vanillaさんの映画レビュー・感想・評価

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ナポレオン(2023年製作の映画)

4.0

この時代の欧州、ひたすら華美!虚栄!不衛生!
日本版のパッケージにある『英雄か、悪魔か』みたいな感じではなかった。
運と流れとタイミングで出世してしまった女に立ててもらわないと立てない癇癪持ちで所有欲
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.2

長尺だけどひとつひとつの場面のカロリーが高いので、『無駄に長い』という感じではない。とはいえさすがに年をとると話が長くなるんやな…とは思ってる。

ジェシー・プレモンスが演じているFBIのトム・ホワイ
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ファンシー・ダンス(2023年製作の映画)

3.7

なぜ先住民が生き辛い思いをしないといけないんだという怒りと、この先日本もこんな風に少数民族になっていくのかなという悲しみ

テトリス(2023年製作の映画)

3.8

崩壊寸前のソ連、共産主義を侵食する民主主義と、テトリスの権利を巡る悲喜交々。概ね事実なのだろうけど、最後のドキドキカーチェイスのような演出は本人が見るとどんな気持ちになるのかな…
時折挟まれるタロンく
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それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン(2024年製作の映画)

4.0

突如としてアンパンマンのいない異世界に転生してしまったバイキンマン。そこではバイキンマンをも凌ぐヴィランが暴れ回り、民は飢えに苦しんでいた。
聞けば、バイキンマンはそこでは伝説の正義の戦士であるという
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Summer of 85(2020年製作の映画)

3.9

何を考えているのか自分でもわからず、口で説明しろと言われても難しいとき、書き出すことは自分の心を救ってくれる。物語の登場人物は時として、作者も意図していなかったようなことを考えていることがあるから。>>続きを読む

冬の旅(1985年製作の映画)

3.8

『もう何もがんばりたくない』みたいな時ってない?
冬に放浪の旅をしている時点で緩慢な自殺にも見えるのだけど、主人公の主張はとにかく楽して”生きたい”。元からものぐさだったのかというと、大学を出て働いて
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アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド(2021年製作の映画)

3.7

価値は相対的なものだけど本人にとってだけは絶対で、今まで積み上げてきた自分の中にだけ宿るもので、自分の痛みはどこまでいっても自分だけのものなのだから、ロボットに言語化されてなんだか薄っぺらくなったよう>>続きを読む

TELL ME hideと見た景色(2022年製作の映画)

3.3

肝心の今井翼のくどい御涙頂戴演技が鼻につくなとかずっと気まずそうな顔してんなとか、オカンやっぱ長男の方が可愛いん?次男不憫すぎん?とか、D.I.Eちゃんモヒカン黄色すぎん?とか立ててないときそんな感じ>>続きを読む

デリシュ!(2021年製作の映画)

3.6

18世紀、革命前夜のフランス。外食文化がなく、美味しいものを食べられるのは貴族だけだったらしい。やだな。宮廷を追放された料理人がレストラン文化を立ち上げる話。
庶民は命とその日食べるパンがあればラッキ
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トスカーナ(2022年製作の映画)

2.0

イタリア料理美味しい映画見たくて『イタリア料理 映画』で検索したらでてきたやつ。
料理は美味しそうなんだけど、料理よりロマンス色の方が強い
主人公はぐだぐだだし、女に至ってはお前のこと誰が好きなん!?
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

3.7

最悪や!!こっからひっくり返すの無理やろ!!って思ったのにひっくり返るもんやね。
90sのモスクワ〜ロシアの北端の寝台列車。雪国の生まれなので、夜の凍った雪道を見ると懐かしい気持ちになる。ロシアの猫は
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恋のいばら(2023年製作の映画)

2.5

二転三転がしつこすぎて、しつこい割に退屈。
いばら姫を絡めたかったんだろうけど無理矢理感。きっと玉城ティナを可愛く撮りたかっただけなのだろう。私はグリム童話好きなので、ポルノ出身のおっさんにこんな風に
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トスカーナの幸せレシピ(2018年製作の映画)

3.5

料理系映画が見たかったんだけど、思ったほど料理出てこなかったな。
イタリア人のよくやるハンドサインみたいなの好き。意味はよくわからんけど。

障害のある子が金さえあれば彼女できるって思い込んで、会釈し
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生きててごめんなさい(2023年製作の映画)

3.9

自分より劣る生き物手元に置いといたら安心できるみたいなことあるやろね。相手にも意思があって自分と違う考え方があって、自分より得意な分野があるって気付いてしまうともう無理やろね。一緒にいることで劣等感を>>続きを読む

ピンク・クラウド(2021年製作の映画)

3.2

突如致死性の高い雲が発生し、今いる建物から一歩も出られなくなってしまった世界。
とりあえずドローンが多少はなんとかしてくれそうではあるものの、登場人物の仕事やお金がどうなってるのか、配給されている謎の
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ザッツ・アモール!(2022年製作の映画)

3.6

カッとなって職を失って、早々に帰宅したら彼氏は浮気中、実家でダラダラしてたらオカンに料理教室に連れていかれ、そこでイケメンと出会うものの、いい感じになったところで元カレが会いに来ちゃって、イケメンの元>>続きを読む

CURED キュアード(2017年製作の映画)

