享楽

享楽

twitter @Noir252525s
鑑賞した作品の良さをできるだけ多く汲み取れるよう(主体として率直な感想プラスアルファの客観的な良さ)に努めています。スコアは基本的に☆3以上でgood、☆4以上が好み、☆5で文句無しに愛せる作品。

硫黄島からの手紙(2006年製作の映画)

4.5

序盤から中盤にかけてアイドルである二宮和也彼自身の口調がみょうに浮いていてミスキャスティングだったのではと思ったが途中から何故か気にならなくなった。しかし監督がイーストウッド。どこまで巨匠足り得るのか>>続きを読む

1984(1956年製作の映画)

3.5

村上春樹の1Q84を読んだ後だったので観たくなった。90分映画なので簡素な雰囲気であった。それほどドラマティックさを感じさせる強さはなかったように思える

永遠の0(2013年製作の映画)

4.0

何というか、岡田准一扮する人物が抱えているであろう疎外感のあまりの強さに嘔吐感すら感じてしまい、正直第一感想は気持ち悪かった…のだが、それが戦争のリアルという次元なのだなと改めて痛感した。

ハンナ・アーレント(2012年製作の映画)

4.0

今作、主にアーレントが「イェルサレムのアイヒマン」を出版する前日譚だと見受けられたが、哲学を学んでいる身としてはかなり得られる情報が多く観て得した気分になった。アーレントに関しては20世紀の哲学者なの>>続きを読む

ジョン・ウィック:チャプター2(2016年製作の映画)

5.0

前作のアクション性や独自のスペクタクルの面白味は踏襲し、アメリカ〜ロシア+コンチネンタルホテルの世界観をローマにまで拡張することによって、1ではあまり強く見られなかった1におけるコンチネンタル外のある>>続きを読む

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

4.8

戦争映画だが、今迄観たことのない部類の作品で、というのも主人公であるデズモンド・デスが一人のsoldierとしてなかなか風変わりとでも言うべきか、戦前において真の勇猛さを振るうところに私は戦慄した。最>>続きを読む

アルゼンチンババア(2007年製作の映画)

2.9

なんというか、これは文学作品という媒体でしか得られない触感というものが吉本ばななの原作にあり、それを映像化してしまうと、その温かみが縮小されてしまうような感があるが、原作は未読なのでなんとも言えないと>>続きを読む

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

4.7

今作で悉く恐ろしさを感じたことがあって、それは如何に学生集団が〈空気〉という間主観的幻想的共同性の上に成り立っているかということである。それから目に見えぬまたテクストとしても実在せぬスクールカーストと>>続きを読む

ディア・ドクター(2009年製作の映画)

3.7

医療物の体裁を取っているかと思えば微妙にそれとは違った趣きを取っている作品で、要は都市的なものという概念と二項対立的に在る相容れない田舎的なもののよさを描写した作品なのだと見て取った。あの田舎的なもの>>続きを読む

リアル 完全なる首長竜の日(2013年製作の映画)

4.1

黒沢特有の異質な空間創造がまたよくできていて味わい深い作品。もはや夢と現実のハッキリとした区別は不可能であると思われるがそれでもおそらく多くの我々観客は区別をつけたがる。例えば佐藤健演じる男性主人公が>>続きを読む

電車男(2005年製作の映画)

4.4

山田孝之の典型的なおたく演技だけでも見ものなのにこれまたおたく的プリミティブな感性を刺激してくれることを認めざるを得ない

ノルウェイの森(2010年製作の映画)

4.6

2回目の鑑賞。素晴らしきプリミティブさたるや堪らない。堪えに堪えたと言ったところか。正直、村上春樹の感性は大好きなので作品の出来はともあれどんどん映画化して欲しいと切に願っている。

ブルーに生まれついて(2015年製作の映画)

3.5

小ざっぱりとした伝記映画。体を蝕むドラッグが、音楽家にある種の才能を与えてしまうという酷な現実にやりきれないような気持ちになる。

ふきげんな過去(2016年製作の映画)

4.7

鑑賞後に面白く感じたかそうでなかったか極端に分断されるタイプの作品で、というのも何がそれを分断するのかというと今作の双極性すなわち事象的現象…平たく言えば実際に即物的に起こっていることは極めて凡庸で退>>続きを読む

ロスト・エモーション(2015年製作の映画)

2.7

リドリー・スコットが監修したのは建物の構造やデザインなどモノに関する周辺及び背景音楽だろうか。ある世界内社会における共同体(今作では原題であるequalを訳したものがそれである)で感情を諸悪の根源的な>>続きを読む

アスファルト(2015年製作の映画)

4.3

偶然的な出会いから日常の寂寥感が少しだけ充足感で埋まる。灰色の風景に灰色の感情は恒常的なものかもしれないが、ひとときの細やかな会話の一瞬の微笑みの内に人は微かな光を感じるのだろう。

アキレスと亀(2008年製作の映画)

4.5

北野武さんの芸術観がよく現れている作品なのだろうか。公式的な解説が観たくてたまらなくなった最期だった。最近「ビートたけしと北野武」という新書も買ったことだしこちらを読み進めながらWたけしという存在を少>>続きを読む

