ヘラルドスクエアさんの映画レビュー・感想・評価

ヘラルドスクエア

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祭りの準備(1975年製作の映画)

3.8

黒木監督の名作。
渦巻くエネルギーに圧倒されます。
とにかく映像からの圧力がすごい。
演出もさることながら、名匠木村威夫さんの美術監督によるところも大きいです。
70年代のATGのテイスト全開。
常連
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審判(2018年製作の映画)

3.3

こりゃ面白い。
思い切り低予算の熱を感じる。
いいな。
世界観はかなり表現できている気がします。
てことはカフカの世界は『世にも奇妙な物語』で間違いありませんか。

ほとんど鳴りっぱなしの音楽が
まさ
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TENET テネット(2020年製作の映画)

2.9

意味が分からないとの評判もあって
少し敬遠気味でしたが、やっと見ることができましたー。
警戒しながらの鑑賞でしたが、
MCUなどマルチバース的なノリや解釈が当たり前な近ごろでは、なんなく設定やストーリ
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生きる LIVING(2022年製作の映画)

3.0

このリメイクはとてもいいですね。
なかなか沁みます。
ハリウッドではなくイギリスでよかった。
カズオイシグロさんの脚本とは豪華。
オープニングタイトルから落ち着いたクラッシックな作りが、黒澤監督へのリ
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この茫漠たる荒野で(2020年製作の映画)

2.5

こころに沁みる西部劇。
南北戦争に翻弄された男の物語。
トム ハンクスさんがあまりにもいい人なので
正直感情移入はできません。
少女も会話が成立しなさ過ぎて、どういう気持ちで観ていたらいいのか定まりま
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市子(2023年製作の映画)

3.6

深い、かなりハマる。
杉咲花さんの存在感…。
脚本、演出、俳優その他すべてがハイレベル。
切れ味最高。
細部まで相当練られていて、すでに円熟の域です。
それもそのはず、監督自身がすでに演劇作品として何
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王手(1991年製作の映画)

3.0

欧陽菲菲
新世界と通天閣が堪能できる。
全体にアート感が漂う、庶民のための庶民の映画。
『どついたるねん』『鉄拳』に続いて荒戸源次郎さんと組んだ作品。
役者たちの手垢にまみれていない演技がいいです。
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9時から5時まで(1980年製作の映画)

3.5

まさに時代は80年代。
バブリーな雰囲気がたまりません。
リアルタイムだからこそ作れた映画。
ストーリーがどうのという作品ではないです。
ただ面白いだけってすごい。
ジェーン、ドリー、リリーの3人をキ
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真昼の欲情(1958年製作の映画)

3.4

アンソニー マン監督らしからぬシェイプアップされた映像が特徴の作品。
ちょっとした突然変異、最高です。
地面に掘られた穴の底との高低差を多用したり、人物をなめるダイナミックな構図は今さらながらハッとさ
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ブルーズド 打ちのめされても(2020年製作の映画)

3.1

ハル ベリーさんホントすごい女優ですね。
何もかもすご過ぎて、普通の神経だとついていけない感じです。
格闘技てのもそうですけど、もがき苦しむ生きざまをこれでもかと見せつけてきます。
もー血みどろ汗まみ
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ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから(2020年製作の映画)

3.5

これはおすすめ。好きです。
楽しくて切なくて感動でした。
片田舎の高校生が知性と素朴さで青春を生き抜きます。
何にも知らないちょっとマヌケな男子は性格だけはめっちゃいい。
作りは軽いですが、悩める若者
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そんなの気にしない(2021年製作の映画)

2.5

一生懸命働くスチュワーデス物語(死語)。
LCCのCAの業務が案外こまかく描かれています。
機内販売の厳しいノルマがあったり。売り上げがCAとしての能力に直結していたり。
メイクとスッピンが別人だった
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シリアにて(2017年製作の映画)

3.2

母は強い。
二人の母親が出てきますが、二人とも極限状態でも人間の威厳を保ちます。
その表現の仕方がこの作品の素晴らしさです。
二人の女優さんがいいです。
命さえあればいいという戦禍を、団地の一戸だけで
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砂漠の流れ者(1970年製作の映画)

3.3

人情西部劇。
なかなか味のあるB級映画です。
こういうのがあるからディグっちゃうんです。
ペキンパー監督が自らベスト作品に挙げているだけあって、拘りながらも楽しんで制作しているのが画面から伝わります。
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揺れるとき(2021年製作の映画)

3.6

ヒリヒリ胸が痛む作品。
子どもは無力ですね。
国境の田舎街フォルバック。地名はドイツ語由来だったりします。
貧困家庭でみんな怠惰な生活していても、なんとか生きていけるのは田舎だからでしょうか。
歴史的
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インフォーマント!(2009年製作の映画)

2.8

いいノリですねー。
安心して物語に浸れます。
ポケベルで連絡を取る90年代の実話ですが、映画のテイストは『黄金の7人』シリーズや70年代のB級スパイ物です。
味の素www
ソダバーグ監督とスコット バ
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可愛い配当(1951年製作の映画)

2.7

この続編まで見ないと家族の騒動は完結しません。
世代交代をしっかり描いたシリーズだと気付かされます。
どうあがいてもトレイシーじーじになっちゃう運命ですからね。
エリザベス テイラーさんもただハッピー
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カワイイ私の作り方 全米バター細工選手権!(2011年製作の映画)

