足らんティーノさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

足らんティーノ

足らんティーノ

台風クラブ(1985年製作の映画)

5.0

一夜の台風が行き場のない不安と目に見えない束縛から少年少女を解放する。

中学生の自由な精神と異常な感情の高まりを詩的な映像に凝縮した作品。

シュルレアリスムな東京に制服と赤いヒール。

中学生の哲
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地獄のデビル・トラック(1986年製作の映画)

3.7

聖書を轢き潰すパンキッシュなトラックたちが爆走する超ド派手な、スティーブン・キング初監督作品。
AC/DCの曲がかっこよすぎる。

トラックだけじゃなくて、セスナに自動販売機に芝刈り機までもが暴走する
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トム・アット・ザ・ファーム(2013年製作の映画)

3.9

恋人の葬式に来たトムと恋人の粗野な兄の、犬も食わないラブコメ。

「友人」として恋人の弔辞は読めない。

2023-237/字幕

にっぽん昆虫記(1963年製作の映画)

4.0

激動する社会と形を変えて繰り返す女の人生の対比を、昆虫のように地面を這って生きる女の視点で描いたリアリズムの傑作。
主演の左幸子は、ベルリン国際映画祭において日本人初の主演女優賞を受賞した。

母と娘
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バタリアン2(1987年製作の映画)

3.4

前作と同じキャストが出てたり、ガスが漏れて雨が降ってっていう同じ展開だからこそのスピード感だったり、バタリアンたちがよりウケを狙いにいってたりはするんだけど、主人公たちが大慌てで逃げまくるってだけで単>>続きを読む

刺青一代(1965年製作の映画)

3.9

鈴木清順節の「フィルム歌舞伎」が炸裂した殺陣とサスペンスと任侠のハイブリット。

演出としての書割
赤い靴の道具立て
キャラの立ったヒール
土建屋の社長夫人に母親を見て恋に落ちる美大生の弟

鈴木清順
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ザ・デプス(1989年製作の映画)

3.5

カルト的人気のある海底モンパニ映画。
しかし肝心のモンスターが出てくるまでが長くてわりと地味な作品。
と思いきや中盤以降、ツインピークスでアルバート役を演じたミゲル・フェラーが、憎めないクソ野郎に豹変
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サイコ・ゴアマン(2020年製作の映画)

3.4

宇宙に破滅をもたらす「悪夢の公爵」こと、奴隷上がりのダークヒーロー・サイコゴアマンと、その仰々しさをぶち壊すクレイジーな少女の、特撮スプラッターコメディ。

奴隷を使役するテンプル騎士団の世界観や異星
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ザ・ゴールドフィンチ(2019年製作の映画)

4.0

「一目惚れした初恋」と「テロで失った母親」の大切なシンボルである1枚のゴールドフィンチの絵を中心にして、エンタメ性の高いギャング映画に至るまで、アンセル・エルゴート演じる青年の人生を少年期から丁寧に描>>続きを読む

示談屋(1963年製作の映画)

4.0

これは面白い!
説明的なセリフとか大味な演技はあるものの、関西弁の小気味いい啖呵と展開のテンポの良さ、哀愁漂う美しいカットがありつつ、82分という短さでサクッと見れる隠れた傑作。

事故の増加から交通
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殺しの烙印(1967年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

見たことないようなシーンの面白さ。

ツィゴイネルワイゼンのように完成されてはいないが、荒削りな鈴木清順の世界観が凝縮されている。

デフォルメされた癖の強いキャラクター。
感情がピーキーで色情狂のよ
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ゼイラム(1991年製作の映画)

3.8

クールなバウンティハンター・イリアを演じる森山裕子が可愛くて、鉄平と神谷のコミカルなコンビも愛おしい。
凶悪な異星人を、町を再現した仮想空間に転送してそこで戦うっていう設定や、三度変身するゼイラムの造
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東京流れ者(1966年製作の映画)

3.5

コミカルなまでにキザすぎる設定やキャラクターと、鈴木清順の映像センスが光る洒落た構図の取り合わせによって任侠映画の域を超えた世界観が出来上がっている。

2023-227

忌怪島/きかいじま(2023年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

「恐怖の村」シリーズに続く新シリーズ爆誕。

島を丸ごと再現したメタバースがあの世と同期しちゃって、イマジョと呼ばれる悪霊がこの世に来てしまう話。

ユタの脳波をスキャンするという試み。

アッキーナ
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リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

4.0

ポール・ウォルター・ハウザーの、根が真面目で正義感が強く感情を表に出さない(それゆえに変わり者に見られる)リチャード・ジュエルの感情を押し殺した演技と、対照的にサム・ロックウェルの演じる感情的な弁護士>>続きを読む

ドリームキャッチャー(2003年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

後半に超能力者たちがエイリアンと戦う話だってわかってからは単純な映画なんだけど、序盤の、相手の過去を見通せたり考えがわかったり捜し物を見つけられたりする主人公たちの登場から、意味深な事故、そして半年後>>続きを読む

ノーウェア:漂流(2023年製作の映画)

3.6

妊婦の主人公が、物資不足びによって混迷を極めたスペインから、貨物コンテナに入ってデンマークに亡命しようとしたが、コンテナが嵐で海に投げ出されたことによって、限られた物資でサバイブすることになるソリッド>>続きを読む

チャイルド・プレイ3(1991年製作の映画)

