカンの実在事件を本シリーズに反映させた「史実MIX」のウルトラCを使い、さらにそれがヴィトーとマイケルに重>>続きを読む

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

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少なく見積もっても最高のクリスマス映画がまたひとつ加わったし、今年ベスト10確定の映画であることは揺るがない。

ボストン近郊にある全寮制の寄宿学校では、クリマス休暇なのに寮に居残ることになる訳ありの
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クルエラ(2021年製作の映画)

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101スピンオフ×エマ・ストーン× 70年代のロンドン=新生クルエラの誕生

浜辺の女(2006年製作の映画)

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のちの作品に多くみられる過渡期となるホン・サンス作品。主人公の映画監督は、自身を投影させ、日常とは違った場所での酒と女といったよるべのない話だが、得意としている海辺の描写も登場するし、ホン・サンス好き>>続きを読む

サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年製作の映画)

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時は60年代。ベトナム戦争、相次ぐ要人の暗殺、月面着陸など激動の時代の最中で、冷戦下でもあり、黒人差別の色濃く、重く息苦しい鬱憤を晴らすための何か特別なイベントが社会的な必然性から求められた。

ウッ
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ルー・リード/ベルリン(2007年製作の映画)

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ジュリアン・シュナーベル監督による音と画が最高なライブ映画。

1973年に発表したルー・リードのアルバム「ベルリン」の全曲を2006年真冬のニューヨークでプレイ。

その軌跡が透けてみえるような美し
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ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)

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数多ある続編において、この映画が未だに他の追随を許さず、映画史の中でも最強の続編の地位に君臨し続けている。

前作の製作・スタッフ陣をほぼそのまま続投し、世界観を維持。

ロバート・デ・ニーロが前作の
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窓辺にて(2022年製作の映画)

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稲垣吾郎のcure的なサイコキャラが最強、今泉力哉作品としても上位クラス。