脱脂四駆郎さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密(2022年製作の映画)

3.5

キャスト変更は、前任者のキャラクター作りや印象を最大限踏襲するパターンと、新たなキャストの持ち味を最大限発揮して刷新するパターンの2つがあるのではないかと思う。

そういう観点では本作は後者だった。
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ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(2001年製作の映画)

3.5

変人一家の物語。
現実世界で考えると、絶対に距離を置きたいタイプの人々だが、自分に火の粉の及ばない安全圏から眺めるとなぜか愛らしい。
この絶妙なバランス感がウェス・アンダーソンらしさなのかも知れない。
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映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

3.0

ポンポさん曰く観客は90分以上の集中力が持たないそうだが、えらくマーケティング的な暴論だなあ、、と。
じゃあRRRはなぜ売れてるんだ。
ちなみに本作は90分だが、追加撮影のくだりで私の興味と集中力は切
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.0

2022年アカデミー賞は、てっきり「パワー・オブ・ザ・ドッグ」が取るものだと思っていたから、Coda受賞の報を聞いた時は正直意外だった。
Coda未鑑賞だったにも関わらず、パワー・オブ・ザ・ドッグが描
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ゴヤの名画と優しい泥棒(2020年製作の映画)

3.5

山田五郎さんがyoutubeで紹介しており鑑賞。
話のど真ん中にゴヤの作品があるが、作品自体やゴヤの作家性はほとんど語られず、作中におけるこの絵は「高価」と言う記号でしかない。
そういう意味では邦題に
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Mr.&Mrs. スミス(2005年製作の映画)

3.0

レビューを書く今は、鑑賞から2週間経っているのだが、びっくりするくらい記憶から消えている。
観てる最中は、勢いとビジュアルでそれなりに面白かったような気もするのだが、、はて?

結局のところ、描かれる
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サイコ(1960年製作の映画)

3.5

今でこそサイコって言葉は巷に溢れているが、その原点とも言えるような本作を観ずして、軽々しく口にして良いものだろうか。否!
と言う妙な使命感とモチベーションで鑑賞。

あの曲、あのシーン、そう、これこれ
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ベルファスト(2021年製作の映画)

3.0

あら?ROMA?と思っていたら案の定ケネス・ブラナー版ROMAと呼ばれていた様子。

暴力と社会分断を目の当たりにした多感な子ども時代を、軽快な音楽と映像で表現。
メッセージはうっすらと見えるような気
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ジョー・ブラックをよろしく(1998年製作の映画)

3.0

うーん、3時間か。
と敬遠してた本作をついに鑑賞。

おお、ご都合ファンタジーだったとは。。
この死神ほど純情だだ漏れの若者でもないし、かと言ってパパのように愛を語れるほど円熟もしてない自分にとっては
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ボビー・フィッシャーを探して(1993年製作の映画)

3.5

やはりギフテッド教育はさじ加減が難しい。
こどもの中に才能の種を見つけた時、親はその才能をどこまで伸ばしてあげるべきなのか。飽きっぽく目移りしやすいこどもを相手に、親はどこまで律するべきなのか。
その
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ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像(2018年製作の映画)

3.5

ヘルシンキの街並見たさで鑑賞。
フィンランドを舞台にした絵画を巡る映画。
と言うと若干取っ付きにくい印象を受けるが、家族スケールでもやもや進むストーリーやボソボソした会話劇、薄暗い画面など、邦画を観て
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ケープ・フィアー(1991年製作の映画)

3.5

頭のネジが飛んだロバート・デ・ニーロは、これまでも何度か観てきたが、本作のタイプは初めてだった気がする。
デニーロ扮するマックスは犯罪者だが、貶められた復讐者の側面もあり、そして悪人ではあるが狂人では
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ブロンクス物語/愛につつまれた街(1993年製作の映画)

3.0

ソニーはマフィアのボスである以上、シノギのために悪事を働いているはずだが、その辺りはほとんど語られない。
ちょっとしたトラブルで相手を射殺できるくらいの非情さを持ち合わせている反面、C個人への愛情と面
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レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

2.5

タイトルに惹かれ、雨降るニューヨークの街並み観たさで鑑賞。結果としては、街並み描写は期待ほどではなく、ニューヨークである必然性もあるようなないような恋愛すれ違い物語を延々見せられた。

まあ、自分は恋
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モービウス(2022年製作の映画)

