daisuke6さんの映画レビュー・感想・評価

daisuke6

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フォロウィング(1998年製作の映画)

4.5

思考と時間を自在に操る彼の処女作!
長いフィルムを切り刻んで入れ替えるだけで、ここまで傑作になるとは。流石の一言。まるでジグゾーパズルのようで、あえて分かりやすいところは気づかせつつ、完成までは驚きと
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.1

ノーランは2回以上見な分からん!
DNAに刻まれた諦め知らずの武士道を降参させるには、形は違えど似たシナリオは必要だったのかも。敵をアメリカから戦争にすり替え、やり返さなかった結果が今の平和な日本を形
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お嬢さん(2016年製作の映画)

4.6

しかし韓国映画は傑作が多いな!
一つのストーリーを異なる眼を介して見る技法には、ノーベル映画賞を設立して授与させて欲しい。誰が良い者で、誰が悪者か。誰が切れ者で、誰が馬鹿か。読めない展開と官能的な美女
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スーパーバッド 童貞ウォーズ(2007年製作の映画)

4.4

全男子中高生に捧ぐ!
ときに現実は妄想より刺激的で、自分の脳の限界点を上回ったとき男が試される!若さ故の愚かさかと思いきや、しっかり大人もバカやってて終始笑いを堪えるのに必死だった!品という文字を辞書
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.0

思春期フルスイング映画!
ナイキやビックマックでは満足できないこだわりを周囲に押し付け投げ付け。誰にも認めて貰えない自分を、自分自身も認められなくなり自暴自棄に。何にでもタイミングが重要で、良き理解者
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.2

すっきりしない美学のフランス映画。
タイトルとあらすじで上げた期待を見事に溶かすフランスのいつものやり口。夫婦喧嘩は生々しく、妥協の重みが違うのに数で対抗されても…夫はタジタジよ。客観的証拠がどうして
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梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

4.7

痺れた、傑作のツボ見事に突かれた!
張り詰めた夜の宮廷と劇場が一体となり、全員でこの絶望を固唾を飲み見守った。どうするどうするの連続で八方塞がり。新鮮且つ完璧なワンテーマの中で、次から次に読めない展開
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白鍵と黒鍵の間に(2023年製作の映画)

3.3

銀座の夜をノンシャランと!
池松壮亮の一挙手一投足がピアニストとしてのそれなのか、しなやかで目を奪われる。ジャケットを脱いだり、羽織ったり。煙草を付けたり、消したり。サングラスをかけたり、下げたり。泣
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.5

熱すぎて熱すぎて、ブルーだった!
曲は詩が重要だと常々思っていたが、五線譜に魂が乗れば心に響く。この言葉にしきれない感情を抱けることに、動物の中でも人に生まれて幸せだと思った。斜め斜めで考えがちなマジ
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ナポレオン(2023年製作の映画)

2.7

銀杏型帽子!サーベル!馬ウィリー!
ナポレオン・ボナパルトって名前がもうカリスマ!世界史の授業は全く思い出せなかったけど、奥さんとの主従関係が時々逆転しちゃうとこには興奮を覚えた。目つきの演技が素晴ら
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マリー・アントワネット(2006年製作の映画)

2.4

歴史上で1番髪の毛を盛った偉人!
パンがないなら、ケーキを食べればでお馴染みのマリーアントワネット。人の悩みは想像しにくいものだけど、中でも想像されるのが難しかった人だと思う。強い人こそ、周りには気づ
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.5

天才。史上最高に先の読めない映画!
こんなのボーじゃなくても恐れるって。1秒先は分からないとは言いつつも、現実はなんとなく1秒先くらいなら分かる。がこのお話ときたら読めないわ、理解させる気ないわで危険
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ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

3.6

灼熱の厨房、沸騰までの90分!
高級レストランの裏側で起きた一部始終をお店側のメンバーとして疑似体験できるかのようなワンショット。現場と支配人の対立はどの組織でもあることだけど、良き仲介者がいないと上
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Saltburn(2023年製作の映画)

4.6

何を見せられているのか?
ソルトバーンの彼等が産み出す個々の狂いと、イギリスに鎮座する価値観の狂い。互いの狂いの共鳴で踊り狂う男が一人。気持ち悪いという感情を抱え見てたはずが、いつの間にかこちらも狂わ
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.9

鳥には巣、クモには網、人間には友情。
そんな冒頭の詩から始まる西部開拓時代の物語。穏やかな未開の自然の中に見え隠れする資本と野心。現代とは何もかもが全く異なり、ドーナツで歓喜し牛乳で殺意が動く時代。た
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バッファロー’66(1998年製作の映画)

3.5

ラスト5分までは共感0!
どこで彼を好きになったの?アメフトそんなに大事?急なブチギレは遺伝?呼び方一つで縁を切る?もはや共感させまいとする芸術に思えてくる。総じて全員全然掴めない!そんな彼でも恋で世
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ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

4.4

軽快なテンポでヴィーガンを狩る!
Vパワーと叫んで肉屋を襲う、過激派ヴィーガン怖すぎる。ただ殺すんじゃなくて、美味しく頂いてる分罪は軽くなるのか?重くなるのか…?店主の葛藤を横目に、躊躇ないおかみさん
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ビューティフル・ライフ(2023年製作の映画)

3.7

歌上手すぎ、曲良すぎ!
しかし洋楽の和訳歌詞って、妙に素敵に思えてしまう。日本語だと何通りもある表現を、ど真ん中の単語で堂々と言い切れるからかもしれない。なんてことない駄作曲を書いても、一旦英訳してか
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レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

