ハルさんの映画レビュー・感想・評価

ハル

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晩菊(1954年製作の映画)

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一方は金貸しで夫と子もなく、一方は貧困生活で夫はおらず、子がいる。林芙美子はどちらの在り方も肯定していたのだろうと思う。金、を貸すという職業の女を、非情に描かない、もしくは非情さの裏をさりげなく見せる>>続きを読む

ツィゴイネルワイゼン(1980年製作の映画)

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個人の性的指向を追求した映画、というか追求している男と、それをただ眺めるような男の映画。狂気的なのは、後者のように思える。傍観という距離の取り方、をとる人間の方が、残酷な気もする。とにかく関係性がドラ>>続きを読む

コーカサスの虜(1996年製作の映画)

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ストーリー構造が良かった。シリアスなシーンもあり、人の優しさもある。オチも、スッキリする。捕虜交換時、母親を気遣うような指揮官の台詞が、一貫して冷酷なこと。敵と味方、という、立場から出る台詞は、人間の>>続きを読む

ジョニーは行方不明/台北暮色(2017年製作の映画)

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雰囲気だった気もする。終わり方、あまりしっくりこない。水溜りのシーンは良かったし、鳥も良かった。こういうタイプは結構好きなのだが、何か足りない気がした。

真夏の夜のジャズ 4K(1959年製作の映画)

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ワイン飲みながら一人で鑑賞。何も覚えてないけど、良い気分になった。

生きるべきか死ぬべきか(1942年製作の映画)

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面白い。ブラックユーモア映画。でも、ちょっと物足りなさもある。コメディ系は他の映画のテンポと比べやすい。発想勝負なのかも知れず、そうすると毒そのものは普通かも知れない。

ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)

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映画は、人生は、これでいいんだよ、という感じで見せつけられた。ユダヤ教徒は過去に生きてる、とか、さりげない会話の中に、その人物の特徴が出ている。妻を忘れられない男、ベトナム帰りの男、友情。強引な展開だ>>続きを読む

懺悔(1984年製作の映画)

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幻想的な音楽に始まり、不思議な感じだった。内容は徐々に強烈になっていく、違和感からシリアスな雰囲気に。最初の、「あなたは幸せなのよ」もさりげなく、全体を包む、深刻さにつながる。終わり方はかなりカッコよ>>続きを読む

ラストタンゴ・イン・パリ(1972年製作の映画)

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死のうとしている主人公、最後の生命力の残滓みたいなもので、愛し合っている。若い女は人生の延長に、これがあると思うのだろうか。終わり方は違和感あったけど、苦しい映画だった。

デスノート Light up the NEW world(2016年製作の映画)

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この手の映画を見た人に聞きたいのだが、お話の筋が全く通ってない、理屈の甘さと、展開の強引さに呆れないのか。
これでよしとされるのか、
そりゃ普通に見ることはできるだろうが。

お熱いのがお好き(1959年製作の映画)

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展開が早く面白かった。最後のシーンはとても良い。
真面目な映画だなぁという感じ。でもなんか普通に面白いってだけだった。

何かいいことないか子猫チャン(1965年製作の映画)

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面白いけど、かなり娯楽に振っていて、いつもの真を食った感じがない気もした。何かあったのなら、自分にはわからなかった。

ダーティハリー(1971年製作の映画)

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犯人、殺せば良いのに、いつでも殺せただろう、、、とか。
構造的には一面的で良くある話。ハリーの内面もあまり深く描かれず、ただかっこいい男として、シーンで魅せる感じだった。

シェーン(1953年製作の映画)

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まあまあ、シェーンの在り方が当時の男たちに影響を及ぼしたらしい。リスペクトある男とはこういう感じらしい。

悪役がかなり良い。
最後に、アメリカを作ったのは商人ではなく、インディアンである。人を殺して
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戦争のはらわた(1977年製作の映画)

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かなり良い。構造の説明は他に任せる。一面的な熱量で(安直なヒロイズムとっても良いかも)で戦争を描かないところが魅力的だと思う。主人公のスタンスを明確にしつつ、狂気的なオチ、そして、ブレヒトの言葉。
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ゲッタウェイ(1972年製作の映画)