3.6

アンディは16歳になり陸軍兵学校に入学。演者がアレックス・ヴィンセントから変わっている。

チャッキーは前回のおもちゃ工場のグチャグチャ ドロドロ エンドから血液だけで再生し(このシリーズはチャッキー
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ローラは眠れない(2019年製作の映画)

3.4

アマプラでの配信は終わってたけど、ビデオマーケットで字幕版が無料で視聴できました。

2019年に製作され、2020年のSXSW映画祭でパラマウントの目に留まり、『スマイル』につながったそう。

夢の
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スマイル(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

トラウマによって感染し、心の傷に宿る呪い。

心の病のように、本人には現実的な恐怖でも、それが心の中にしかない、というのが面白かった。

連鎖して、人にうつせる呪いということで『イット・フォローズ』を
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バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)

3.7

人間の頃は元ヴァイキングだったサンタクロースが、「全米一堅固な家」の裏金を奪いに来た武装集団と死闘を繰り広げる、トミー・ウィルコラのクリスマスストーリー。

サンタクロースが銃の使い方を知らないから泥
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ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

4.2

"「ザ・スクエア」は信頼と思いやりの聖域です。この中では誰もが平等の権利と義務を有します"

スクリーンというスクエアの中で、主人公に起きるふたつの事件を軸に、「優位に立とうとする人間」と「弱者を無視
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バッド・マイロ!(2013年製作の映画)

3.3

ストレスが具現化した、ETのような見た目のポリープモンスター・マイロ。

テッドの二匹目のドジョウを狙ったのか下ネタ満載の、かわいいモンスターもの。

手の焼けるマイロにペットのように餌をやったり、お
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マッド・ハウス(2019年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

LAの全体主義共同体ホラー
森の中や人里離れた土地で原始的な生活を送る共同体ではなく、ハリウッドのアパートで共同体を営んでいるというのが新しい。
監禁→洗脳が完了して裏方に回り、それまでの舞台裏を観ら
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仕立て屋の恋(1989年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

観察(のぞき)が趣味で近所の嫌われ者のチビハゲ変態紳士。
パリとのギャップが斬新。

ネズミを大量飼育していることで優しさと気持ち悪さを演出して、最後に線路に連れていく切なさまであり、このネズミが良い
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美しき諍い女(いさかいめ)(1991年製作の映画)

4.0

17世紀の娼婦・美しき諍い女を描きたいと苦悩するも創造性の衰えた老画家が、エマニュエル・ベアールの内なる真実を見出し、カンバスに描き上げる話。
日本公開時に、モザイクをかけるべきなのかどうか"ヘア論争
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ウィリーズ・ワンダーランド(2021年製作の映画)

3.3

最強の掃除人ニコラス・ケイジvs殺人カルト集団が憑依したテーマパークの8体のキャラクター

無口でハードボイルドなニコラス・ケイジの運転する車が田舎道でパンクして、それを直してもらう代わりに廃墟と化し
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アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

「中身は関係ない」
肥大化したナルシズムと他人への無関心が生んだ、ウォール街のサイコたち。

「相手が誰か」よりも高級レストランで(名前)と食事したことだけが重要だから、相手の名前をみんなが間違えてい
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チャイルド・プレイ2(1990年製作の映画)

3.7

前回とは少し設定が変わって、チャッキーが人形の体のままどんどん人間になっていき、そのために急いでアンディの体を奪おうとするという設定になっていて、「激しく遊んだら出血する仕掛けの人形」というオリジナル>>続きを読む

クロール ー凶暴領域ー(2019年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

不衛生な地下の不快さ、思うように身動きの取れないもどかしさ、セイフティーゾーンはあるものの水位が上がってきて刻々と迫るタイムリミット、、、わずかな希望とそれを覆す絶望の繰り返しで、それだけでもよくでき>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

5.0

アカデミー賞の前後に、これを観せられたらどの作品も太刀打ちできない、って話をよく聞いていたけど、その意味が良くよく分かった。
マルチバースという発明を、その本当の価値を、はじめて体現した作品であり、「
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バタリアン(1985年製作の映画)

4.2

『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』へのオマージュと、ホラー映画愛に溢れた、最高に愉快なハイテンポ・コメディホラー。

バタリアンたちが自ら救援を呼んで、来た警官や消防士をすごいスピードで襲っていくシ
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ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生(1968年製作の映画)

3.7

ジョージ・A・ロメロのデビュー作にして、ゾンビ映画の原点。

生きている人間の残虐性

角度をつけた画角がスタイリッシュ
車の窓を叩く手足の長いゾンビの大きさが強調され迫力が増す

密室に逃げ込んだ人
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チャイルド・プレイ(1988年製作の映画)

3.8

主人公のアンディ役のアレックス・ヴィンセントが可愛すぎる。
グッドガイと同じコスチュームを着て誕生日でワクワクしてる序盤のシーンが特に可愛い。
親がシングルマザーでグッドガイ人形を買うお金が無くて怪し
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デモニック(2021年製作の映画)

3.5

メタバース×悪魔祓い

先端情報技術で殺人犯の母親の脳内メタバースにブレインダイブして、母親に憑依した悪魔と対決する話。
剣やマシンガンを持ったコテコテなヴァチカンの武装エクソシストがでてくるあたりが
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マジック(1978年製作の映画)

3.6

腹話術を5分と我慢できないビョーキなアンソニー・ホプキンスの演技を見るためだけの映画。
アンソニー・ホプキンスはこの作品で英国アカデミー賞主演男優賞にノミネートされている。

チャンスを逃してしまう臆
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