いち麦さんの映画レビュー・感想・評価

いち麦

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リバー・ランズ・スルー・イット(1992年製作の映画)

5.0

ソフト持ちの大好きな作品。もう「午前十時の映画祭」のラインナップに入るとは。劇場スクリーンで4K版を鑑賞できる貴重な機会だった。字幕は戸田奈津子氏。
ノーマンとポール、お互いに羨望も競争心も抱き合
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

タイトル通り。ボーはいったい何を恐れているのか?この一点に集約できそう。多分現実としてあるのは死んだ母親の家に行かなければならなくなったということだけ。話は全て子供の頃から抱き続けてきた母親に対する>>続きを読む

ヒンターラント(2021年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

台詞にも出てきたが、タイトルには他にも幾つか意味が込められているように思う。メッセージを認めたような凄惨な死体が次々と現れ、尋常ではない怨恨が映像から窺われる。それに対して犯人が負った過酷な体験は映>>続きを読む

銀河鉄道の父(2023年製作の映画)

4.0

当時の家長が長男に懸ける期待とは別に、父・政次郎が如何に息子・賢治を溺愛していたかがよく分かった。自分自身に通じるような息子の頭の良さも父が可愛がる理由の一端ではないかと思った。また、宮沢賢治がなぜ>>続きを読む

悪魔の世代(2021年製作の映画)

4.0

旧ソ連から独立したリトアニアの歴史を織り込んだミステリー。主人公の警察局長がノワール並みに胸糞悪く結構な悪漢。それに次々と殺人が起こるので一貫して暗いムードだし凄惨でゴアな映像も少なくない。でもプロ>>続きを読む

イノセンツ(2021年製作の映画)

4.0

直ぐに仲良くなれるが些細なことで仲違いもする…如何にも子どもらしく無邪気で残虐な発達段階がそのまま下地にされたような子どもたちのホラー。過剰な演出のない、北欧映画らしいクリーンな映像で纏められていた>>続きを読む

身代わり忠臣蔵(2024年製作の映画)

4.0

誰もが良く知っている忠臣蔵の話をよくもまぁ、こんな荒唐無稽な人情喜劇にアレンジしたものだ。吉良上野介の弟=孝証の、素直で人情溢れる人物像が魅力。一応、肝心な部分の結末だけは史実通りに合わせた上で、破>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.0

恋人でもなく親友でもなく、でもお互い気に掛けていて、苦しんでいるときには助けたり助けられたりする関係っていいね。恋愛感情でなく友情でもない…でも快い結びつき。そんな人間関係を描いたユニークな物語だっ>>続きを読む

一月の声に歓びを刻め(2024年製作の映画)

3.0

「性暴力と心の傷」がテーマとのことだが掘り下げが足りない印象をもった。また、その核心部分を映像で伝えるのではなく、台詞で丸々語ってしまっていては味気ない。フェリーや親子関係など共通しているような要素>>続きを読む

ジェントルマン(2021年製作の映画)

3.0

もはや宿敵とも言うべき悪漢を何度も検挙しながらも法の下では裁くことができなかったキム検事に対して、チ・ヒョンスがとった策は悪漢の急所を突いていてなるほどとは思った。ただ、これで喜んでてはいけないのか>>続きを読む

カラーパープル(2023年製作の映画)

5.0

舞台版ミュージカルを映像化した作品だが、スピルバーグ版(1985年版)と基本的には全く同じ展開。製作者の一人でもある御大へのリスペクトからかスピルバーグ独特のユーモラスな演出を1985年版からそのま>>続きを読む

カラーパープル(1985年製作の映画)

4.0

公開当時に見たときにそれほど揺さぶられなかった記憶があったが、ミュージカル版(2023年版)の鑑賞に先立って復習のつもりで再鑑賞した。
白人による黒人差別よりも寧ろ同じアフリカ系米国人同士、女性に
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スケアクロウ(1973年製作の映画)

