脱脂四駆郎

レイジング・ブルの脱脂四駆郎のレビュー・感想・評価

レイジング・ブル(1980年製作の映画)
3.5
昨今、多様性の文脈の中で「有害な男らしさ」と言うテーマがあちこち飛び交っているが、それを1980年に描いたマーティン・スコセッシ。さすがの先見性。

作中の時代背景を差し引いたとしても、このジェイク・ラモッタは有害極まりない。
短気、暴力、束縛、嫉妬、だめな男らしさ満載で、同性から見てもまったく好感を持てないのだが、、、その一方でこの有害性がロッキー(物語)とはまた異なる生々しい人間らしさとなり、彼の晩年の姿と合わせて物語に深みを与えている。