bluebeanさんの映画レビュー・感想・評価

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ラストマイル(2024年製作の映画)

3.5

ネット通販の便利さの陰で疲弊する配送サービスの闇を描いています。その上で、圧倒的に面白いエンターテイメントに仕上げてくれているので説教くささがなく、純粋に楽しめる映画になっている印象です。

サービス
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教皇選挙(2024年製作の映画)

4.0

謎のベールに包まれたコンクラーベの様子を、細部までドキュメンタリー的に見せてくれます。その映像や演出の見事なこと。でも何がリアルって、システィーナ礼拝堂の神聖な雰囲気を誇張するのではなく、世俗的な部分>>続きを読む

侍タイムスリッパー(2023年製作の映画)

4.0

武士の世が終わろうとしている幕末の侍が、最盛期を過ぎた時代劇の撮影所にタイムスリップしてくるという設定がみごとです。役者の演技も素晴らしく、こんな設定でも安っぽく見えずに、リアリティすら感じられるもの>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.5

新海誠監督ならではの美しい映像で描かれる青春ロードムービーでした。主人公が道すがらいろんな同年代や大人たちと触れ合って成長していく王道の流れで完成度高いです。舞台は日本全国、田舎から都会まで、いつもの>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.0

月経前症候群の女性とパニック障害の男性が主人公。その困難を過度にドラマチックに描かず、周囲の人のほどほどのサポートとか触れ合いの中で、何とか症状と付き合っていく日常が淡々とした調子で描かれます。その日>>続きを読む

正体(2024年製作の映画)

3.0

逃亡した殺人容疑者が冤罪であることを証明するために社会に潜伏しますが、そこで色々な人たちと触れ合って味方を増やしていきます。殺人犯という世間に貼られたレッテルではなく、その人と直にコミュニケーションを>>続きを読む

赤ちゃん教育(1938年製作の映画)

4.0

古い映画はテンポが遅くて眠くなるというイメージがありますが、この映画はその逆です。現代の映画を見慣れている感覚からしても、テンポが良いどころかちょっと速すぎるくらいです。ただテンポが良いだけではなく、>>続きを読む

機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-(2025年製作の映画)

4.0

事前情報入れずに劇場に行った方が良いという口コミを読んで観に行きましたが、本当にその通り!前半はガンダムファンなら面白くないはずがないです。終始ニヤニヤしながら見てしまいました。もうセリフの一つ一つの>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

観る前は、原爆をどこまで批判的に描くのか、がやはり気になっていました。原爆投下の直接的なシーンがないということで批判もあるようですが、結果としては、オッペンハイマーの罪の意識が主観的な視点からしっかり>>続きを読む

ソウルの春(2023年製作の映画)

4.0

ちょっとした権力争いがどんどんエスカレートして、軍隊が動いてクーデターに発展してい来ますが、その右肩上がりの盛り上がりがすごいです。どんどん緊迫感が増していき、どんどん面白くなっていきます。実話をベー>>続きを読む

陪審員2番(2024年製作の映画)

4.5

最高に質の高い道徳の授業を受けている気分にさせられました。序盤で主人公が置かれた状況を理解した時に、理性では「正直に真実を言うべきだ」と確信する人が多いかもしれません。しかし、彼の過去や現在の心情や状>>続きを読む

密輸 1970(2023年製作の映画)

4.0

文句なしで面白い完璧なエンタメ作品でした。序盤のものすごいテンポから、ダレる瞬間一切なしでラストまでいきます。魅力的な俳優陣、レトロな舞台と音楽、いろんなキャラたちの絶妙な駆け引き、水中アクションシー>>続きを読む

シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

4.0

ドキュメンタリーのようなリアルさで、荒唐無稽な話ではなく実際にアメリカで起きてもおかしくないと思わせるものがありました。記者たちの会話や、停電、給油の際のカナダドルのくだりなどなど、説明的なセリフ抜き>>続きを読む

劇場版 ソードアート・オンライン プログレッシブ 星なき夜のアリア(2021年製作の映画)

3.0

やはりSAOは一作目前半の緊張感のある展開が一番好きだと改めて実感。劇場版クオリティのボス戦アクションシーンは最高の一言。ジェダイっぽいマントをかぶったアスナの厨二病的なかっこよさからの、脱ぎ捨てての>>続きを読む

駅馬車(1939年製作の映画)

4.0

配信が低画質でどうかな、と思いつつ見始めましたが、そんなのどうでも良くなるほどほど引き込まれてしまいました。

序盤で怒涛のように背景説明のセリフが重なり、次々とメンバー揃ってくる流れが不親切ながらカ
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.5

年齢や立場を超えた友情、巻き戻せない青春時代。すごく良くできたドラマで感動できます。ヤクザが登場しつつも終始ソフトなコメディで、心への負担がほとんどない映画でした。ウェルメイドってまさにこういうことで>>続きを読む

アタラント号(1934年製作の映画)

3.5

事前情報なしに観始めたら、序盤どんな話なのかポイントがわからなったです。でも人物の心境が丁寧に描かれるのを見るにつれて、だんだんと理解できて、入り込めました。

慣れない船の生活の息苦しさと、パリの開
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.0

父と娘のバカンスの様子をずっと眺めているような感じ。色々背景のある家族ではありますが、特に大きな事件が起きるわけではありません。でも不思議なことに、全く退屈することはありませんでした。二人の微妙な心の>>続きを読む

マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

4.0

世紀末の世界にヘンテコ改造車。個人的にはディメンタスが乗ってるローマの戦車みたいなやつが最高でした。圧倒的に面白い画が途切れることなく映し出されるあっという間の2時間半でした。アニャ・テイラー・ジョイ>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

完璧に作り込まれた映像を堪能できました。描かれる砂漠の世界は、異世界感と迫力がありながら、しっかりリアリティがあります。ふざけてごかかすような要素がない本物感。その分、ユーモアというか楽しい部分があま>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.5

スポーツものアニメの金字塔ではないでしょうか。3G CGで描かれるバスケシーンはまるで本物のバスケ中継を見ているようなリアルさで違和感一切なし。そこにカメラワークや動きのデフォルメ、線の描き方による躍>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.0

生い立ちによって犯罪者になってしまう。刑期を終えた後に社会から拒絶され再版する。それは個人の善悪の問題ではなく、社会の問題であるということを長澤まさみ演じるTV制作者が語ります。それだけだとただの理屈>>続きを読む

チャレンジャーズ(2023年製作の映画)

4.0

女1×男2の三角関係が描かれますが、3人の複雑な関係をセリフ少なめで描くので、いろんな解釈ができるなんとも変な映画でした。

男二人が女子テニスプレーヤーに一目惚れしますが、演じるゼンデイヤのオーラが
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フォールガイ(2024年製作の映画)

3.5

映画のスタントマンをテーマにした作品で、序盤からスタント中の事故のシーンから始まります。でもシリアスにならず、終始コメディで楽しく観れました。

主人公が事件に巻き込まれることで様々なアクションシーン
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ルックバック(2024年製作の映画)

5.0

名作である原作をどこまで再現できるのか、と言うレベルではありませんでした。最高の原作をベースに、それをアニメでしかできない演出によって何倍にも素晴らしい作品に仕上げていて驚愕です。

まず、漫画の線の
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.0

素敵な恋愛が始まり、それが必然的に終わりを迎える流れをとことんリアルに描きながらも、決して冷めた視線ではないと感じました。観終わって、恋愛って素晴らしいと思いつつも、それが終わることをあまりネガティブ>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.5

トイレ掃除をしているおじさんの日常を見て、なんでこんなに幸せな気持ちになれるのか。起きて歯磨きして仕事に行って、銭湯に行って飲んで帰って読書して寝る。そんな同じような日常の繰り返しの中に現れるちょっと>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章(2024年製作の映画)

4.0

宇宙人が来て世界が終わるかもしれないという大状況の中で、とにかく自分の隣にいる本当に大切な人を救うということをシンプルに肯定するとは、意外でした。一方で、前編で描かれた門出の過去のエピソードを見て、社>>続きを読む

福田村事件(2023年製作の映画)

4.0

差別や軍国主義など、人間の愚かさというか認知能力の限界を感じるシーンのオンパレードです。集団の空気によって人間ってそうなるよなーと想像できてしまうところが怖いです。ひどい事件で、何でそんなことができる>>続きを読む

ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.0

リアリティを諦めて吹っ切れてるのが気持ち良いです。プロレス、ガンダム、インディ・ジョーンズ。いろいろごちゃ混ぜになった感じがする楽しい映画でした。ヴァンゲリス風の音楽も良かったです。

ゴジラがわざわ
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ゆるキャン△(2022年製作の映画)

3.5

大人になった主人公たちが新たな視点でキャンプと向き合っていく姿がすごく良かったです。社会人としての責任を持った上で、やりたいこととできることのバランスをうまくとっていく。その中で仲間たちと協力して何か>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

3.5

2001年風の冒頭からの、ピンクでミニチュア感のあるバービー人形の世界に入っていくオープニングで一気に引き込まれました。

女性が活躍し、職業、人種、体型などなど、あらゆる差別のない世界の描き方が見事
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怪物(2023年製作の映画)

3.5

序盤は「怪物だーれだ」というフレーズにのっとって、かなりホラーな展開です。登場人物全員がサイコパスに見えてきて怖かったです。母親が学校スタッフと面談するシーンとか、かなりゾッとしました。

そこからの
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.5

宇宙船が荒れて未曾有の事態が起こって数年後の世界。3.11やコロナを経て変化した現実世界も、ミクロのレベルで見るといつもの変わらない日常が続いている。そんな空気感を象徴しているようでした。でも確実に世>>続きを読む

ダンサー イン Paris(2022年製作の映画)

4.0

冒頭に主人公が怪我をするまでのシーンが鳥肌ものでした。オレンジと青のライディングが世界の境界や、人生における乖離を象徴しているよう。そこに一流のダンサーの臨場感ある生々しいダンスが重なります。息を呑む>>続きを読む

グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.0

ゲームの世界から現実のレースに挑むということで、大きな挫折を繰り返しながら奮闘していく話を期待していましたが、思っていたものとは違っていました。ゲームと実際の違いは技術的にはあまり語られません。クラッ>>続きを読む