ゴロエさんの映画レビュー・感想・評価

ゴロエ

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カケラ(2009年製作の映画)

3.0

今期のゼミで学生が扱った映画④
(⑤は『ゆれる』で⑥は『手紙』だが、以前にレビューしてたので省略)

「レズビアン映画」に見えて「レズビアン映画」を超越する「人と人の繋がり」を描いた作品。

独特な映
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今日も嫌がらせ弁当(2018年製作の映画)

2.5

今期のゼミで学生が扱った映画③

今期も出ました、「お弁当映画」

「Z級映画」の名付け親でもある塚本監督だけに、なかなかに「臭い」演出が多く、学生にまで「今のいらね〜〜www」とダメ出しをくらってい
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日日是好日(2018年製作の映画)

4.0

今期のゼミで学生が扱った映画②

まず一言。
やっぱり樹木希林って本当にすごい女優でしたよね?

初心者の若い女性が「お茶を習熟していく」というごくシンプルなお話である。
だが、見始めたら止まらず、ど
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うみべの女の子(2021年製作の映画)

2.5

今期のゼミで学生が扱った映画①

浅野いにお原作の、ワールド全開の「中二病」映画。
いやはや、今の若者は学生も含めてこんなに成熟しているのか?(色んな意味で)

これをゼミとして扱うことには抵抗があっ
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独立機関銃隊未だ射撃中(1963年製作の映画)

4.0

これまたシネフィルの先生に薦められた1本

終戦直前の満洲戦線を舞台にした戦争映画だが、ほとんどの時間が「トーチカ」内の5人の日本兵の絡みのみで占められるという異色の作品。
それでも全く飽きさせず、ハ
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キクとイサム(1959年製作の映画)

4.0

知り合いのシネフィルの先生に紹介していただいた戦後黄金期の独立プロ映画。

こんな時代にいち早く人種問題を真正面から取り上げた作品があったなんて。
キネ旬でも2位に大差をつけての堂々の1位。

役者た
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マダムと女房(1931年製作の映画)

3.0

日本初の「完璧な」トーキー映画

典型的な「ミイラ取りがミイラになる」映画で、作家という設定が良かった。

それにしてもマダム役の伊達里子も女房役の田中絹代も20歳前後とは、昔の女優は凄いなぁ〜

明日は来らず(1937年製作の映画)

4.0

小津安二郎『東京物語』の元ネタで、これを見ると小津は一時的な現象としての「核家族化」をテーマにしたのではなく、もっと普遍的な「家族像」を達観して描いていたのだなと改めて感心する。

役者のセリフにして
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ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

3.9

「異文化コミュニケーション」の授業で観せようと思っている映画

「翻訳」が意味するものは外国語に限らない。
感情を言語化する時点で失われているものは多くあり、劇中でも様々な形での「ディスコミュニケーシ
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461個のおべんとう(2020年製作の映画)

3.0

これで最後
今期のゼミで学生が扱った映画⑦

昨年は自分が観たい映画が全く見れない1年だったが、今年は少しでも多くの映画を観たい...(特に洋画)🎞


本作は、息子のために高校3年間毎日お弁当を作っ
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何者(2016年製作の映画)

3.0

今期のゼミで学生が扱った映画⑥

ヒットメーカー、朝井リョウ原作
『桐島部活やめるってよ』もそうだが、朝井リョウは「何もない人」を描くのが上手い。

2016年にヒットした本作を、現在のコロナ禍での就
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きみはいい子(2014年製作の映画)

3.0

今期のゼミで学生が扱った映画⑤

原作は児童文学作家の中脇初枝
虐待される側だけでなく、虐待する側の心の問題にも触れた作品

「いい子」が脱構築されていき、「しつけ」と「虐待」の境界が曖昧になっていく
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星の子(2020年製作の映画)

3.3

今期のゼミで学生が扱った映画④

原作は芥川賞作家の今村夏子
新興宗教や宗教2世の問題を通して、「信じる」とは何かを我々に突き付ける作品

この世は多数派の世界であり、ニーチェではないが、神よりも人を
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さまよう刃(2009年製作の映画)

3.0

今期のゼミで学生が扱った映画③

これまた東野圭吾原作
殺人事件における少年法は必要なのか...

遺族の感情(刑罰)vs社会の教育(更生)
は一生議論が終わらない問題だけど、
やはり今の日本の司法制
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人魚の眠る家(2018年製作の映画)

3.0

今期のゼミで学生が扱った映画②

東野圭吾原作
人の死を決めるのは一体誰なのか...

