あさのさんの映画レビュー・感想・評価

あさの

あさの

映画(1559)
ドラマ(0)
アニメ(0)

密輸 1970(2023年製作の映画)

3.8

種明かしに振り回されてちょっと疲れるけど、スカッとさせてくれて、当時の大変さもさりげなく教えてくれる作品でした。

季節のはざまで(1992年製作の映画)

3.5

思い出は一瞬一瞬の積み重ね。若さも栄光も永遠に続かない。当たり前のことを改めて言われているような気がして、胸がジーン。

大いなる不在(2023年製作の映画)

4.2

自分にとって、この先も心の深いところで留まるような作品でした。完璧な人間や思い出が存在しなければ、その反対もまた同じ。たぶん良いところと悪いところの割合や濃度の多いほうが、人や思い出をの評価を決め、ア>>続きを読む

クレオの夏休み(2023年製作の映画)

3.8

クレオはセザールであり、セザールはクレオである。どんなに愛している人でも、自分だけが独占できない。それって、本当は素晴らしいことじゃないか。

お母さんが一緒(2024年製作の映画)

3.8

回想シーン0で3人がどんな人生歩んできたのか痛いほど分かる。脚本と演出のうまさが光る。そして、青山フォール勝ちさんの勝ち。3人のみならず観客みんながどれだけ救われたことか。ただ、最後あたりに言ったこと>>続きを読む

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

4.0

普通にいい話。本意で誰かのために何かを捧げられるのは、きっと幸福度指数かなり高いんだと思う。そういう調査ありそう。

ルックバック(2024年製作の映画)

3.8

前半の展開が好き。負けたくないだけでは続かない。やっぱり褒められたい、しかも一番褒められたい人に。

オールド・フォックス 11歳の選択(2023年製作の映画)

4.0

別にどっちかを選ばなければいけないなんて、誰も言ってない。どっちも取り込めばいい。いいとこ取りすればいい。良き台湾や香港の映画見ていると、「食べる」って本当に大事だなあと思う。

浮き雲(1996年製作の映画)

3.8

大勝負(それがギャンブルでも)に挑んで負けても、ぎゅっと手を握ってくれるのは愛の証。

違国日記(2023年製作の映画)

3.8

全体を通して会話が心地よい。そしてあの部屋にある「引き戸」が象徴的だった。誰かと生きるためには、ときには締め切り自分の世界にこもる。ときには全開にして正面から分かち合う。ときにはこっそり覗いて見守る。

蛇の道(2024年製作の映画)

3.5

ず~っとず~っと気味が悪い。こんな空気が出せるのは黒沢監督しかいない。

いますぐ抱きしめたい(1988年製作の映画)

3.8

ウォン・カーウァイがやりたかったことと、周りがやらせたかったことの葛藤の狭間でできたような作品。らしさ、は後半に片鱗を見せる。彼は魅力的な女性をさらに魅力的に撮りたいんだな、結局は(笑)

東京カウボーイ(2023年製作の映画)

3.5

日本人の監督が撮ったら絶対同じように作れないと思う。ハイブリッドって面白い。そして、あの年代で新さんほどに純な瞳を見せられる俳優さんを他に知らない。

チャレンジャーズ(2023年製作の映画)

3.8

時間軸は忙しく動くけど、迷子にならなかったのは3人のキャラクター描写が明確だったからだと思う。みんな自分のコントロール下に置きたがるよね。よく調べずに見たからパトリックのことを、「ずっとどこかで見たこ>>続きを読む

あんのこと(2023年製作の映画)

4.0

鑑賞中、主人公の幸せをこんなにも願い続けた作品は久しくなかった気がする。昭和の黄金期にあったような、世の非情さを遠慮せずに最後まで描ききったところにあっぱれです。

かくしごと(2024年製作の映画)

3.8

個人的には亀田先生役(医者)の酒向芳さんの自然すぎる演技に一番驚かされた。映画見ている感覚を忘れるくらい。この作品の隠れたMVPだと思う。

マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

3.5

前作がコアな映画ファン向けだったのに対して、今回はもっと大衆受けを意識している感じが随所に見られた。そして一人の人間の半生を描くには、2時半は短すぎる。

若武者(2024年製作の映画)

3.8

「若さはきらきらしてない」のかなりリアル版。独り言の延長だけでつるむような仲間。面と向かい合うのは、喫茶店のあのシーンを除いて対立しているところばかり。

関心領域(2023年製作の映画)