4.0

アイルランド産ゾンビ映画。正確にはゾンビ後の世界なのでとても静か。
雰囲気的にはぼくのエリみたいな。ドンパチゾンビ映画を求める人には向かない。

ゾンビから回復できるようになったものの、ゾンビになって
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ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

3.5

沸点。
いろんな人をワンカットでトラッキングしていくのでとにかく慌ただしい。慌ただしくて臨場感がある。
ロンドン以前に英語圏だということにしばらく気付かなかった。主人公の訛りがきつすぎて何を言ってるの
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エキストラ・バージン 世界一のオリーブオイル(2018年製作の映画)

4.0

オリーブオイル過激派はバターを下に見てるということがわかった。

かつてオリーブオイルは熟した実から搾られていて発酵しやすいのがネックだった。早摘みしたらいいんじゃね?と言い出したところ「聖マリアの日
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みなに幸あれ(2023年製作の映画)

2.0

こういう話をしたいんだな、というのはなんとなく伝わるし、新世代Jホラー!と言いながらいろんな映画のパクリなのも別にいいんだけど、登場人物の行動全てに整合性が取れてないのは低予算とはいえ残念すぎる
主人
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ファイティング・ファミリー(2019年製作の映画)

4.0

プロレスを啓蒙したいドウェインジョンソンがカメオ出演してるのだけど『みんなの憧れのロック様』という立ち位置で、インスタライブの時みたいな喋り方なのでとてもいいです。
実話ファミリーいい話系あるあるでハ
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.5

西部劇の中心はいつも荒くれ者だけど、劇にならない片隅でこういうこともあっただろうな、というほっこりハラハラドラマ
荒くれ者と酒の代わりに菓子職人とバターとはちみつ。乾いたパンと水だけの世界にドーナツが
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PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~(2024年製作の映画)

3.3

eスポーツで全国目指す田舎の高校生。
スポ根要素はなく、地味な青春の一ページといった感じなのがよい。徳島の景色、微妙な関係の幼なじみ、それぞれに家庭環境に思うところある子供たち。

地味なのはいいんだ
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無垢の瞳(2022年製作の映画)

4.0

信心深い=エライ、真面目だと思ってる人間が厄介なのは無知と宗教の相性が良すぎるからで、無知だけなら時代背景や地域的に仕方ないこともあるのだけど、無知な上に自己中心的で支配的な人間が幅を利かせることが多>>続きを読む

野球部に花束を(2022年製作の映画)

3.6

部活動を語るときにジャイアントキリングは要らない。ほとんどの子供が何の結果も残せずに散っていく。それでも、何かに打ち込めるという若者の特権を美しいと思う。
主人公が明るくて素直なのがよい。話も早いし。
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トゥモロー・ウォー(2021年製作の映画)

3.0

全世界に徴兵と言いながら世界の中心はアメリカ、予算ないアピールしながらスクリーンにはためく星条旗、国籍も人種も超えてと言いながら主人公は白人・そしてモブに大量の黒人。当然のように全員英語話者。ここまで>>続きを読む

キャビン(2011年製作の映画)

3.5

怖かったらヤダな、と思いつつみんな「とりあえず一回見なよ」的なことを言ってくるので見た
斜め上のやつやった
町山智浩が大喜びで解説してそう

マグニフィセント・セブン(2016年製作の映画)

3.8

なんとなく見始めてからうわ西部劇苦手や、と思いつつ面白かったので結局見た。
20年くらい前に見てかなりうろ覚えだけど、七人の侍はやっぱりフォーマットが面白いんだなと
イーサンホークとクリプラ、絵的にも
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関心領域(2023年製作の映画)

3.4

社会派というかなんというか、メタ演出やら時折挟まるアート演出やら、アカデミー賞が好みそうなA24の音響という感じではあった
面白いかどうかで言うと面白くはない

序盤に聴き慣れていただく時間は用意され
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ロスバンド(2018年製作の映画)

3.9

ノルウェー南東の小さな村ヘドマルクからのロードムービー。
振って落とすがとてもわかりやすく短く纏まってるので進行上のそうはならんやろはあるものの、とても見易い。

暴走して迷惑をかけて、反抗して、傷つ
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ニューオーダー(2020年製作の映画)

3.2

新体制。ディストピアというよりは社会派なのだろうが、問題提起してるつもりなのだろうが、ミクロで見ただけでは誰も救われないので胸糞に終わる。革命とは。

プリズナーズ(2013年製作の映画)

3.8

オールバックの乱れてしまうジェイクは計算され尽くしてるのか自然とそうなってしまうのか知りませんがとてもいいのでおすすめです

なんでそこで悉く単独行動してしまうん…て思ってしまいますが、アメリカの田舎
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コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

4.0

密度濃いめのハラハラ2時間。
戦場、茶色すぎるので色彩の演出のために絨毯や謎の花、やたら色の綺麗な服を着た女性などが出てくるのはお約束なんだろうけど、なによりもジェイクの青すぎる目が大好きなのが伝わる
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ワン・デイ 23年のラブストーリー(2011年製作の映画)

3.3

若い頃に見て「それはともかくこの男好かんな」と思い、歳をとって改めて見たらまた違う感想になるかと思って見た
アンハサウェイは可愛い

ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

4.0

独自の信仰体系が根付いた信心深い国、米領サモア
多少盛られているものの概ね実話のスポ根。
ドキュメンタリーの方を先に見たんだけどあちらもかなりおすすめ。現実の彼らの後日談もあるので、ドキュメンタリーを
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