藤見実さんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

最後の人(1924年製作の映画)

4.7

ハッピーエンドバージョンを鑑賞
ロメールの獅子座はこれが元ネタだったのか。奥さんに叫ばれるホラー展開や効果抜群な映像群も面白いのだが、どちらかといえば冒頭の垂直に降りるカメラと「ばふりばふり」で本当に
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ディナー・イン・アメリカ(2020年製作の映画)

3.8

オープニングクレジットのテンポにめちゃくちゃ不安を覚えたが、この速度とフィックス具合に案外酔ってしまう(この停滞したフィックスってなかなかないかも)。

パンク世直し物語のプロトタイプ的なので、色々P
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ハイヒール(1991年製作の映画)

4.4

初アルモドバル。目に溜まっている涙をこんなにずっととり続けることある? 女装の男と判事の男が最高。どうせ見栄えだけの映画だろうと思っていたが、案外好きかも。

壮烈第七騎兵隊(1941年製作の映画)

4.5

南北戦争で異例の出世を偶然と無謀さによって遂げてしまったカスターが、リンカーン砦からブラックヒルズに入って全滅すはまでを130分と少しで捌く。ウォルシュのイメージからカスターの異常さが誇張されるのかと>>続きを読む

素晴らしき、きのこの世界(2019年製作の映画)

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キノコ、ペンタゴン、キノコ。アメリカのあらゆる思想潮流を一手に受け止めるキノコ。キノコは国防に必要だし、キノコは帝国主義を汎〇〇主義に置き換えるカサ。みなくても評判になれば言えそうなことだが、あまり誰>>続きを読む

カルメン故郷に帰る(1951年製作の映画)

3.0

やっぱ木下恵介は苦手…なんでここまでシニカルになれるのか。異性愛批判と言えばそうかもしれないが、それ以上にそもそも向き合うものを撮るのを避けているのでは?

総カラーのエポックメイキングな作品が、田舎
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ひばりの お嬢さん社長(1953年製作の映画)

4.0

美空ひばりアイドル映画かつ浅草下町群像劇。お菓子会社の社長に若くしてつくことになった歌劇好き金持ちお嬢さん=美空ひばりが、歌と踊りで会社を立て直しつつ不正を暴く爽快で人情味あふれるコメディ。美空ひばり>>続きを読む

レミニセンス(2021年製作の映画)

3.8

フィルムノワールを近未来SF(とはいえ「過去」を懐かしむ近未来SF)に置き換えてお金めっちゃかけて作った2021年の映画、しかも長編監督デビュー、という点で心底擁護したい。他人の記憶から過去の恋人の真>>続きを読む

暴行魔真珠責め(1979年製作の映画)

3.6

脚本はバリバリにいつもの西岡琢也、井筒のクレジットは和夫。カットが初期森田芳光っぽいが、『ガキ帝国』っぽい気だるさも兼ね備えていてどうみていいのか謎。歌。

#ヤクザの男が死ぬのを見て興奮する女シリー
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宇宙からのメッセージ MESSAGE from SPACE(1978年製作の映画)

2.5

東映の全部=ヤクザもの×特撮×仮面ライダー=まあまあなカルト映画。深作はこんなものよく撮ったな…

宇宙遊泳で捕まえようとする放射能のゴミ=宇宙ホタルは、捕まえるとやけ死んでシミになって消えていく。他
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ミッション:インポッシブル(1996年製作の映画)

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このテープは5秒後に消滅します。

めちゃくちゃ久しぶりに観たが何も覚えてなかった。

朗かに歩め(1930年製作の映画)

3.6

清水宏脚本小津安二郎監督
不良モガモボのオンパレードに、毅然とした態度は取るが和服のタイピスト職業夫人(病気の妹と老いた母という家族構成)が現れ、兄貴分(山田稔)が恋をして足を洗う。コメディ的で、悲壮
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ペイルライダー(1985年製作の映画)

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亡霊のくせにひとんちに入って女を全員食うなって…

大学は出たけれど(1929年製作の映画)

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昔見た時は小津の映画としか思っていなかったから再見。清水宏脚本。『大学の若旦那』よりこっちが先なのか。

オールド(2021年製作の映画)

