「息子」との別れも、反乱を企て生き延びようと奮闘した囚人たちの命も、あまりにあっけない。ラストに少年を見て微笑むサウルに恐ろしいほどの悲壮を感じた。狂気とも言えるサウルの執着は、あまりに非人間的な環境>>続きを読む
時代が同性愛を許さない中で、二人とも理想と現実の折り合いをつけるのに不器用。若い頃はそれでも良かったけど、二人を取り巻く環境もどんどん変わっていく描写は身につまされる。二人が出会ったのと同じ年齢になっ>>続きを読む
全体の流れだけ切り取ってみれば、ただの胸くそ悪い勧善懲悪もの、と見えなくもない。が、映画の中で映画を撮るという試みのおかげで、外側の映画と内側の映画に真逆のバイアスが生じて鑑賞者の判断を混乱させるのが>>続きを読む
両親を失った孤児と国境から2000キロも離れたところにいるただの若者、EUの人権委員と国際赤十字のセンター長、途中からただの偽善くさい対比でなくなるのがすごいところ。気取った台詞や色彩を捨てているから>>続きを読む
ミステリーにカテゴライズされているが、この映画の醍醐味はとにかくテンポ良くウィットに富んだやりとりと東欧の美しい情景。3重構造の時間軸をそれぞれ語り・小説によって括ることで、まさしく小説を読み終えて本>>続きを読む