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カットバックなど技が目立つ、わかりやすさが良い。男と女の感情を、距離感の詰め方を、さりげない描写がつなぐ。うまい映画だと思った。あっさりと、確実に結びついていく感じだ。

理由なき反抗(1955年製作の映画)

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当時の若者が何で悩んだか。
また主人公の内に潜む暗さが、いい味を出している。

恐怖の報酬(1953年製作の映画)

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終わり方、必要なさすぎる。
それまではすごい良かった。カメラも、人物の描き方も。

夏物語(1996年製作の映画)

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身勝手なのは皆それぞれかな、微妙にすれ違う、この微妙さ。シリアスとユーモアのちょうど真ん中くらいの雰囲気をずっと出してる。

小説家の映画(2022年製作の映画)

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以前濱口さんが、60分喋らせて、10秒しか使わない、みたいなことを言っていた気がする。(朧げな記憶)
この映画の、間、を生み出すのにはそういうことが必要なんだな、と思った。
会話がとにかく、うまい。す
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左利きの女(1977年製作の映画)

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アケルマンを彷彿とさせた。
無表情を撮る。空気を撮る。
シンプルな会話、騒がしくない間。ベンダースが小津のどういう部分を評価しているのかもわかる。
後半の詩的な会話は、少し難しいと感じた。最後の言葉は
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スモーク(1995年製作の映画)

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話の絡め方がうまい。
新しさとかはないけど、なきゃいけないヒューマンドラマ。
演技がうまい!!

浮雲(1955年製作の映画)

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風の音、雨、ざらつく雰囲気。戦後の退廃的な愛の形。
さらっと過去をちゃんと描く。皮肉なユーモアで自己弁護する冨岡の太宰感。死という言葉のリアリティー。限界に近い死生観。

終わってる。

ディオールと私(2014年製作の映画)

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おしゃれな空気吸っとかないと。
44年働いている人。そういう遺伝子を持続させること。

気まぐれな唇(2002年製作の映画)

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繊細なリアリズム。
登場人物特有の寂しさが、すれ違って、また寂しい。
髪を分ける仕草が、思い出せなかった小さな記憶を甦らせるように、本当に小さな部分でさりげなくすれ違っていく。

それから(2017年製作の映画)

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小説でできるか考えてみていた。
すれ違いの会話はできても、この”間”はできない。
第三者の目には嘘だとわかる嘘、徹底したリアリズムなのだが、それは社会的な地位とかに迫ると言うより、その人そのものに寄る
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マスク(1994年製作の映画)

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斬新だった。まさにコメディ、やりたいこと全部やる、ような発想。
アメリカは音楽がとにかく強い。

ロッキー・ホラー・ショー(1975年製作の映画)

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楽しい。鮮烈なキャラクター。時代を切り開くパワーがとか言いたいけど。

ペパーミント・キャンディー 4Kレストア(1999年製作の映画)

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良い映画だった。何が具体的な悲劇というより、どんよりと、少しずつ、崩壊していく様が描かれいて、うまい。繊細にストーリーに入れ込んでいく形。
社会を描くのがうまい。

オアシス 4K レストア(2002年製作の映画)

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最初、脳性麻痺を演じるというところに、違和感があった。気を衒っている。作りやすい悲劇であり、痛々しさを武器に映画撮るなよ、感動ポルノにするなよ、と思った。

しかし、違う。個人を描くのではなく、関係性
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悪魔が夜来る(1942年製作の映画)

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おとぎ話のような、簡潔な落とし方。それでもその簡素さを上回ってしまう、圧倒的な愛の力。良い。
当時のフランスの状況と照応する作りもすごい。わかりやすいし、社会を描いているし、かつ芸術。このアルレッティ
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死刑執行人もまた死す(1943年製作の映画)

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脚本すごい。問題は誰を犯人を仕立て上げるか、これを後半に持っていき、悟らせないことだと思った。

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