4.0

ニューシネマの名作と言われている作品。今回が初鑑賞。「午前十時の映画祭」のお蔭で劇場スクリーンで見られて嬉しい。
境遇もこの先の計画も全く違う男2人が移動を共にするうちに強い絆が生まれていく過程が
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帰れない山(2022年製作の映画)

5.0

ルカ・マリネッリ&アレッサンドロ・ボルギ…折角の美形マスクは2人とも鬚が邪魔をして十分に堪能できなかったものの、雄大な山岳地帯の絶景がとても素晴らしくて大満足。そして人間ドラマも味わい深いものだった>>続きを読む

ダンサー イン Paris(2022年製作の映画)

4.0

大きな挫折を味わった者が別の道で活路を見い出し再出発していく人間ドラマは王道展開ながら高揚感ある。バレエからコンテンポラリーダンスへと転向していくエリーズのしなやかな踊りは大きな見処だった。彼女の背>>続きを読む

ギレルモ・デル・トロのピノッキオ: 手彫りの映画、その舞台裏(2022年製作の映画)

4.0

当たり前のことだが、ストップモーション・アニメでは映し出されているオブジェクトがそのまま作られ実際に存在していなければならない。木彫りの人形であるピノキオが喋るときの口の形や、細部まで作り込んでそれ>>続きを読む

ギレルモ・デル・トロのピノッキオ(2022年製作の映画)

5.0

ピノキオのキャラクターを活かしながらもオリジナルから大きく翻案された独自の物語になっていた。特に結末は現代風に大胆に改変されていたが感動的でとても気に入った。キャンドルウィックのその後も見たかったな>>続きを読む

それでも私は生きていく(2022年製作の映画)

4.0

主人公サンドラのように人生ってホント、悲喜交々に様々な出来事が意地悪なタイミングで鉢合わせしてしまうものだなぁ…としみじみ。次第に視覚と認知能力が低下していく父親を見る辛さと、再燃し始めた恋愛の高揚>>続きを読む

ふたりのマエストロ(2022年製作の映画)

3.0

この父と息子、同じ音楽の、しかも狭いニッチを巡って生きているばっかりにライバル意識で拗れてはいるが、相手を理解し思いやる気持ちはまだしっかり機能している親子のように見えたがどうだろう。ただ、物語では>>続きを読む

ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人(2023年製作の映画)

5.0

ジャンヌがルイ15世に特別に愛され大切にされた理由は、単に彼女にコケティッシュな魅力があっただけではないはず。多く残る悪評も周囲の嫉みと誤解から生まれてきただけなのではないのか。見ていて監督・脚本(>>続きを読む

宇宙人のあいつ(2023年製作の映画)

3.0

気になる中村倫也主演なので鑑賞。うーん…兄弟家族の絆を芯にした物語が緩いし、もうマペット紛いまで登場するし、滑ってる笑い処は一周回って失笑。でも何故か最後まで見させてしまうこの吸引力はナニ? いい意>>続きを読む

ジョン・バティステ:アメリカン・シンフォニー(2023年製作の映画)

5.0

グラミー賞受賞に先立ち、カーネギー・ホールで演奏する交響曲作りでジャンル融合に挑むジョンを追う。その陰に妻スライカの闘病に寄り添うジョンの姿があった。このドキュメンタリーには自分を一人の人間として見>>続きを読む

ナイアド ~その決意は海を越える~(2023年製作の映画)

5.0

実話ベースのドラマ。ハバナ(キューバ)からキーウェスト(フロリダ)までの165km を泳いで渡る。ダイアナ・ナイアドは 28歳のときに失敗した挑戦を60歳になって再チャレンジの決意、61歳で決行。そ>>続きを読む

伯爵(2023年製作の映画)

4.0

250年も生き永らえてきたヴァンパイアがなんとチリの独裁者ピノチェトというユニークな設定。社会主義者・共産主義者を粛清してきた経緯や政権がアメリカの絶大な支持を得ていたこと、同じ新自由主義を掲げた英>>続きを読む

