C太郎さんの映画レビュー・感想・評価 - 15ページ目

アクト・オブ・キリング(2012年製作の映画)

3.8

"虐殺の裏にある悪の本質"

想像を絶する悪行を行った虐殺部隊の民兵はいまでもインドネシアで
英雄として暮らしている。

しかし、本当に彼らはそのような虐殺をしたかったのか。
彼らは時の権力により力を
>>続きを読む

籠の中の乙女(2009年製作の映画)

3.7

"父の異常な愛情と犬と猫"

ヨルゴス・ランティモスらしいブラックジョークで
ユーモアに溢れていたが本作は他の彼の作品よりリアルを感じた。

いわゆる箱入り娘の究極系、現実にはアメリカのキリスト教福音
>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

3.9

"1969年にハリウッドで起きた悲劇へのレクイエム"

誰もが知る1969年8月9日に起きたシャロン・テート事件に
向かってなんでもない日常を過ごしていたハリウッドの人々を描いている。

悲劇に向かっ
>>続きを読む

世界にひとつのプレイブック(2012年製作の映画)

3.8

"毒をもって毒を制す"

登場人物全員ヤバイ
ヤバイやつが集まれば自分を客観的にみることできて
冷静になれるという究極の荒療治は成功するか。

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

3.8

"傲慢さがもたらす悲劇と喜劇"

ほぼワンカットにみえる撮影方法でその映像を観るだけでも驚く。
主人公が過去の栄光にしがみつき、自己満足を追求した結果
全てが失われていく。

現実と虚構が混じり合う世
>>続きを読む

ザカリーに捧ぐ(2008年製作の映画)

3.8


"考えられる最悪の結末とその後の希望"

実際にこんなことが起きてしまうとは、なかなか信じられない。
そして最悪の結末が起きる前に何度も止められる場面がありながら、
全てが悪い方向に向かってしまった
>>続きを読む

マジカル・ガール(2014年製作の映画)

3.8

"パズルのワンピースはどこにあるのか"

白血病の娘のために、倫理を投げ捨てた父の暴走により
全てが崩壊してしまう。

父親は娘に対してどのように愛情表現すれば良いかわからず、
直接愛を伝えることがで
>>続きを読む

灼熱の魂(2010年製作の映画)

3.9


言葉が出なくなるようなラストは衝撃。

自分のルーツがどうあれ、どのように生きるかその行動が人の価値になる。

報復に正義はなく、どれほど苦しくてもその連鎖は自分が止めなければならない。新たな報復を
>>続きを読む

モールス(2010年製作の映画)

3.5

"愛するもののために倫理を捨てるか"

ホラー映画だが主人公の少年とその隣に引っ越してきた少女の切ない青春物語になっている。

最後の二人の決断は究極の愛の形

悪魔を見た(2010年製作の映画)

3.7

とんでもないバイオレンス

イ・ビョンホンを怒らせたらやばい!

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

3.8


男だったらみんな恐怖を感じざるを得ない作品。
最終的には男は女性には勝てないので敗北宣言をして幸せになろう。

監督のポール・トーマス・アンダーソンの実体験と様々な映画からインスパイアを受けた完成度
>>続きを読む

ドライヴ(2011年製作の映画)

3.8


ライアン・ゴズリングの寡黙な演技に圧倒される。
そして終盤の内に秘めた悲しさと残酷さを爆発させる演技にさらに驚愕

バイオレンスとドライヴと絶妙なラブロマンスの融合は必見。

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

3.9


"それでも生きていく、命ある限り"

戦争を題材にしている作品として、戦争に対して悲しみや怒りを感じることは避けられないが、すずやその周囲の人たちのユーモアあふれる描き方により戦争中の日常がどのよう
>>続きを読む

サンセット大通り(1950年製作の映画)

3.9

秀逸な脚本でその後多くの作品が影響を受けている。
この作品のオープニング5分だけでも見る価値はある。
また当時のハリウッドの汚い部分を良く表している記録的な映画。

執事のマックスがなぜノーマに忠誠を
>>続きを読む

ウインド・リバー(2017年製作の映画)

3.9

雪山版の西部劇

孤独なカウボーイのジェレミー・レナーが最上級にかっこいい。
FBIのエリザベス・オルセンは観客目線で事件が経過していくごとに
自分の無知と無力さを痛感していく演技が素晴らしい。

>>続きを読む

サスペリア(2018年製作の映画)

3.7

ホラー映画ではあるが、ユダヤ人迫害や戦後のドイツの歴史的な背景を基に物語が進行していくため事前に以下のような知識を入れておくとより楽しめる。

・1977年のドイツでおこった飛行機のハイジャック事件
>>続きを読む

天気の子(2019年製作の映画)

3.7


"何を犠牲にしても自分の愛するものを選択する"

晴れを導く仕事をすることで陽菜は帆高に生きる意味を与えられ、
帆高にとっては陽菜が生きる意味になった。
生きる上でこの目的を見つけられた二人はもう大
>>続きを読む

イット・フォローズ(2014年製作の映画)

3.7

"it"は誰にも近づいている。いつでも訪れる。
それを認識した時、どのように生きるか。

この作品の真の主人公はポールでもある。