脳死の問題は複雑で難しいが、国によってここまで制度が違うのには驚いた

殿、利息でござる!(2016年製作の映画)

3.5

今期のゼミで学生が扱った作品①

実話を元にした歴史学者磯田道史の原作の映画化作品

江戸時代の三貨制度は、同じ国なのに変動相場のようだったという分析はなかなか面白い💸

宿場町を巡るのは個人的に好き
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東京オリンピック(1965年製作の映画)

4.5

東京2020は特に盛り上がることもなく終わったが、東京1964の熱量はやはり凄かった。

そして、この映画は本当に凄い。

スポーツが身体的な活動であるという当たり前の事実に改めて気付かされ、現代スポ
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カランコエの花(2016年製作の映画)

3.5

ジェンダーの問題を扱う授業を唐突に担当することになり、慌てて素材にした映画だが、なかなか良かった。

LGBTへの理解の普及は本当に難しい

いまを生きる(1989年製作の映画)

4.0

尾崎豊の「卒業」ではないが、
いつの時代も若者は反抗する。

"死せる詩人の会"ってのが小粋だね

カルメン故郷に帰る(1951年製作の映画)

4.0

日本初の長編カラー映画

故郷に錦を飾りにきた天真爛漫なストリッパーのお話。

アメリカ化への若干の批判や差別用語が飛び交うあたりが戦後すぐって感じだが、松竹にしては攻めた映画な気がする。

笠智衆が
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くもとちゅうりっぷ(1943年製作の映画)

3.0

手塚治虫にも影響を与えた戦前の国産アニメ

クモの声が絶妙に怖い感じでなかなか面白い

姿三四郎(1943年製作の映画)

3.8

「世界のクロサワ」監督デビュー作

黒澤の映画はいつも同じ構造だ
・シンプルなストーリー
・人の「生き方」の変化を描くことへの執着
・力強いカメラワーク
これで面白くないわけがないのだ

大河内傳次郎
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イエスタデイ(2019年製作の映画)

4.0

誰もが1度は夢見るお話

エド・シーランとの対決でシンプルな"The Long And Winding Road"を歌ったのが示唆的だし、やっぱり名曲だった

何はともあれR.I.P.フィル・スペクタ
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トップガン(1986年製作の映画)

3.5

トム・クルーズの出世作

恋が突然、そして雑に始まる感じが『トゥルー・ロマンス』っぽいのだがトニー・スコット監督はそういうの描くの苦手なんかな笑

当時でもこの大迫力だから、今夏の『トップガンマーヴェ
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映画 えんとつ町のプペル(2020年製作の映画)

3.0

ロザリーナの歌が頭から離れない

スコップが藤森でしかない笑

雨月物語(1953年製作の映画)

4.0

「女性文学」という授業の映画編を担当して紹介した女性映画の傑作『雨月物語』

『羅生門』とは大違いの京マチ子
監督によって女優は変わる

上田秋成の原作のイラストと見比べると結構面白いですよ

母と暮せば(2015年製作の映画)

3.0

『父と暮せば』をまだ観ていないのに「長崎編」を先に観た

長崎と言えばキリスト教、と思いきや「成仏していない二宮」という、謎の仏教的価値観

なんだかんだ山田洋次観たことなかったんだが1発目がこれは流
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それでもボクはやってない(2007年製作の映画)

3.5

「やってないことの証明は、
やったことの証明より格段に難しい」

これは学問の世界でも真だな。
日本の司法制度の闇。

パヴァロッティ 太陽のテノール(2019年製作の映画)

3.8

オペラの巨匠、イタリアの国宝、
ルチアーノ・パヴァロッティのお話。

最後の「誰も寝てはならぬ」は圧巻
絶対映画館で観てほしい作品。

学部の頃に「フィガロの結婚」観て感動して、調子乗って「オペラ学」
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ロイドの福の神(1926年製作の映画)

3.8

チャップリン、キートンと並ぶ、三大喜劇王ハロルド・ロイドの無声映画を活動弁士付きで鑑賞

当時で考えるとマジで破格の制作費と大成功で流石はハリウッド

普通に声出して笑ったし、
最高級のコメディです。

図書館戦争(2013年製作の映画)

2.5

ゼミで鑑賞。図書館と検閲の歴史って調べてみるとなかなか面白い。

クラッシュ(2004年製作の映画)

3.5

racistがとっさに命を助けて、
non-racistがとっさに命を奪う皮肉。

人種差別は無意識のうちに起こってしまっているから意識的に避ける努力が必要

クラッシュだけじゃなく、シーンの変わり目
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アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

3.5

オカルトチックな世界観が良い
芸能山城組の音楽が怖すぎる

カツベン!(2019年製作の映画)

3.7

「映画のための映画」
活動弁士に想いを馳せて。
日本に無声時代はなかったのである。

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