Dさんの映画レビュー・感想・評価

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溝の中の月(1982年製作の映画)

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原作デビッド・グーディスの小説、監督ジャン=ジャック・ベネックスによる、現実と幻想が入り混じった極上のサスペンスは見応えがある。

本作では、美男美女2大スター(ジェラルド・ドパルデュー&ナスターシャ
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ガートルード/ゲアトルーズ(1964年製作の映画)

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ドライヤーの遺作は、愛に苦悩する女性を通して描かれる、大人のラブストーリーの到達点。

閉された空間で繰り広げられる、名優、会話、音楽、影と光、構図、美術、衣装など全てが極上に洗礼された大傑作。

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キッズ・アー・オールライト(1979年製作の映画)

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ザ・フーの代表曲がほぼ収録され、貴重なオリジナルメンバーによるライブ、ハイテンションのパフォーマンスを収めた決定版。ザ・フーが持つ特色である怒り・破壊・変態的なイマージを具現化したライブは圧巻。また、>>続きを読む

Tommy/トミー(1975年製作の映画)

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ザ・フーがロック・オペラというジャンルを確立した、当時は前衛的だった「Tommy/トミー」を映画化した作品。エネルギッシュでアナーキーな映像、頭から結まで途切れることなくロックが鳴り続ける。監督はケン>>続きを読む

長屋紳士録(1947年製作の映画)

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戦前にも作品を発表していた小津が、戦争の影響により、5年ぶりの映画公開となった1947年制作。

復帰1作目は、戦後らしい長屋の人情物語として撮られている。

戦争が小津に与えた影響として、最前線で壮
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鏡の中にある如く(1961年製作の映画)

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ベルイマンによる神の沈黙3部作の第1作目。夏、孤島での美景の元で過ごす4人の家族に孕んだ狂気が次第に頭角を表していく。見事な映像美、ベルイマンの愛が屈折した形で表現された、「処女の泉」の変奏曲にも感じ>>続きを読む

クレアのカメラ(2017年製作の映画)

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ホン・サンス×イザベル・ユペール×キム・ミニという組合せ。

それぞれが別の出演作の関係(と「ELLE エル」&「お嬢さん」)でカンヌを訪れたわずかな期間を利用して撮影を実現した企画ながら、違和感のあ
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怒りの日(1943年製作の映画)

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カール・テオドア・ドライヤーが、魔女狩りが横行する中世を背景に描いた作品。

また、下手をすれば、昼メロになってしまいかねない設定も含んではいるが、きちんと芸術作品として、昇華させている傑作。

女優
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

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本作の情報を知ったとき、こんなにシンプルな題材で、2時間半って大丈夫?しかもカンヌパルムドールってマジ?と俄かに信じがたかったが、その杞憂も見事に吹き飛ばしてくれて大満足だった。

やはり、パルムドー
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秋のソナタ(1978年製作の映画)

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本作は、イングマール・ベルイマンとイングリッド・バーグマンが組んだ名作「秋のソナタ」だ。「冬ソナ」ではない。

バーグマンはこの時癌を患わっていて、本作の出来に満足し、引退作としているほど、大スターの
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マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

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アキ・カウリマスキのプロレタリアート3部作の3作目。

本作を悲劇ととるか、喜劇ととるかは、人それぞれの解釈によるが、決めつけてはならないタイプの作品。

また、気分によっても、その受け取り方は変わっ
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真夜中の虹(1988年製作の映画)

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アキ・カウリマスキの労働者3部作の2作目。

前作同様、ブルーカラーの生活の厳しい社会的弱者にスポットを当てていて、ここではないどこかを目指す映画だが、ハードボイルドやノワール色が強くなっている特徴が
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パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

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アキ・カウリスマキ監督の長編第3作にして、労働者3部作の1作目、アキ・カウリスマキの世界にハマってしまうのがよくわかる。

何というか、やり過ぎてはいないけど、センスがあって、ゆるくて心地いい、という
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乱暴者(あばれもの)(1953年製作の映画)

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本作は、ファッションのみならずライフスタイルまでも確立させた歴史に残る名作。

若かりし頃のマーロン・ブランドが定着させたバイカーファッションに身を包むロッカーズは、世界中で多方面に多大な影響を与え、
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アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)

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1937年の「スタア誕生」など、これまでも何度か映画化されてきた物語を新たに描いた傑作。

もともとはイーストウッドが映画化する予定で進められていた企画で、「アメリカン・スナイパー」のつながりで、クー
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ファニーとアレクサンデル(1982年製作の映画)

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今日はひな祭りなので、全然関係ないクリスマス映画を紹介したいwww

一応はクリスマス映画という括りもできるが、それは本作のほんの一部で春夏秋冬をも収め、イングマール・ベルイマンの晩年の代表作にして、
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真夜中のカーボーイ(1969年製作の映画)

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アメリカン・ニューシネマの名作。

アメリカンドリームに憧れ、ここではないどこかを求める、いつまでも変わらずに好きな映画。

いつみても、タイトルとジャケットのセンスがめちゃくちゃかっこよくて痺れる。
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Looking for Johnny ジョニー・サンダースの軌跡(2014年製作の映画)

