享楽さんの映画レビュー・感想・評価

享楽

享楽

twitter @Noir252525s
鑑賞した作品の良さをできるだけ多く汲み取れるよう(主体として率直な感想プラスアルファの客観的な良さ)に努めています。スコアは基本的に☆3以上でgood、☆4以上が好み、☆5で文句無しに愛せる作品。

ウーナ 13歳の欲動(2016年製作の映画)

3.5

人間関係が変遷する面白さより画としての美しさが優っていて、無常観に浸されるだけの作品

パージ:大統領令(2016年製作の映画)

3.2

正直、パージシリーズ三作目としての興味深さをより深める要素がほぼほぼ皆無である。というのも、今作の政治的な面を一通り見れば明らかなように、厳密な意味での犯罪すなわち人間が罪を犯すことをパージをすること>>続きを読む

裏切りの街(2016年製作の映画)

4.0

同監督の作品に「愛の渦」があって、鑑賞後端的になるほどと納得できるところがあった。つまり今作における池松壮亮扮する人物は「愛の渦」における彼扮する人物と地続きになっていて、2作品における一人の人物の成>>続きを読む

PとJK(2017年製作の映画)

3.2

話がぶっ飛んでいるつまり非常識さが面白い作品で、途中から主人公とその周辺の人物達が成長して行く教養小説的な側面に期待した(父から子への職業の受け継ぎからその子から別の子へという動き)が、直接的なそうい>>続きを読む

散歩する侵略者(2017年製作の映画)

5.0

これは傑作中の傑作なので、是非多くの人に鑑賞して貰いたい。4割割コメディーで4割SFホラー、残りの2割が何ともカテゴライズしにくい、これはもう黒沢監督に特有の不気味なシリアスさで、まぁ本当に形容し難い>>続きを読む

三度目の殺人(2017年製作の映画)

5.0

傑作。是枝監督といえば家族の関係性の黒にも白にも寄り切らないグレーな領域を扱うのを得意とする印象があるが、今作はその業に加え法や裁判そのものを問い直したくなるような、人間が人間を裁くとは、救うとは何か>>続きを読む

ダンケルク(2017年製作の映画)

4.5

クリストファー・ノーラン監督の作品はどれも物語の構造に捻りを効かせていて、それが面白さとなっている反面どこか一様に解釈しきれない難解さも孕んでいて、それは例えば「メメント」における、客観的事実としての>>続きを読む

手紙は憶えている(2015年製作の映画)

4.3

エゴヤン流の一捻り効いたミステリー作品。意味的にはミイラ取りがミイラになるに近いが、そのミイラが認知症なもので、結果的に自分をも目的としてその目的を解決してしまうという皮肉ないし真理といったものが、何>>続きを読む

素晴らしきかな、人生(2016年製作の映画)

4.5

97分にしてこの展開内容なら素晴らしきかな、今作。いわゆる”綺麗事”に終始せず、日常→非日常→日常の過程における非日常にて後者の日常を受け容れるまでに彼は死の欲動と戦う(自転車で車の流れに逆張りするよ>>続きを読む

ネオン・デーモン(2016年製作の映画)

4.0

酷い言い方をすれば、「美への執拗な所有欲」から成り立っている女共の階級闘争を描写しているように映ったが、登場人物らがそれにしか価値を認めないからこそ我々観客もそこに酷さから美しさを見出そうとする憐れみ>>続きを読む

ゴースト・イン・ザ・シェル(2017年製作の映画)

4.6

「ブレードランナー」のサイバースペースを刷新し「エクス・マキナ」のアンドロイドの人間と機械の境界線を更に薄くしよりシームレスに映した、ハリウッズ・キャピタリズム・パワーを力強く感じさせる映像であった。>>続きを読む

アシュラ(2016年製作の映画)

4.8

発展途上国としての韓国のアンダーグラウンドを描写した作品。やはり日本にはない韓国独特のヤバい空気感が楽しい。これは、冒頭の主人公のセリフから始まるプロローグが示唆しているように、要は体制側と反体制側の>>続きを読む

ナイスガイズ!(2016年製作の映画)

4.1

70年代のアメリカ背景の描写は面白い。スタイリッシュなアクション映画の体裁を少々崩して、より地に足をつけた感を出すとああなるのだろうか。

ハーフネルソン(2006年製作の映画)

4.5

ライアン・ゴズリング主演の作品だが、このストーリーにおいて彼は主人公の下支え的な役割を果たしており、それと対を成す存在として(対称的な存在として)フランクがいる。そして当の主人公はと言えば他でもなくド>>続きを読む

硫黄島からの手紙(2006年製作の映画)

4.5

序盤から中盤にかけてアイドルである二宮和也彼自身の口調がみょうに浮いていてミスキャスティングだったのではと思ったが途中から何故か気にならなくなった。しかし監督がイーストウッド。どこまで巨匠足り得るのか>>続きを読む

