ルシフ様さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ダークグラス(2021年製作の映画)

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ダリオ・アルジェントを観に、久々に天六までやってきました。嘘、パークスシネマです。まあおじいちゃんがボケ防止のために作ってる映画に、娘も渋々協力してるような代物でしたね。もはや推理ものの体裁さえなく、>>続きを読む

オオカミ狩り(2022年製作の映画)

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殴ったぐらいでこんなに出ないだろ、という流血度では『哭悲』に並ぶ案件。中盤の転換に命賭けてる割には、バイオレント度は最初から十分高かったので、サプライズが弱まった感あり。『魔女』『ソボク』に続くネタだ>>続きを読む

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

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ひさしぶりに記号的な脚本を引っ提げて、電波なおシャマくんが帰ってきたぞ! せっかく『ホエール』で「終末なんてない」とあんだけ言ってたのに、ハッピーサイエンスの如き終末論を垂れ流す! ぼくの妄想はすべて>>続きを読む

ザ・ホエール(2022年製作の映画)

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冒頭の自慰シーンでもわかるのだが、こりゃあ全然いい話じゃなくて、自分で自分を傷つけずにはおれないのに、人生の最後にあれが欲しいこれも欲しい正直になろう……と、矛盾に満ちた己をさらけ出す、自分勝手かつ歪>>続きを読む

トリとロキタ(2022年製作の映画)

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ずっしりと重いことはわかっていたものの、細部まで削ぎ落とされ練り込まれた脚本と演出が、個人には決して全体像のつかめないこの世界の現実と手触りを描き出す。まして、何らこの国で資本を持たない移民の子供達の>>続きを読む

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

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ちょっと予告からは想像もつかんぐらい面白く、負け犬たちのワンスアゲインものとしても楽しめる。もちろん重厚なファンタジーもいいんですが、冒険とクエストものでこういうテイストもありですね。デブのドラゴンな>>続きを読む

エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

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もうすでにネタ割れてるとこからのスタートなので、一瞬はやった「金田一の犯人側視点」のようなハラハラ感があり、悲哀も抱えたエスターちゃんの深みが出ておった。ダブルの子供の後ろ姿とイザベル・ファーマンの顔>>続きを読む

マッシブ・タレント(2022年製作の映画)

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結構色んなニコケイ映画を拾っていて、ファンであればあるほど楽しめる感じ。しかし、俳優として落ち目で、娘には見放され……という現実周りの設定が全然シビアじゃなくて、充分恵まれてますやん……という辺り、緩>>続きを読む

俺のムスコ(2012年製作の映画)

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アダム・サンドラーとアンディ・サムバーグが親子役、ということで、演技も結構寄せてるし、説得力のあるキャストだ! この監督はこの後も親子ネタにこだわり続けていて面白い。スーザン・サランドンにもうちょい活>>続きを読む

The Son/息子(2022年製作の映画)

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ヒュー・ジャックマンはオーストラリア出身だが、よくアメリカの何でもできると思い込んでる父・男の像を背負わされているな。今回もこの正常性バイアスが怖くて、ダメかも、いややっぱダメじゃない!を行き来する葛>>続きを読む

深夜のドッジボール(2022年製作の映画)

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香港映画でありがちな、序盤にいい加減で適当なことをやってる口だけキャラなイーキン・チェンが最高ですね。こういうキャラが自分の原風景としてあるのだなあ……と再確認。香港ではマイナースポーツなドッジを題材>>続きを読む

香港ファミリー(2022年製作の映画)

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離散寸前の家族を題材にした映画で、これも監督の第一作ながら決め決めの構図などあり、上手い印象。八年前の大喧嘩を一つの沸点とし、そこから在り方を変えてしまったそれぞれの行く末を描く。こりゃもう無理だろ、>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

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うーむ、オレは割と面白かったが、チープさもあり、目まぐるしさでそれをごまかしてる感もあり、あまり人には勧めないな……。キャスト陣への演出や、台詞回し、画面作り、すべて旧作と同じ手癖を感じて、気持ち良さ>>続きを読む

黒の教育(2022年製作の映画)

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序盤はパッとしないかと思ったが、終盤『ザ・メニュー』になってから、グッと面白くなった。やはり因果の話はしっくり来る。
舞台挨拶に来た主演の人が超イケメンでした。

復讐の記憶(2022年製作の映画)

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『手紙は憶えている』リメイクという話だったが、おじいちゃん、だいたい憶えてて確信犯やんという辺り、まあ全然違う内容でありました。韓国へ翻案ということで、ナチスじゃなく大日本帝国の話。「憲法を改正し、ど>>続きを読む

本日公休(2023年製作の映画)

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マジな話になりきらず、ほんわかと暖かくて緩い台湾映画で、これは良かった。緩い一方でちょっと目をみはるような演技やカットもあり、映画が上手いな、という印象。地味な良作が多い今年の象徴的な一本かもしれない>>続きを読む

シャザム!~神々の怒り〜(2023年製作の映画)

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都市破壊がかなりスケール感あって、近年のDC映画では映像に迫力があった部類ではないか。子役描写の方も結構楽しい。制作にまつわるゴタゴタのせいで、サプライズをやればやるほど虚しくなってしまうのがもったい>>続きを読む

白日青春 生きてこそ(2022年製作の映画)

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アンソニー・ウォンVS難民、ということで、『淪落の人』にも通じる内容。香港における難民と制度の問題を真面目に描き、その中で相変わらず息子と分かり合えないアンソニー・ウォンが代償行為を追い求める……。>>続きを読む