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破天荒な生き方、ロックスターの鏡のような人生、短いようで長かったかもしれない生涯。

明日なき破滅型ロックンローラーという憧れの存在であり続け、カッコイイの代名詞存在。

アーティストとして、悪魔に魂
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イマジン/ジョン・レノン(1988年製作の映画)

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本作は主にビートルズ解散後、オノ・ヨーコともに、数々の名曲を生み出し、平和活動していた晩年のジョン・レノンを描くドキュメンタリー映画。

そのフッテージとして、オノ・ヨーコから提供されたジョンの生前の
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奇跡(1954年製作の映画)

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デンマーク映画界の巨匠カール・テオドア・ドライヤーの代表作のひとつ。

素朴な村で起きる出来事、尊厳が極まった神々しい構図、現実と超現実的の間(はざま)で揺れる異空間の切り取り方など、完成された美意識
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

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神がかった映画のパワーをみせつけられ圧倒され、早くも今年ベストを確信してしまった。

そびえ立つ31年振りの新作長編映画はあまりにも巨大、偉大にして濃厚であり、完璧な映画だ。

⚠️以下やや内容に触れ
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マルメロの陽光(1992年製作の映画)

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エリセの前2作とは趣向が異なり、ある絵の完成に取り憑かれた男、スペインの画家アントニオ・ロペス・ガルシアを描いた映画。毎年秋に庭のマルメロの実に向う恒例行事、否それはまるで修行僧のような佇まいだ。定点>>続きを読む

エル・スール(1982年製作の映画)

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1950年代、少女と父を巡る物語。スペイン北部で暮らす親子、父の謎めいた文章から南部の秘密に興味を持つ。「ミツバチのささやき」に比べ、本作はその隠喩性は影を潜めているが、穏やかさと不穏さが素晴らしいバ>>続きを読む

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

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スペインの名匠ビクトル・エリセは非常に寡作で知られており、本作を制作したのが1973年、エリセが33歳のとき。エリセは本作の1作のみで世界に名を轟かせることになる本物だが、作品から説明は排除され詩的で>>続きを読む

夜の浜辺でひとり(2016年製作の映画)

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映画監督という職業ならではの開き直り方として、正しいかどうかは別として、この転んでもただでは起きないマインドは素晴らしい。

自身のスキャンダルを投影させた物語として、映画監督との不倫スキャンダルが発
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JIMI:栄光への軌跡(2013年製作の映画)

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【ロック映画】最低限みておくべきロックムービー10作品
https://narcos.hatenablog.com/entry/rock-movie-osusume

パーティ★モンスター(2003年製作の映画)

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1990年代のニューヨークのクラブシーンにおけるカリスマ的存在だった実話を基にした青春映画。

奇抜で独創的なパーティー・プロモーターとして席巻したマイケル・アリグの半生を描くインパクト大、ぶっ飛んで
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あの頃ペニー・レインと(2000年製作の映画)

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1970年代のキャメロン・クロウ監督自身の実体験を基にした脚本により描かれた、かなり独特で稀有な傑作映画だ。

15歳でローリングストーンの音楽ライターになったという才能を持っていたからこそ体験できた
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ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ(2009年製作の映画)

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【ロック映画】最低限みておくべきロックムービー10作品
https://narcos.hatenablog.com/entry/rock-movie-osusume

ロケットマン(2019年製作の映画)

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【ロック映画】最低限みておくべきロックムービー10作品
https://narcos.hatenablog.com/entry/rock-movie-osusume

SOMEWHERE(2010年製作の映画)

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「ロスト・イン・トランストレーション」の変奏曲的な作品にして、ソフィア・コッポラのベスト級作品!

父が映画スターという、ソフィア・コッポラの原体験であるような、スティーブ・ドーフとエル・ファニングに
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マリー・アントワネット(2006年製作の映画)

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お得意のガーリーな世界観で贅の限りを尽くす豪華絢爛な中世の王族による生活様式様がたっぷりと描き、独特の語り口で描かれる様々なドラマが展開されユニークだが、ことの顛末をもう少しみたかった。

ウェインズ・ワールド2(1993年製作の映画)

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誰もが一度は妄想してしまう、自分の名を冠したフェス、という夢のまた夢の話。
しかも、夢の中であのジム・モリソンからその開催を促される啓示を受けると余計にその気になってしまう。
そうだ、こうなったら考え
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ウェインズ・ワールド(1992年製作の映画)

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シカゴ郊外の自宅地下室から「ウェインズ・ワールド」を放送している、今でいう所のyoutubeの先駆け的な存在であるウェイン&ガースのコンビが暴走を繰り広げる、ある種伝説の映画。

ロックをこよなく愛す
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シド・アンド・ナンシー(1986年製作の映画)

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【ロック映画】最低限みておくべきロックムービー10作品
https://narcos.hatenablog.com/entry/rock-movie-osusume

ショップリフターズ・オブ・ザ・ワールド(2021年製作の映画)

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ザ・スミス結成前の前日譚を描いた「イングランド・イズ・マイン」とは異なるアプローチが捉えられており、本作ではスミス解散後から物語が始まる。アメリカコロラド州デンバーを舞台に、スミスのファン目線で映画化>>続きを読む

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