このレビューはネタバレを含みます
永い眠りにつくのは、あなたのための愛。
側に寄り添い続けるのは、私のための愛。
かくも長い、この素晴らしき人生。流れる水を止めたのはこの私。老いて皺だらけの、あなたへの愛に満ちたこの両腕で。
夫は決>>続きを読む
白紙のページに綴られる感情の詩は、寡黙な彼の、静かな愛情の思い出。
朝目覚めてキスをする。ランチは手作りを口にする。夜には愛犬と散歩する。時には喧騒に塗れ、トラブルに巻き込まれ。
繰り返されるこの日々>>続きを読む
身を包まれた花もあれば、道端にそっと咲く花もある。今を咲き誇る花もあれば、枯れて散っていく花もある。
それは人間もまた同じ。輝いていたあの頃は誰にでもあるけれど、いつかはそれも終わりを迎える。
それで>>続きを読む
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時代の流れに身を任せ、浮き雲のように漂う私達は、それでも自分自身だけは見失いたく無いと、表情には表さないが、心のどこかに確固たる信念を持って、毎日を慎ましく生きている。
涙を堪える夜がある。生きている>>続きを読む
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孤独に苛まれ、息も出来ないくらい押しつぶされそうになる夜。心にぽっかりと空いた穴を埋める為に、誰かに隣にいて欲しいと思っても、大切な人ほど、僕の側からふと消えてしまう。
僕が僕であることは、何も間違い>>続きを読む
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夢の中で見た夢を、第二の夢としよう。
第二の夢を見る瞬間は、それを夢と自覚できるけれど、第一の夢を見ていることには気付かない。
その連鎖が続いた時、果たして現実は、一体何処に存在していたのだろうか。>>続きを読む
息を切らす。森を駆ける足音は、一体誰のものだったか。
記憶の片隅にある。あの時消えた彼は、一体誰だったか。
わからない。この目に映り、この手に触れる世界の存在も。私が私でなくなったその瞬間も。
繰り返>>続きを読む
監視、好意、観客。向けられる視線は、一体どの世界の、誰のものなのだろう。
鏡に映る自分は、いつも無表情。それはこの世界が、退屈な現実だからか、誰かに作られた空想だからか。
事実は映画よりも退屈だと、こ>>続きを読む
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この広い世界に、今日というこの長い夜を、共に過ごす誰かがいる。
決して深い関係ではない。それでも、寒空の下、この孤独を埋め合うことはできる。
舞い続けた白い吐息が消えゆく頃、この出会いにも終わりが告げ>>続きを読む
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ガタンゴトンと、線路を駆ける音がする。
喧騒と共にやって来る不思議な旅人達。今宵の出会いは、偶然で必然。
音楽と幽霊と拳銃と。眠らないこの街で、彼等は同じ一夜を過ごし、同じ朝を迎える。
遠くで聞こえる>>続きを読む
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見知らぬ誰かと、あの時の親友と、家族と。
誰かが隣に座って、ただ話をする。楽しくなんかなくても、気まずい雰囲気でも、乾杯してしまえば、そこは、煙たく閉ざされた彼等だけの世界。
まるでこの広い世界に、他>>続きを読む
無知であるが故の、美しさと残酷さ。
未知への探究心も、淡い恋心も。子供は知らぬ間に経験し、成長する。どこかでそれが、離れていくことさえ気付かぬ内に。
蝶の羽ばたきを美しいと思える心もあれば、誰かに石>>続きを読む
待てども待てども現れない彼を、それでも待ち続け、世界は今日も回り出す。
居なくなってから気付く。私達が、彼を愛していたことを。世界が、彼を中心に周っていたことを。
雪が降り、馬が駆ける。誰かが笑い、誰>>続きを読む
あの頃を良く憶えている。
寝そべった草むらの感触も、見上げた星空の美しさも、いつも隣にいたあなたの存在も。
記憶と共に実感する老いもあるけれど、それらも全て私達が生きてきた証。
家族の愛、別れの辛さ。>>続きを読む
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恐怖を抱えたまま生き長らえると、悪魔が死を呼んでくる。
しかし、冷静になると、その悪魔は天使に変わる。
死への恐怖と、薬の幻覚が混じって見た走馬灯のような夢。
その中で答えを見つけ、失った子供と出会>>続きを読む