流水落花(2022年製作の映画)

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香港の里親制度を題材にしているのだが、これは報酬を受け取って引取先が決まるまでの一時的な預かりをする、という仕事であり、その里子の中から誰かを選んで養子特別縁組をすることはできない……というものである>>続きを読む

四十四にして死屍死す(2023年製作の映画)

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あっ、イップ・マンに怒られた人だ! ウォン・ユーナムさんはよくアジアン映画祭で見る俳優だが、今回は生で見られて良かった。
退屈こそしないものの、場内がドッカンドッカンウケてる割には面白くなくて、思えば
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

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序盤、かなりごちゃごちゃと情報が多く、ギャグもいまいちハマってこないな、と思っていたが、広げられた風呂敷を畳む段階に入ると急激に面白くなる。役者陣も抑えたトーンから一気にテンションを上げてきて、さすが>>続きを読む

星くずの片隅で(2022年製作の映画)

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大阪アジアン映画祭2023、一本目。つ、つら〜! これがコロナ禍の香港の貧民だ!ということをつきつけ、善意は裏目に出て何にもいいことがない! だけど、オレたち塵の一粒には塵の生き方、助け合いがあるんや>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

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ガキの頃からオレの映画にはみんなが拍手喝采。撮影にもすぐ四十人集まるぜ。オレがカメラを持てば、誰もが感動の涙を流すぜ……! デヴィッド・リンチは昔から「わけわかんないもん撮るんじゃねえよ!」と言われて>>続きを読む

映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)(2023年製作の映画)

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ユートピアということはつまりディストピアなんやで、と、やや意地悪に思ってたら、ほんとにそういう話であった。手堅い伏線回収と重めのテーマ、泣かせもきっちり入れてて面白い。ただまあ、ジャイアンの暴力は個性>>続きを読む

マジック・マイク ラストダンス(2023年製作の映画)

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この世界には現実があり、法律があり、どうしようもないしがらみがある。だが、全てを投げ打ってでも得られる「魔法」もまた、確かに存在するのだ、ということを高らかに歌い上げる完結編。撮影、編集、全てにおいて>>続きを読む

アラビアンナイト 三千年の願い(2022年製作の映画)

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おおっと、とんち話かと思いきや、こんなロマンチックになりますか……という古典の翻案の構図は『グリーンナイト』にも似た感じ。物語と科学を対比し、どちらにもアクセスする人間の不安定さをジンを通して浮き彫り>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

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汚い『タイタニック』みたいな、これまた船上と底一枚下の格差の話。時化て斜めに立ってるパーティに爆笑し、ついうっかりやらかしてしまいそうな会計問題における男女の会話にハラハラ。『フレンチアルプス』以来の>>続きを読む

ウルトラマンデッカー最終章 旅立ちの彼方へ…(2023年製作の映画)

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一応、テレビは全部見たし、子連れで鑑賞。後日譚ということもあるが、見せ場がテレビ版と同じことしか起きないので、あまり面白くなかったな。ダイナがあちこちでウルトラマンの力をばら撒いている設定的なところが>>続きを読む

アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

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いや……結構寝てしまったわ。カーンがいかに恐ろしいか、は伝わるのだが、やっぱりよくわからんCGでぼんやりしたビジュアルを見せられた量子世界の革命ごっこのつまらなさが異常。ストーリーはアントマンの人柄の>>続きを読む

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

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カニバリズムを美しくセクシャルなものとして撮っちゃうセンスは正直古いし、80年代後半のLGBTQとして隠喩しちゃうのもなんだかなあ、と言う感じ。展開も強引なところが目につく。
が、映像の素晴らしさ、キ
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仮面ライダーセイバー 深罪の三重奏(2022年製作の映画)

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劇場ではスルーしたので、WOWOWで鑑賞。甥ぞうはセイバーが好きなので……。犬が死ぬところではちょっと悲しかったようで、最後にもう一回出てきて欲しかったらしい。
このVシネシリーズはちょっと大人向けに
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別れる決心(2022年製作の映画)

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刑事と被疑者、決して交わらない二人……。もっと悪女ものかつすれ違いな内容かと思いきや、かなり相思相愛の話で、それゆえに立場の違いが大きな壁となっていく。『渇き』に似つつもよりアーティスティックに撮影、>>続きを読む

ベネデッタ(2021年製作の映画)

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びっくりするぐらい痛快かつ風格溢れる映画で、ラストも実に清々しい。徒手空拳で宗教社会に立ち向かう、超ハッタリ女の格好良さが最高! イエス様夢女子ぶり、微妙にクオリティ低いキリストの声色、全てが面白い。>>続きを読む

呪呪呪/死者をあやつるもの(2020年製作の映画)

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テレビドラマの続編ということだが、まあタイプキャストだし、見てなくてもだいたいわかる気がする。このジャーナリストと刑事の夫婦は、ドラマでは最初喧嘩ばかりしとって、でもお互い実は気になっててやがて恋に落>>続きを読む

ヴォイジャー(2021年製作の映画)

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ありきたりだが、世界中のそこらで繰り返されているお話が、閉鎖空間という縮図でまた……という話。悪くはないが、展開がいちいち弱いかな……。若手の期待のキャストが揃ってるのは良いですね。

崖上のスパイ(2021年製作の映画)

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前作『ワン・セカンド』組もちょいちょい顔を出している、チャン・イーモウの新作。衣装の統一感のせいで誰が誰かわかりにくく、登場人物ほとんどがある種の演技をしているせいで、どちら側勢力のための行動をしてい>>続きを読む