さいころさんの映画レビュー・感想・評価

さいころ

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サブスタンス(2024年製作の映画)

4.0

悲しい映画だよ。歳とっていくと、少しずつ周りから大切にされず、自分も自分を大切にできなくなる。

社会的な抑圧がホラーとよくマッチしてた。表現されるものは大きく異なるけど、個人的に映画「キュア」とかと
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ナタ 魔童の大暴れ(2025年製作の映画)

4.2

おもろい。おもろいぞ。王道で、映像にも迫力があった。見方を変えると、一党独裁や唯一の信仰などに、どんな問題が秘められるのかという提起にもみえる(思い込みかもしれないけど)。中国の笑いは好きだから、コミ>>続きを読む

ネムルバカ(2025年製作の映画)

4.0

ネムルバカだよ、ネムルバカ。令和に沿ってバージョンアップしてた。一部原作から変わってたけど、まぁ現実がついてきたから、こうするよな。原作好きなら観たらいいよ。漫画のキャラって、実写になると好みが分かれ>>続きを読む

教皇選挙(2024年製作の映画)

4.2

まず「教皇選挙」という舞台がよかった。聖なる空間での俗物的な諍い、密室でのミステリーっぽさがある。

一般的な政治作品となると、全体がつかみにくく、大味になりやすいイメージがある。

一方で、村レベル
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トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦(2024年製作の映画)

4.2

中国映画はもちろん、北斗の拳(漫画雑誌持ってて笑った)やスター・ウォーズなど、アクションの要素を余す所なく入れ込んだ映画だ。設定としてはありふれている要素だが、組み上げ方が丁寧、見せ場をつくりつづける>>続きを読む

サンセット・サンライズ(2025年製作の映画)

3.8

田舎の嫌なところ、都会の嫌なところを含ませつつ、コメディーにしていた。個人的に落としどころとしては好き。最も好きなシーンは、自分の望み(主人公とヒロインが並ぶ絵)をヒロインの感情に寄り添って変えたこと>>続きを読む

メイクアガール(2025年製作の映画)

3.3

論理的なヤンデレに笑った。殺しきって愛を伝えるのかとも思ったけど、さすがにそれはなかった。

もともとTwitterでみていた人だったので、気になって劇場に足を運んだ。当時の印象通り、3Dでここまで表
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機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-(2025年製作の映画)

3.5

なんか話題になっていたので、ガンダムをあまり知らないけど観に行った。作品全体は綺麗だったけど、好きな人向けなのかな(たぶん、シャアというキャラクターはそういう選択をしてないんだろうなと思うから、そこら>>続きを読む

ライオン・キング:ムファサ(2024年製作の映画)

4.0

前作実写は未視聴だったが、アニメで前作の内容は認識している。ライオンの毛並みが風や水中で波打ったり、広大なサバンナが一面にあったり、すさまじい映像美で驚いた。ライオンたちの表情もみえる。映画館でみてほ>>続きを読む

レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)

4.2

セットも豪華、役者も豪華。素晴らしい。フランス革命、罪と赦し、父から婿へと宝物が託される物語。警部が好きだな。揺らぐ信念がいい。死ぬことでしか、彼のおこないが、償えなかったのだろうかと悩んでしまう。

ソウルの春(2023年製作の映画)

4.3

すげぇ…。これはすごいよ。結末を知ってたから、もやもやするんだろうなと思ってたけど、もやもやして終わった。

でも途中、国のために命を捧げるのか?ってシーンで、情報掌握されてるから、部下を殺させたくな
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どうすればよかったか?(2024年製作の映画)

3.8

開始30秒で地獄が始まるんだなとわかる。ただ面白いのかといえば、よくわからない。ホームビデオを「統合失調症の姉」に焦点を当てて、編集しているのだが、凄まじいものをみている気がする一方で、とりとめもない>>続きを読む

海の沈黙(2024年製作の映画)

3.7

愛と美の物語。形式的に残るものではなく、心で記憶されるものこそに真価があるという話だと思う。ただ、主人公が言葉でなんもかも語ってしまうのでは、ちょっと物足りない。語らなくても、ストーリーで味わいたかっ>>続きを読む

ニッツ・アイランド 非人間のレポート(2023年製作の映画)

3.2

だめだった。現実と非現実を融合する手法はよかったと思う。特に、現実世界はコロナに突入するため、現実の災害が侵食する感じもいい。仮想世界に住むドキュメンタリーで、「演じることをやめたら、ここが現実になっ>>続きを読む

トップガン(1986年製作の映画)

4.2

名作〜。本当に王道。ライバル役もええやつでええな。

アイミタガイ(2024年製作の映画)

4.0

昨今の映画と比較すると、話の起伏が小さいのだが、じんわりと心が温まる作品だった。小さな優しさが巡り巡って本人に返ってくるというストーリーである。ストーリーの山が小さいと、演出が壮大になってしまったりす>>続きを読む

ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(2024年製作の映画)

4.0

いや、普通に良い作品なのでは。酷評を受ける必要はない気がする。破壊的なジョーカーを観たかった人たち、ミュージカルではなく映画文脈で見続けた人たちが辛いのかも。

ただ、個人的には、いわゆるSF以外の流
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破墓/パミョ(2022年製作の映画)