1984(1956年製作の映画)

3.5

村上春樹の1Q84を読んだ後だったので観たくなった。90分映画なので簡素な雰囲気であった。それほどドラマティックさを感じさせる強さはなかったように思える

永遠の0(2013年製作の映画)

4.0

何というか、岡田准一扮する人物が抱えているであろう疎外感のあまりの強さに嘔吐感すら感じてしまい、正直第一感想は気持ち悪かった…のだが、それが戦争のリアルという次元なのだなと改めて痛感した。

ハンナ・アーレント(2012年製作の映画)

4.0

今作、主にアーレントが「イェルサレムのアイヒマン」を出版する前日譚だと見受けられたが、哲学を学んでいる身としてはかなり得られる情報が多く観て得した気分になった。アーレントに関しては20世紀の哲学者なの>>続きを読む

ジョン・ウィック:チャプター2(2016年製作の映画)

5.0

前作のアクション性や独自のスペクタクルの面白味は踏襲し、アメリカ〜ロシア+コンチネンタルホテルの世界観をローマにまで拡張することによって、1ではあまり強く見られなかった1におけるコンチネンタル外のある>>続きを読む

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

4.8

戦争映画だが、今迄観たことのない部類の作品で、というのも主人公であるデズモンド・デスが一人のsoldierとしてなかなか風変わりとでも言うべきか、戦前において真の勇猛さを振るうところに私は戦慄した。最>>続きを読む

アルゼンチンババア(2007年製作の映画)

2.9

なんというか、これは文学作品という媒体でしか得られない触感というものが吉本ばななの原作にあり、それを映像化してしまうと、その温かみが縮小されてしまうような感があるが、原作は未読なのでなんとも言えないと>>続きを読む

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

4.7

今作で悉く恐ろしさを感じたことがあって、それは如何に学生集団が〈空気〉という間主観的幻想的共同性の上に成り立っているかということである。それから目に見えぬまたテクストとしても実在せぬスクールカーストと>>続きを読む

ディア・ドクター(2009年製作の映画)

3.7

医療物の体裁を取っているかと思えば微妙にそれとは違った趣きを取っている作品で、要は都市的なものという概念と二項対立的に在る相容れない田舎的なもののよさを描写した作品なのだと見て取った。あの田舎的なもの>>続きを読む

リアル 完全なる首長竜の日(2013年製作の映画)

4.1

黒沢特有の異質な空間創造がまたよくできていて味わい深い作品。もはや夢と現実のハッキリとした区別は不可能であると思われるがそれでもおそらく多くの我々観客は区別をつけたがる。例えば佐藤健演じる男性主人公が>>続きを読む

電車男(2005年製作の映画)

4.4

山田孝之の典型的なおたく演技だけでも見ものなのにこれまたおたく的プリミティブな感性を刺激してくれることを認めざるを得ない

ノルウェイの森(2010年製作の映画)

4.6

2回目の鑑賞。素晴らしきプリミティブさたるや堪らない。堪えに堪えたと言ったところか。正直、村上春樹の感性は大好きなので作品の出来はともあれどんどん映画化して欲しいと切に願っている。

ブルーに生まれついて(2015年製作の映画)

3.5

小ざっぱりとした伝記映画。体を蝕むドラッグが、音楽家にある種の才能を与えてしまうという酷な現実にやりきれないような気持ちになる。

ふきげんな過去(2016年製作の映画)

4.7

鑑賞後に面白く感じたかそうでなかったか極端に分断されるタイプの作品で、というのも何がそれを分断するのかというと今作の双極性すなわち事象的現象…平たく言えば実際に即物的に起こっていることは極めて凡庸で退>>続きを読む

ロスト・エモーション(2015年製作の映画)

2.7

リドリー・スコットが監修したのは建物の構造やデザインなどモノに関する周辺及び背景音楽だろうか。ある世界内社会における共同体(今作では原題であるequalを訳したものがそれである)で感情を諸悪の根源的な>>続きを読む

アスファルト(2015年製作の映画)

4.3

偶然的な出会いから日常の寂寥感が少しだけ充足感で埋まる。灰色の風景に灰色の感情は恒常的なものかもしれないが、ひとときの細やかな会話の一瞬の微笑みの内に人は微かな光を感じるのだろう。

アキレスと亀(2008年製作の映画)

4.5

北野武さんの芸術観がよく現れている作品なのだろうか。公式的な解説が観たくてたまらなくなった最期だった。最近「ビートたけしと北野武」という新書も買ったことだしこちらを読み進めながらWたけしという存在を少>>続きを読む

あん(2015年製作の映画)

4.4

傑作。一枚一枚のタブローの質感に高さを感じる。月日の流し方が極めて自然に感じたがそれはなぜだろうか。恐らく、千太郎という人物は徳江と出会うまでそんな一日一日の流れを感得し内省するなどといったこととは無>>続きを読む

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