グロさに身構えてたけど、意外にグロさより悲しさが胸にくる映画だった。男が変容していく過程の見せ方の細かさと嫌さが良い。人の姿を失っても垣間見える理性が切ない。でもその悲しさを真面目に語ろうとするほど、>>続きを読む
全体の印象としてはちょっとくどい…
でもヴァンパイアのような異様な空気を纏ったトビー・マグワイアがLAのやばい穴を紹介するとことか好き。
映画として良いシーンは沢山あると感じたけど、物語はあまりにストレートに展開していくので見ごたえのようなものはこれまでの作品ほどは感じられなかった。
血みどろのヴァイキングの生き様と、神話めいた幻想的>>続きを読む
情報過多の心地よさ。
セリフも映像も絶え間なく流れてきて、意味が拾いきれずに雑音に近くなる時もあるんだけど、それが心地よく感じられてくる。それこそ(安眠とかで使われる)ホワイトノイズみたいに。
アダ>>続きを読む
まあこういうことだよね、と言いたくなるのを全部否定してくるような、要約できないものの集積として人生を語ること。ある意味すごく大胆な映像が連続する。移民でも中年でもない自分はこの映画の語る喪失に共感でき>>続きを読む
定められた衣装でありえないくらい輝いてしまうダイアナ。定められて美しくあることへの抵抗が、独特の張りつめた空気感を纏わせて一層その輝きを強める。その輝きをこそ見たいと求める気持ちと、見ることは許されて>>続きを読む
マーターズは耐えきれず挫折したけど、こちらは暴力の量をある程度絞っているようで最後まで見れたし、感動した。
残虐な出来事に後ろめたくも惹きつけられて、夢中になって見てると、時折息を呑むような美しいシ>>続きを読む
ジョーダン・ピールはテーマ性よりも、見せてくれる光景が好きだった自分にとって至福の映画だった。
家で見てたら再生止めたかもというレベルで怖かった。
前半はピンクネオンで縁取られた十字架のキリストを見てこれがタイ様式!とか思う余裕があったけど、後半は「絶対やばいことが次起きる」という緊張感がひた>>続きを読む
「つまらないシーンや会話で物語を進めたくない」という監督の意向通りに、全く無駄な部分がない。
場面展開にも印象的に使われる音楽は、時代や場所を印象的に伝える役割も担って、ストーリー的にも重要なオヨヨ>>続きを読む
むしろコミュニケーション不全な人が危うく大統領になりかけたりする感じ、ありそう
穏やかに生きていられるのはただ、鮮やかに暴力を振るえないだけのことなのかもしれない。
このレビューはネタバレを含みます
FacebookがMetaになって、マーク・ザッカーバーグが楽しそうにヘッドセットかぶってる今みても全然古びてない。
その後を少しだけ調べたら、
エドゥアルド・サベリンはシンガポールで富豪になってて、>>続きを読む
これ結構好き。
英語を完全に味わうことは出来ないけど、セリフを発するタイミング、センテンスの長さ、緊張感、話題のチョイス、みたいなところが絶妙だと感じる。
セリフが楽しい映画でありながら、非対称化して>>続きを読む
コララインのたくましさ!
ダイナミックに変貌するガーデンの舞台が好き。
比較するものでもないかもしれないけど(緑色からどうしても連想してしまう)アメリカン・ユートピアが、終始同じセットでも曲の力で物凄くドラマチックになっていた記憶に比して、スパークス兄弟の比較的シンプルな>>続きを読む
クレメンス・J・ゼッツの小説『インディゴ』に出てきたような胡散臭すぎる中年男、スクリーンの向こうから語りかけてくる接触の閉ざされた女性(『アンダー・ザ・シルバーレイク』を思い出した)など、
好きな雰囲>>続きを読む
画がいちいち好き。
ミニマルな構成なのに余白もしっかりあって、短い時間で濃密に浸れた。
常時焼け付くような切迫感に、冨田勲の宇宙から響くような澄んだ音楽が乗っていくことで独特の浮遊感というべき特別な雰囲気が出てる。
内側で何かが加速して極まった瞬間にのみ逆に落ち着ける。だから辛くてもそ>>続きを読む
犬が見つからないと死んじゃうんだからと序盤で言ってた女の子がいたけど、最後の方でまた出てきて新しい犬を買ってもらったみたいで生きてて良かった。
あと、教授が渦巻く酒を手渡した後で壁に投げつけてるもの>>続きを読む
夜のドライブには車の外殻を隔壁として世界から分離していく感じがあって、そのとき目的地から切り離され、走る意味は失われてただ何も無い暗い空間を浮遊してるような感覚になる時がある。
『寝ても覚めても』で>>続きを読む
日常の出来事や光景に撮り方でサスペンス的な緊張感を持たせてて、それがゆったりとしながら張り詰めた独特の空気感に貢献してると感じた。
映画の途中で寝て起きたときに生じる、この人だれ今どこという当惑を終始起きたまま味わえる。
最初ゆっくりすぎるとは思ったけどそれによる眠気が幻惑体験に貢献してきて、むしろこのテンポが癖になってた。>>続きを読む