2.8

まさにレッドネッキーな映画。
差別的なネタを楽しめるかで評価が分かれますね。
バター彫刻はアメリカ中西部で伝統ある白人文化で、それに黒人が参加すること自体がこの映画のキモです。登場する観客たちや審査員
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Ribbon(2021年製作の映画)

3.0

ですよね。
多摩美です!
のんさんの才能が画面に溢れています。
美大生役に何の違和感もなし。
むしろ役不足なくらいです。
コロナ禍の滑稽なほどの異常事態を、身の丈レベルでちゃんと残してくれた作品だと思
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ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男(2023年製作の映画)

2.9

祝アカデミー主演男優賞ノミネート。
とても勉強になりました。
ワシントン大行進は各黒人団体が一枚岩ではなかったのですね。
政府やFBIからの妨害は当然のこと、キング牧師でさえ最初は懐疑的だったとは知り
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ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

3.5

ジュリー デルピーさんが歌う”A waltz for a Night”
映画の中の歌としては最高の一つなんじゃないかな。
シンガーソングライターが開花した瞬間です。
初めてこのシーンを見たとき、聴き入
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オン・ザ・ミルキー・ロード(2016年製作の映画)

5.0

もしもドストエフスキーが映画を撮ったなら。
ポリフォニー(多声)とカーニバル(祝祭)。
映画でしかできない語り方で祝祭空間を作り上げています。
気取らないフェリーニというか。
怒涛にして饒舌。
圧に負
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ナイアド ~その決意は海を越える~(2023年製作の映画)

3.0

そんなに古い話ではない実話。
世の中にはすごい人がいるもんだなぁ。
ナイアドさんのような人を大人物と言うのですね。
心から感心、感動です。

そんな大人物に完全憑依したアネット べニングさんは一世一代
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ビリーバーズ(2022年製作の映画)

3.7

相当頑張りました!
かなりいいと思います。
三人がめっちゃいい。
閉塞感から解放されて海でヤリまくるの、流石の映像です。
海から生まれて海に帰るって言うし。
後半、教団の生き残りが島に大挙上陸して以降
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雪山の絆(2023年製作の映画)

2.6

アカデミー国際長編映画賞にノミネートされたとのことで、とりま見てみました。

この撮影は大変だったことでしょう。
アンデス山脈のあまりのスケールがスクリーンに収まりきりません。
過去何度も映像化されて
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マイ・サンシャイン(2017年製作の映画)

2.0

ロドニー キング事件からのロス暴動を黒人家族の日常目線で描いているのは新鮮でした。
後半暴動が起きてからは治安が悪化して、警官が容赦なく銃をぶっ放すなど、暴力や流血シーンが描かれていました。
しかし世
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英雄の証明(2021年製作の映画)

3.4

さすが〜のファルハディ監督。
この作品もまた細部に哲学が宿っています。
ただし自分的には『別離』の方がずっと好き。
と、比較してしまえる程に、いつもの名調子。
いつものテーマです。
何度も同じことを擦
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スルー・マイ・ウィンドウ:海の彼方へ(2023年製作の映画)

2.8

青春真っ只中。
1よりもかなり見やすいです。
尖って弾けた感じはかなり抑えられましたが、映像は相変わらずイケてます。
クララ ガレさん!
セックス奔放ですが前作より少なく過激な描写は控え目。
ちょっと
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スルー・マイ・ウィンドウ(2022年製作の映画)

3.6

クララ ガレさん!
パワー炸裂。
インスタフォロー必至ですよね。
なんてったってうっかり?下着付けないんですから。

怪しく漂う陰影のある滲んだ映像がすごくいいです。アルモドバル監督作品に通じるのかも
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ロング・トレイル!(2015年製作の映画)

2.8

何も考えずに気楽な映画でした。
いろいろ”元気な”おじいさんバディの珍道中上等。
アパラチア山脈をトレッキングとはナイスアイディアです。
脚本は一切のひねり無しのチープさがグッド。
すべてお約束の展開
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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.6

とてもお高い映画でした。
ハイソな世界にどっぷり浸って鑑賞したかったのですが、それなりにハードルが。
大変知的だということは伝わってきましたが、私には台詞の半分も理解できません。
基本的な知識が乏しい
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地獄の黙示録 ファイナル・カット(2019年製作の映画)

4.7

ファイナルカット…信じてインザスカイ?
それで結局どのバージョンが正解なのか。
コッポラ監督!いい加減編集違いを公開するのやめにしませんかー。
監督が経営する有名なワイナリーが不作の年は、自身の過去作
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奇蹟の処女(1931年製作の映画)

3.2

バーバラ スタンウイックさんが最初からぶっち切りの演技で、すごいことになっています。
こんな時代に女性が強くて、自由に伸びのびとスクリーンで動いてるなんて…当たり前に日本とは全然ちがいますね。
今なら
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アンジェラの灰(1999年製作の映画)

3.5

これぞ映画。
アラン”ザ ウォール”パーカー監督の重厚な名作。
幼い男の子が20歳ほどの少年に成長するまでを描きます。
この間に人生で起きるであろうほぼすべての出来事が次々押し寄せてきて、すでに一大叙
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ノット・オッケー!(2022年製作の映画)

3.3

今どき感に乗れるとめっちゃ面白いです。
好きですー。
軽いノリの割には、なかなかビターでいろいろ皮肉が効いた作品でした。
プチブレイクのゾーイ ドゥイッチさんがおしゃれで最高。
おでこはリー トンプソ
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