4.4

ワーワー言ってらあと受け止めるしかないどうしようもなく整合性の取れてない謎ドヤ顔脚本なのだが、そうやってお膳立てされたのにもかかわらずガエルガルシアベルナルとヴィッキークリープスの浜辺のシーンに説得力>>続きを読む

ナッシュビル(1975年製作の映画)

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やってることはワイズマンに似ているような気もする。群像劇(劇にもなってない)をやることでナッシュビルを特異で凡庸なアメリカとして描きだしているわけだが、いかんせん長くて眠い。アイロニーはあるけど、わか>>続きを読む

大学の若旦那(1933年製作の映画)

4.7

若旦那シリーズの元ネタらしい、清水宏のサイレント・青春悲嘆コメディ。一方でラグビーチームの階級差や男社会での階級差が若旦那の鷹揚さによって包み隠され周りは哀しみを抑圧される。他方で跡取りとしてスポーツ>>続きを読む

追跡(1947年製作の映画)

4.3

まるでフィルムノワール。父親のせいで生涯居所のない男の、周囲が向けてくる敵意の不可解さをある種の運命として受け入れながら、正当防衛で好きな女の兄貴や恋人を撃ちまくる姿→ミッチャム以外はありえない配役。>>続きを読む

棒の哀しみ(1994年製作の映画)

4.5

棒のように生きて棒のように死ぬ。神代の中ではひねり抜きに好き。ムショで身についた独り言をずっと言い続けるモノローグ、刺された跡は帰って自分で縫う。電気屋の課長さんと言われてしまうようなたたづまい。奥田>>続きを読む

ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択(2016年製作の映画)

3.7

馬シーンのレンズフレア! 

始まった時に嫌な予感がしたが…単に終わりが見えず怠い。最後1/3を引き伸ばして80分やる、これでどうでしょうか…まあ私がローラダーン好きじゃない可能性はある

神戸国際ギャング(1975年製作の映画)

4.3

廃ビルに始まり廃ビルに終わる。実録モノヤクザ抗争。三国連の親分を殺すときについでにその場にいた酒屋が殺されるわけなのだが、本作でもっとも圧巻なのはそこでは? なんども立ち上がりたおれ立ち上がり倒れる酒>>続きを読む

リオ・ブラボー(1959年製作の映画)

4.0

上手いのはこちらに決まってるのだが、それでも『真昼の決闘』の方を擁護したくなる、かもしれない。

・2階から血が滴り敵の居場所がわかり発報、ななめに貫くそれ
・ウェインは何度もごろごろ転がる
・アル中
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夢見通りの人々(1989年製作の映画)

4.5

森崎東が撮影所のシステムを残存として描く(タバコ屋を破壊してもいつか帰ってくるかもしれない「燕の巣」は残る)群像劇。
中野重治の詩が脇に追いやられて終わるラスト、群像劇のハッピーエンドとしてあまりに正
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美味しんぼ(1996年製作の映画)

4.7

父三國の籠を持って豆を売りに行く佐藤、それを陰から追いかける三國にまず泣くし、煮豆を掬うショットでヌッと差し出される三國の手の画面いっぱいに小さいこと小さいことで号泣。あと煮豆光りすぎ。私のひいおじい>>続きを読む

ビリディアナ(1960年製作の映画)

3.4

わりとこちらの予想を覆す脚本にハラハラドキドキされることもない、実は割合緊密に構成されたカットつなぎによって下支えされている。

・へんないぬ
・ハレルヤ

釣りバカ日誌スペシャル(1994年製作の映画)

3.3

数話分とはいえきっと筋の通っていた脚本を見事にめちゃくちゃにしてしまった森崎東に乾杯。首がこんなに曲がってる映画ってミンリャン以外見たことないな

逃げ去る愛(2018年製作の映画)

3.1

溝口→増村→川島雄三→神代辰巳(?)×黒沢清、七分でやっちゃうんか。にしても別に面白くはない(だって殺す? で終わられても…つまんないわね)、確実にカメラは最高なのだが、いかんせん役者を撮るのに役者が>>続きを読む

直撃地獄拳 大逆転(1974年製作の映画)

3.8

カンフーは名前負けレベルでちょっとだけなんだけどそのちょっとが札束舞う中の大逆転で大サービス。

大体何かが始まるまでの時間が長くて石井輝男あんまり好きじゃないのだけど、これはまあまあ良いかも。ただ言
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