吉田寛生さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ロゼッタ(1999年製作の映画)

4.5

撮ってるんじゃねーよ!
監督に怒鳴りあきらめた彼女は
掘っては釣り お腹痛めては温め 池の底から母を愛す
ベルギーワッフルを越えるご馳走は茹で卵だけ

エプロンとスカートが上手にひらめきますように 
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

3.7

デンマークの曇り空で酔っ払いは踊り跳ぶ
アルコールの「雄弁と麻痺の効用」は暮らしをダイナミックにする
傷口を広げながら

「行動と情熱がなくなると、その世界は妬みに支配される」

キルケゴールの言葉を
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永遠の門 ゴッホの見た未来(2018年製作の映画)

3.8

画商とか評論家とか広告代理店とか後付けされるより遥か昔から
画家は描かずにはいられなかった 生きれば描いた 

一気に燃え尽きた向日葵は 一斉に枯れたが
黄色く滲んだイーゼルは 永遠を逃さない

私の
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アルファヴィル(1965年製作の映画)

3.2

「『この話だったら俺の方が面白い映画にできるよ』と後輩監督に思わせる映画」という町山解説に救われる。論理では感情で「愛している」と、どうしても言って欲しかった「男の手遅れ」を知る。愛は絶滅して伝説にな>>続きを読む

ファーゴ(1996年製作の映画)

4.2

「冷酷な知能犯」や「驚天動地のトリック」に飢えていた当時高校生の僕は「地味なサスペンスねぇ、あと寒そう」としか。20年ぶりに気付く「ミネソタナイス」なおじさんが嘘を重ねる哀れ。白過ぎる世界とふっくらし>>続きを読む

この茫漠たる荒野で(2020年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

原題「News of the World」に違和感あったが、町山さんが「世界『から』のニュース」と訳してくれたので、ニュースは人々への「贈り物」だと理解。お陰でお馬鹿な「ラストニュース」がぐっと感動的>>続きを読む

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

熱と色彩と喧噪の一日が暮れて、星空の砂漠を巨大なブロントサウルスの親子がのそりのそり、静かに横切っていく。時空が歪んでいる違和感も忘れさせる程の美しさ。だから、眺めた2人は奇跡を信じてもいい。今夜の愛>>続きを読む

ノマドランド(2020年製作の映画)

4.5

もし「今の私には関係ない話」と感じたら、あなたは「幸せ」かもしれませんが感動を探す「旅」もやめてしまったのかも。コロナや仕事で閉じ込もった心身を解放してくれるのは旅であり映画や音楽でありSNSで語られ>>続きを読む