3.0

評判イマイチなので、破綻でもしてるのかな?とある意味期待して鑑賞したが、結果としては薄味ながらも王道作品。
同じ力を待つ主人公と敵、と言うMARVELらしい対立構造。

本作はMCUではないが、多様性
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.5

モノクロかってくらい彩度が低く陰鬱な画作り、シニカルを通り越して生気を失いかけてるバットマン、ファム・ファタールど真ん中のキャット。
まさに[THE]BATMANだが、映画としては期待や想像の範疇に真
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手紙は憶えている(2015年製作の映画)

3.5

「家に帰ろう」からホロコースト繋がりで何となく鑑賞。老人の「心温まらない」ロードムービーは初めてだったかも知れない。
ホロコーストで負った傷に起因する旅路という意味では、一見すると「家に帰ろう」と似た
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スピード(1994年製作の映画)

3.0

公開当時ぶりの再鑑賞。
スピード&爆発、あとはG-Shockくらいしか記憶には残っていなかったが、今改めて観るとデニス・ホッパーがいい。
彼の怪演によって、単なる脳筋アクション映画ではなくスリラーの側
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家へ帰ろう(2017年製作の映画)

4.0

戦時中に残した「しこり」を解消すべく、余命を意識した老人が人知れず旅路(家路)につく物語。
目を背けていた過去に向かう、と言う点においてはストレイト・ストーリーにも似ているが、本作における「しこり」は
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コロンバス(2017年製作の映画)

3.5

建築物鑑賞のつもりだったが、想像してたよりストーリーに引き込まれて得した気持ち。
息子と父親、娘と母親。
それぞれの拒絶や依存関係が、名建築溢れるコロンバスで、徐々に変化してゆく様を見ているのが心地よ
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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

3.0

MCUの持続可能性をさぐり、新たな世界観や表現手法に挑戦している苦労が伺える豪華B級ホラー映画。

が、肝心のマルチバースは、やや期待外れ。
わかりやすさに重点を置いたためか、想像を超えるような演出は
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オールド(2021年製作の映画)

3.0

楽しんでいたはずの海の開放感が、逃れられない閉塞感に反転する瞬間が最も恐ろしく、同時に面白い。
これはザ・ビーチを観たときにも同じ事を思った。

テンポは良いのだが、基本的に1アイデア(老化)✕1シチ
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モンスターハンター(2019年製作の映画)

2.5

これはだめだ。まったくだめ。ダメ。
ただのB級怪獣パニック映画。
モンハンの良さは、巨大生物が組み込まれたトンデモ生態系とその地に暮らす人々の奇妙な生活感、その絶妙な塩梅だ。
この映画は「モンハンらし
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ミスター・ガラス(2019年製作の映画)

3.0

SCU(シャマラン・シネマティック・ユニバース?)第3弾にして最終章。19年の時を経て、ついに超常の3人がアッセンブル。
「自分を信じる事」こそ「力の源」であり、その大切さを訴え続ける本作。
振り返る
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スプリット(2017年製作の映画)

3.5

SCU(シャマラン・シネマティック・ユニバース?)第2弾。
と言いつつ、実は同一世界でしたー、言ってるだけでアンブレイカブルとストーリーは直結していない。
雰囲気も前作とは異なりシチュエーションスリラ
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アンブレイカブル(2000年製作の映画)

3.5

本作時点で、世界を拡げる意図がどれだけあったのかはわからないが、とにもかくにもSCU(シャマラン・シネマティック・ユニバース?)第1弾。

力を持つ者は弱きを助けるべし、と言うアメリカ的なヒーロー思想
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行き止まりの世界に生まれて(2018年製作の映画)

4.0

貧困、DVそして人種など、自力で抜け出すことが難しい「行き止まりの世界」に生まれたこども達が大人になっていく12年間。
彼らにとってスケボーはただの遊びではなく、世界へのささやかな抵抗と、自由への渇望
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リベンジ・マッチ(2013年製作の映画)

3.5

今宵!
指折り数え待ちわびたこの日が、ついにやって参りました!
ロッキーシリーズ、そしてレイジング・ブルを完走した人だけが手にするプレミアムチケット!
誰もが思い描いた世紀のボクサー共演、後期高齢者級
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レイジング・ブル(1980年製作の映画)

3.5

昨今、多様性の文脈の中で「有害な男らしさ」と言うテーマがあちこち飛び交っているが、それを1980年に描いたマーティン・スコセッシ。さすがの先見性。

作中の時代背景を差し引いたとしても、このジェイク・
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