あん(2015年製作の映画)

4.4

傑作。一枚一枚のタブローの質感に高さを感じる。月日の流し方が極めて自然に感じたがそれはなぜだろうか。恐らく、千太郎という人物は徳江と出会うまでそんな一日一日の流れを感得し内省するなどといったこととは無>>続きを読む

ストーンウォール(2015年製作の映画)

4.1

ついに「インディペンデント・デイ」や「紀元前一万年前」「ゴジラ」と大規模なハリウッド映画を数々放ってきたローランド・エメリッヒ監督までもLGBT肯定派のヒューマンドラマ作品を世に送り出したようだ。史実>>続きを読む

ダゲレオタイプの女(2016年製作の映画)

4.5

黒沢清監督のフランス映画。黒沢清が映画を作れば日本だろうとフランスだろうとどこでも黒沢清的になるのだろう。今作との比較対象として「クリーピー」を念頭に置いた上でまず「幽霊」の存在について。明らかに屋敷>>続きを読む

ケンとカズ(2015年製作の映画)

4.7

傑作。最近の邦画バイオレンス映画「ヒメアノ〜ル」「ディストラクション・ベイビーズ」に続き、今作がまた著しく輝きを放っている。
「クローズ」や「ハイアンドロー」はいわゆるヤンキー漫画であり、ヤンキーとい
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赤い航路(1992年製作の映画)

5.0

こんな傑作中の傑作が僅か220レビューしかないのが驚き。
愛憎の極致にしてメロドラマとしての普遍性が力強く描写されていたように思える。主人公の男は、ある老人から彼自身に関する物語を与えられるのだが、そ
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CUBE(1997年製作の映画)

2.6

「saw」と比較すると一作そのものの面白さは「saw」の方が上だが、今作はシリーズ化されているらしく、シリーズとして一作品単位で観るとまたsawの印象が変わるように、今作の前日譚と後日譚が気になるばか>>続きを読む

ターシャ・テューダー 静かな水の物語(2017年製作の映画)

4.0

良い意味で子守唄のような安心感が偏在している作品で中盤寝かせられた(すみません)。
ターシャが亡くなったのが08年ということで、約10年の歳月を経て本邦で公開されたわけですが、出演者はチューダー一家で
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午後8時の訪問者(2016年製作の映画)

4.0

物語は淡々とした展開でいわゆるエンタメ性はほぼゼロに近い。しかし感情に迫るものがあるのだが、それはジェニーという人物の顔を執拗に追いまわすカメラワークが鑑賞者を巻き込むからであろう。些細だと思われた行>>続きを読む

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男(2015年製作の映画)

4.5

傑作。伝記映画はやはり主人公の人物の固有性即ち彼が彼自身であることの象徴みたいなものをどれだけ尺度の限られた中で映しているかが勝敗の別れどころだと思うが、トランボという脚本家の力強い躍起感がひしひしと>>続きを読む

チェ・ゲバラ 革命と戦いの日々(2005年製作の映画)

1.5

駄作。チェ・ゲバラとカストロという世界史的に大いなる革命者を扱うのにこの尺度はあまりに足りなさ過ぎるし、細々として戦闘シーンを映し過ぎるばかり彼らが彼らであることの固有性を映せていない。一見の価値もな>>続きを読む

淵に立つ(2016年製作の映画)

5.0

傑作中の傑作。2016年は映画好きの界隈で「邦画の当たり年だ」と言われていたが、今作を観てその思いを更に強めることになった。
今作の印象として、今作公開日に内容的にも近い作品が「クリーピー 偽りの隣人
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スワロウテイル(1996年製作の映画)

3.8

岩井俊二的な、青春の明暗のコントラストが綺麗に強調されている内容だった。イェンタウンという仮想世界における多文化多人種の戯れ。Charaと窪塚洋介は何となく似ている。世の中、どうせ金じゃないですかとい>>続きを読む

高慢と偏見とゾンビ(2015年製作の映画)

3.0

視聴覚的な美は感じるが何せ凡庸なハリウッド的無難さには少々退屈してきた。

サマーウォーズ(2009年製作の映画)

4.5

今作の代表モチーフとでも呼べる近代的、或いは近代以前の保守的伝統的な家族像が羨ましくて仕方がない。仮想現実という世界存在でも変わらない普遍的な家族団結力に魅了された。

悪夢探偵(2006年製作の映画)

2.5

陰鬱な背景やグロテスクでゴアな描写が多々ありで一言で気持ち悪いと片付けてしまってといいのだが、要は今作における悪夢探偵こと松田龍平は、他者のメンヘラ的深層意識に入り込める特殊能力があるゆえに貴重な存在>>続きを読む

バケモノの子(2015年製作の映画)

5.0

「千と千尋の神隠し」を彷彿とさせる内容、つまり未成熟な子どもが人間世界から異世界へと足を運びそこにいる住人達と共に生活し成長するいわゆる教養物語で、更にある種の親子関係の普遍性をも織り込まれていてなか>>続きを読む

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