ニモーナ(2023年製作の映画)

5.0

私たちは本当の姿をよく知らずに相手を怪物に仕立て上げているだけなのかも知れない。また、一度、携えた軍事力は維持するために巨悪の幻影さえ必要とする。テーマの芯にストレートな反戦の訴えを感じ取れる物語。>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

これまで男性中心の社会が都合よく敷いてきた道理に縛られないのなら、年頃の若い女性の身体を得た純粋無垢な脳はどのように成長していくのだろうか?それは言うなれば長大な時間を掛けたスケールの大きい大胆な実>>続きを読む

ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

5.0

特別に海外へ赴く機会のない一般市民が北朝鮮から命懸けの亡命を遂げられるか否か、全てはブローカーにかかっていると言っても良い過酷な実情を思い知らされた。コーディネートするキム牧師の献身的な尊さの一方で>>続きを読む

ショコラ(2000年製作の映画)

4.0

まさにチョコレートは媚薬。いや麻薬か。ヴィアンヌが新たに開いた菓子店の名前とそれに合わせた内装が素敵。作り並べた菓子の可愛らしさも魅力的。この映画も見てるうちにチョコレート菓子が堪らなく食べたくなる>>続きを読む

世界のはしっこ、ちいさな教室(2021年製作の映画)

4.0

西アフリカのブルキナ・ファソ、バングラデシュ、シベリアの3箇所を舞台に過酷な環境下で初等教育に奮闘する3人の女性教師の姿。教えている内容(教材)や子供達を取り巻く状況が全く異なり興味を引いた。3例を>>続きを読む

告白、あるいは完璧な弁護(2020年製作の映画)

4.0

スペイン製「インビジブル・ゲスト 悪魔の証明」の韓国版リメイク。原版がコッテリしたドンデン返しミステリー・サスペンスだったがこちらもその味わいをほぼ変えずに翻案されていて良かった。一部、台詞までその>>続きを読む

ネズミ捕りの男(2023年製作の映画)

4.0

W.アンダーソンによるロアルド・ダール短編作品集。得意とするネズミ退治の凄腕がなかなか披露できないラットマンが周囲の冷めた視線を他所に次第に自らを焚き付け究極の技を披露するまで。アニメーションで擬人>>続きを読む

白鳥(2023年製作の映画)

3.0

W.アンダーソンによるロアルド・ダール短編作品集。次第次第にエスカレートしていく子供達のイジメの陰湿さと恐ろしさ。鋼のように強靭な心が時に却って悲劇を生むという残酷な教訓も。映像では少年も登場するが>>続きを読む

(2023年製作の映画)

2.0

W.アンダーソンによるロアルド・ダール短編作品集。猛毒のアマガサヘビに噛まれそうになっている男をB.カンバーバッチが演じ、D.パテルが語り手。先回りして大仰な行動を取る滑稽さを描いているのだろうか?>>続きを読む

ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

3.0

W.アンダーソンによるロアルド・ダール短編作品集。映像のついたオーディオブックといった体。B.カンバーバッチ、R.ファインズ、D.パテル、B.キングズレー…とキャスト勢豪華。休む暇もなく次々とリレー>>続きを読む

サンクスギビング(2023年製作の映画)

5.0

祝祭も本来の意味が少しずつ薄れ、商魂逞しい輩たちが荒稼ぎするだけの機会に成り下がっていく病んだ現代が透けて見える。少しは痛い目に遭った方がいい連中がエクストリームな制裁を受けていく展開には不謹慎なが>>続きを読む

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

3.0

前作同様、お調子者で粗野なアクアマンを不潔感なしでJ.モモアが演じていて愉快。見届けた感に浸れた。今作アーサーが弟オームの助けを借りるなど敵対関係の仕切り直しに初めはちょっと強引さを感じたがラストの>>続きを読む

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