さーさーさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

さーさー

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麦秋(1951年製作の映画)

5.0

浜辺のシーンがすごすぎる。出ていくものと残るものを表す異空間を繋ぐ最小限の移動撮影の魔力

夜の女たち(1948年製作の映画)

4.6

敗戦後の瓦礫の中で生きる女たちの佇まいの強さと生々しさがすごい。衣装とタバコを奪いっこするシーンやラストのシーンがいい

早春(1956年製作の映画)

4.8

寝ている夫婦から始まるこの作品は床に伏せ続けた三浦に死の影があるように生きながらも死んだような喪失を感じ続ける夫婦を描く。不倫直後の淡島千景に妙に黒い影のようにひとりで眠る淡島千景は死んだように黒い。>>続きを読む

東京暮色(1957年製作の映画)

3.8

原節子も有馬稲子も暗い顔と声を漂わせ下を向いて内に閉じこもっている。

荒野の決闘(1946年製作の映画)

4.3

人がよく死ぬ陰鬱なシーンを影が多さと長テーブルによる奥行き感や店前の通路でみせる

香も高きケンタッキー(1925年製作の映画)

4.3

競馬の疾走感もいいが車の十字路での交通整理の場面も良かった。ドノヴァンがラスト馬に乗って街を歩くシーンは感動する。喧嘩の大立ち回りつつも服を整えておく丁寧なドノヴァン。

その夜の妻(1930年製作の映画)

4.3

冒頭の直立する柱の陰影の濃さがすき。時計やカメラワークを使ったカット繋ぎや手への注視は子供が父を求めるとき、刑事の指にある指輪や冒頭の拳銃と2丁拳銃への繋ぎとか細かく上手い。

小早川家の秋(1961年製作の映画)

5.0

冒頭から桶が大量に干されたり無人のカットの妙な影が死を感じさせる。扇子をふる仕草が同調するとき人々の心が通い、風がラストの煙へと繋がる?

長い灰色の線(1954年製作の映画)

4.2

シネスコで撮られる軍隊の乱れぬ動きは運動を流れとして描きつつ、役者のコミカルな芝居、モーリンオハラのキスのシーンのお茶目さとガウンを羽織る時の敏捷さに厚さがある。視線の演出が良かった

素晴らしき放浪者(1932年製作の映画)

5.0

家に外から野蛮さを持ち込むミシェルシモンはドアを木のように捕まり女を足で捕まえ、テーブルを草原に寝転がるように使い、床を水で水浸しにする。古本屋夫妻は救出とラスト以外は外からでないゆえの入り口から見え>>続きを読む

夕陽のガンマン(1965年製作の映画)

3.8

インディオが女を失ったものとしての喪失感を持ち続けるが、他のものは女の影を全く見せない対照的なキャラクター性はイーストウッドとクヒーフとは違った孤独感がある。銃撃戦や仲間に声をかけるショットが鋭くてい>>続きを読む

静かなる男(1952年製作の映画)

4.2

カラーの鮮やかすぎるモーリンオハラの青と赤の服装やそれを目立たせる黄色い光、緑の木々とそこに水と風が加わることでアメリカとは対照的なアイルランドを見ることができる。煙を蒸すシーンがめちゃくちゃいいのと>>続きを読む

草の上の昼食(1959年製作の映画)

4.5

すごい暴風後の静かな草や川の流れに落ち着く。ネネットの笑みとエティエンヌの真剣さが瑞々しい

パプリカ(2006年製作の映画)

4.6

キャラクター全員が形態を変化させていくアニメーション的身体を手に入れ、夢と現実や嘘や真実が融解していく様を生生しい感触のアニメ的な肉感としての身体を通して実現する

三人の名付親(1948年製作の映画)

4.8

砂漠を放浪する時の容赦ない風の強さは砂漠の表面に影の流れを作り、川の流れのような美しさを見せる。人が死んでいく時のショットの良さと馬車からのショットがいい。銀色のフィルム感が最高

座頭市喧嘩太鼓(1968年製作の映画)

4.0

藁を纏った市に笑った。橋と物が落ちたり立ち上がったりする

間違えられた男(1956年製作の映画)

4.7

逮捕から勾留までの主観ショットを駆使した演出による逮捕の不安感がカメラワークの絶妙さと共にヘンリーフォンダの表情によって決まっていた。全てが似ているだけで進み、ラストのキリストに似ている無実なヘンリー>>続きを読む

三つ数えろ(1946年製作の映画)

4.5

ラストの殴られるシーンのアクションの機敏さがいいのと銃撃シーンもスピード感があっていい。机にのる人々や女性が多い作品

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

4.4

虚像と対照的な生身の身体の強調によってリアルに見ている人間に迫ってくる。身体への執拗な接触

カリフォルニア・ドールズ(1981年製作の映画)

4.7

ラストの試合の妙な緊張感がめちゃくちゃいい。ピーターフォークのレスラーへの優しい目が好き

エストラパード街(1952年製作の映画)

4.2

冒頭の食事の慌ただしさから機敏に動く夫婦と変わりロベールはゆっくりと自然に夫人に言い寄ったり、ベッドメイキングから唐突に金をせびる辺りは気味が悪かった。ドアの同時開閉やアクション繋ぎはベッケル的であり>>続きを読む

殺しのベストセラー(1987年製作の映画)

3.6

ジェームズウッズの殺し屋の報復への執念と人間味がブライアンデネヒーの刑事の矜持と骨太さが出ていてキャラクターが飽きない。2人で向かうショットやアクションのキレの良さ