3.8

あの家族を観察しているような感覚になるカメラの距離感が良かった。主役の二人から、家族や夫婦の愛をみじんも感じなかった。結局は関心があった領域は己のみ。まあだからこそあんなとこに住めたんだろう。見えない>>続きを読む

ラジオ下神白―あのとき あのまちの音楽から いまここへ(2023年製作の映画)

3.8

震災は大きな事件だったけど、その前後にも物語はしっかりあったんだと当たり前のことを考えさせられた。タイパベースの動画至上主義の時代だからこそ、ゆったりと耳に流れてくる情報は沁みる。

ミッシング(2024年製作の映画)

3.3

世直し的な「伝えたいこと」がかなり前のめりになっている気がした。モラルなき町の人たちもちょっと露骨だった。

ありふれた教室(2023年製作の映画)

4.0

真グレー色を白か黒の必ずどちらかに分けなさいと言われたらどっちに入れるか。たぶんだけど、どんどんと薄いグレーも黒に分けられてしまう時代に向かっていると思う。

人間の境界(2023年製作の映画)

4.0

マーケティング的な理由もあると思うけど、日本語タイトルのセンスが光る。境界のひとたちは心無くすか、もともとないのか。心ある人間は頭がおかしくなっていく。もっと残酷なのは、たぶん見ないようにしている境界>>続きを読む

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

4.0

似たような経験があり身に沁みる。年を取ると人はかたくなってしまう。限りある時間と若さ。どうしても優先順位をつけなければいけなくなってくる。あんなに大事だと思っていたことを簡単に忘れてしまう。

無名(2023年製作の映画)

2.8

こういうテーマをもっと多面的にもっと複雑かつ印象的に作れるのは、アジアでは今のところ韓国だけなんだろうなあ。残念。言論・表現の自由が規制されている国、自主規制している国の限界を思い知らされた。映画とし>>続きを読む

アンストッパブル(2010年製作の映画)

3.8

プロットも過不足なく、登場人物にも簡単に感情移入できる。それがあってのあのリアリティ。ハラハラ・ドキドキのお手本のような映画。

青春(2023年製作の映画)

4.0

え、劇映画ですか?って思うシーンが何度か訪れる。特にあの横に並んで作業しながら青い言葉が飛び交うシーン。やっぱり実生活に勝てるものはない。一方で改めて思い知らされたのはスマホの存在。スマホを操作してい>>続きを読む

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

3.5

監督の描きたかったことが割と明確に伝わった。憧れの「線」を越えてみたけど、それ以降はノープランの二人の末路。スティーブ・ブシェミ?と思ったら兄弟だった。

僕はキャプテン(2023年製作の映画)

3.5

グローバル化で人の移動が簡単になったというのは本当だけど嘘。本当はもっと絶望的なんだと思う。

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.0

悪は存在しない、動物と自然が存在してるだけ。慣れ親しんだ善悪の分かれ道にそう簡単には行かせてくれない。気持ち良くなりたかったらマッサージにでも行けばいい。後半あたりから罠と気づいていながらも近づいてい>>続きを読む

マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間(2023年製作の映画)

4.0

伝えていただいた。では受け手はどうか。自戒を込めて。当時ニュースをあんなに必死で見ていたのに、町の名前すら忘れかけていた自分を恥じながら見た。

あまろっく(2024年製作の映画)

3.8

雑なところもあったけど、一方で豪快なもっていきかたに何度かはっとさせられた。客席から笑い声も鼻をすする音も聞こえ、まさに笑って泣かせる人情映画。だけじゃなく、何でも要領良くできてしまい、同じようにでき>>続きを読む

アイアンクロー(2023年製作の映画)

3.5

成功者の悪いところは、自分みたいにand/or自分の言う通りにやれば、同じように成功すると信じきっているところだな。悪意がないからある意味恐ろしい。筋肉鍛えても内臓や心は鍛えられない。

子猫をお願い(2001年製作の映画)

4.0

卒業後、正解のない社会でさまよう姿がとても良い。みんなといるとき、2人でいるとき、ひとりのとき、どの自分を大事にしたいか考えた。

異人たち(2023年製作の映画)

3.8

人間、自由を求めながらも、根本では「寂しさ」を埋めるために必死にもがく動物たち。かさぶたは自分から剥がすんじゃなくて、自然に取れるのを待つべきかもしれない。火災報知器が鳴った訳を考えると、切なさが倍増>>続きを読む