4.2

軽快な音楽に乗せた暴力と粋な小話!
暴力が楽しいものというタランティーノの発言には同意しかねるが、スーツの男達が血まみれになっていく姿は、不思議と興奮した。人間の遺伝子にはそんな狂気性が組み込まれてる
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ゼイリブ(1988年製作の映画)

4.4

世界は陰謀で溢れてるってハナシ!
サングラスかけると見えてくる秘密があるんだよね。分かりやすくて、壮大で、馬鹿馬鹿しくて面白い!いやに長いマッチョ同士の殴り合いも見応えあった!ディープステート、フリー
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.4

この人達じゃなきゃ成立しない映画。
タイムパフォーマンスを重視する現代と逆行する余裕綽々な尺!それを可能にするディカプリオとデニーロの画力!圧倒的な支配者と被支配の間で、揺れる自我と恋心。
ウイスキー
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ミッドナイト・エクスプレス(1978年製作の映画)

3.0

秋の夜長にゃ脱獄を!
重く暗い展開が続き何度も寝落ちして、幾つの夜を越えたのやら、、、
看守長の筋肉の上に脂肪をたっぷり蓄えた一番強い身体と、気味の悪い邪悪な笑顔が気持ち悪くて良い。
老囚人、獄内で小
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ザ・カンファレンス(2023年製作の映画)

3.3

サクッと見れる殺人鬼映画!
バリエーションに富んだ死に様で、どう殺すか考えてる舞台裏のカンファレンスも楽しそう!夜明けが近づくにつれて皆逞しくなっていくのが面白い。
アネットよ、そのまま歩き続けろ!

フォーカス(2015年製作の映画)

4.2

この2人になら騙されても儲けもん!
ノールックで交わされるスリのテクニックが華麗で見惚れる。いつかやろ!
久々に見たけど、この2人完璧すぎやしないか?完璧じゃないところも含めて、完璧だと思う。地味にベ
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スマイル(2022年製作の映画)

3.7

トラウマ級のスマイル!
キレイに上げ切った口角には似合わない、かっぴらいた目。笑顔における目の重要性ね!あとなんでもそうだけど、動きの素早いものは気味が悪い。Gも遅ければここまで忌み嫌われることはなか
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

4.0

不協和音が脳をつんざく!
文字通り不気味な効果音がで印象的に使われている一方、序盤の幸せな家族からは想像できない軋む音が。設定が自分と同じ一姫二太郎の4人家族だっただけに、仮に父親が選ぶとしたら誰なん
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.1

無償の愛はどうしても泣けちゃう。
主人公がしたことを羅列してくと同情の余地はないんだけど、娘を思う気持ちだけは嘘がなく、そこだけは嘘をつけない、つきたくないんだと思った。
結婚したら好きなものを好きな
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.2

センスを撮るんだよな、アンダーソン!
気味悪さすら覚えるシンメトリーやこの世には存在しない色彩の画角。可愛さと残酷さを共存させる台詞たち。隣の大学生カップルが「分からなかった」とボソリ…。まあ同意よ、
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TAR/ター(2022年製作の映画)

2.2

分からなかっTAR。
オーケストラの繊細な音の違いくらい難しく、正直1割も享受できなかった。カットや表情に謎は迷宮入り。
うたた寝差し引いても多分3割くらいかな。キレのいい指揮者、空手の演舞でいいとこ
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MEG ザ・モンスターズ2(2023年製作の映画)

4.4

デカい!捕食者の頂点メグ!
近代科学をガブリガブリと喰らい尽くしていくシルエットは最早アート!
最後はトカゲにタコに大乱闘!落ちそうで反撃したメガロドンも流石!ただ今回もジョイソン・ステイサムの優勝!
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ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)

4.1

素敵すぎる夜の後日談。
9年経っても、阿吽の呼吸で織りなす粋な会話。議題はあの頃よりビターになり、哀愁漂う横顔が似合うようになった。パリの街並みのカットも最高。
本当に9年後に撮るリチャードのこだわり
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ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

4.7

これか、、、これがデートか!
会話の中でお互いを知るという、ごく当たり前の行為の素晴らしさよ!
ウィーンの街並みを、変化球を織り交ぜた会話のキャッチボールをしながら練り歩く二人。キュートなやりとりなの
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そばかす(2022年製作の映画)

4.2

広くなったようで、実は狭い。
多様性という便利な言葉でまとめて分かったような世界の隣で、生きづらい個人の状況は今日も変化なし。身近な人でなくても、同じ感情の人がどっかにいるってだけで救われる気がする。
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エゴイスト(2023年製作の映画)

2.5

可視化レベルの亮平の色気!
他者に与えることで、自分が満ちていく。うん、逆説的だが納得できる。愛と書いてエゴと読む方程式。自分への見返りを求めず、愛を与え続けられる人は切なくも美しい。
見返らない美人
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アラビアンナイト 三千年の願い(2022年製作の映画)

3.6

センス一本釣り!
色合いとか台詞回しとか、見ていてずっと心地良い。これを創り出せるのがセンスだと思う。
孤独を埋める代替品ではなく、本当に会いたいと思える人たちに巡り合えることは無上の喜びなんだな、魔
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.3

実話に基づくって便利な言葉。
聖痕という言葉があるのは、科学で説明できない何かがあったのか。
人狼ゲーム宜しく、修道院という舞台でキリストに成りきる大胆且つ狡猾な作戦はお見事。だったのか?種明かしはな
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