3.6

途中まで映画「来る」みたいな感じだったが、突然モンスター映画になってしまった。

個人的に、なぜ昔の人が緯度経度という数値で土地を示すのか、トラの腰に問題があるとどんな悪影響があり解決するとどうなるの
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ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー(2023年製作の映画)

3.7

ノンフィクションもの。すごい熱意を感じた。でも、転落から再起までのストーリーがすっきりしなかった。

最近、トレンドを生み出すこと、世間のトレンドをすくい上げることって、どのように発生するのだろうかと
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劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:Re:(2024年製作の映画)

4.0

総集編の後半。前編と後半を比較すると、ストーリーとしては前半が好みだが、まとめ方は後半がよかった。

後半のストーリーより前編になってしまう理由は、江の島、文化祭の行事に尺を割いて、音楽活動から遠のく
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侍タイムスリッパー(2023年製作の映画)

4.0

侍がタイムスリップして、時代劇の切られ役になるというストーリー。

この映画のよかった点は、(我々の現実世界で)衰退しつつある時代劇をどうすれば現代で見てもらえるのかと考えていること。ただの時代劇だと
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インサイド・ヘッド2(2024年製作の映画)

4.0

1見てないけど見に行った。思春期の感情の物語。よくできてる。シンパイ・ヨロコビ含め単一の感情の暴走はよい自己形成につながらず、人間は複雑な感情とともに間違えながら成長していくということをわかりやすく伝>>続きを読む

ラストマイル(2024年製作の映画)

3.8

何か物足りない。TBSらしさを感じるよい映画で、ほかコンテンツとのクロスオーバーでファンサービスもある。2024年問題、物流問題も被せて、社会訴求もある。でも、なんだろう、うまくいえないけど物足りない>>続きを読む

Chime(2024年製作の映画)

3.6

正直、よくわからない話なんだが、引き込まれる映像だった。

人間の過剰性を利用したホラーだった。「彼は変なわけじゃない。ちょっとやり過ぎなだけ」「熱中できるなんて羨ましいな。…やりすぎないようにしろよ
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劇場版モノノ怪 唐傘(2024年製作の映画)

4.0

知らなかったけど、三部作なのかな?

色鮮やかで、怪しい雰囲気の作品で面白かった。必殺技となる刀が、「何の物の怪が」、「どのような事件で」、「どんな理由で」、問題を起こしているのかが判明しない限り、利
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ルックバック(2024年製作の映画)

4.0

評価が難しい。アニメーション含めていい作品だと思う。しっかりとした友情ものだし。ただ、京アニ事件で作品が神格化され過ぎて、正当な評価が下せない(作品の掲げるブランド価値が高くなりすぎて、物語の価値が適>>続きを読む

劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:(2024年製作の映画)

3.8

決まった枠内に話を収める必要があるため、テンポ・間が苦しい。余韻というか、そのやり取りには一呼吸いるのではないか、というシーンが詰めて配置されるためかな。

あと総集編はアニメを観た人が楽しむものと前
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違国日記(2023年製作の映画)

3.6

正欲で出会ったダウナー系新垣結衣がみれる。日常感ある演技はみなよかったような気がする。

一方で何か物足りない気がした。まず漫画を映像にすると、何か間延びした感じになる。カット増やせばいいのかもしれな
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トラペジウム(2024年製作の映画)

3.7

キャラデザがよいが、ストーリーが(個人的に)乗り切らなかった。最大の問題点が、主人公の計画通りに物事を進めようとするため、みな脚本の操り人形に見えやすく、前半はどうしてもキャラクターの感情が乗りにくい>>続きを読む

ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉(2024年製作の映画)

4.2

場面の構図と、光の扱い方が上手な作品だった。ストーリーとしては波(ジャングルポケットの浮き沈み)が2回あるため、駆け足な感じもしたけど、逆によく収めたなとも感心した(前半は競馬をやるだけで、いっぱいい>>続きを読む

関心領域(2023年製作の映画)

3.5

まさか、ここで終わるのか?と思ってたらエンディングが流れた。エンタメじゃない、記録映画っぽさがある。背後にA24がいるなと思える作品。A24つながりだと「ボーはおそれている」より断然みやすかった。>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章(2024年製作の映画)

4.0

絶対的な暴力でワロタ。ガール・ミーツ・ガールでまとめると思ったら、ボーイ・ミーツ・ガールも入ってきて、個人的にはボーイは要らんなと思った。話の進行上はいるけど、ぽっと出のお前に娘はやらん、って気分にな>>続きを読む

人間の境界(2023年製作の映画)

4.0

鬱映画。あと、ロシア寄りのベラルーシがヨーロッパの玄関であるポーランドに難民を送りまくっているという政治事情がわかってないと、少々難解かもしれない。
複数視点で難民の行方を追う。ベラルーシは難民を利用
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正義の行方(2024年製作の映画)

4.3

真実が何もわからない。リアル版「落下の解剖学」だった。おそらく3部構成で「尋問」「弁護」「検証」になる。みんな迷いがありつつも、おそらく(出演している人に限れば)最善を尽くそうとしたことだけは伝わって>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.0

隣の席に座ってる人がスマートウォッチを何度も光らせて時間を確認していた。いつもなら「止めてくれ」って気持ちになるけど、今回は「仕方ないな」という気分になった。長いよ……。

主人公が「信頼できない語り
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リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

3.5

表現と演出が面白いものの、ストーリーが面白いかと問われると難しいかも。まぁ話の軸は何も難しくないけど、考えるな、感じろ、って作品。