いぬたくさんの映画レビュー・感想・評価

いぬたく

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勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

3.7

松岡茉優のシリアスなコメディエンヌとしての才能を観る作品。

綿矢りさの原作を読んでないけれども、随所にユーモラスでハッとさせられるワードが登場する。

「本能側の人間に成り下がっちまった、って」
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

長回しがすごい。
単純にカメラワークと演技という面でもすごいが、戦争映画でありながら徹底した歩兵の地上目線から一時たりとも離れないことによる緊張感の生み出し方、という意味で、その効果を強く感じる。
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イゴールの約束(1996年製作の映画)

3.7

原題は『LA PROMESSE』(約束)。

何の約束のことなのかは、比較的序盤で分かる。
不慮の事故に遭い、自分の親が面倒に巻き込まれたくないという保身を選んだによって死なせてしまった不法移民の父親
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何者(2016年製作の映画)

3.2

公開前、この俳優陣に米津玄師×中田ヤスタカの主題歌が乗る予告編をよく見かけて、今っぽい(流行りそうな)群像劇だなと思っていた。

それから数年後、ストリーミングでやって観てみたら、テーマ自体はとても古
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ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男(2017年製作の映画)

3.2

『ダンケルク』『イミテーション・ゲーム』をこの数年で観たので、なんとなくその流れで。

すでにおおよその歴史の流れを分かっている中で観るものなので、ストーリーの行く末よりもこの映画が何にスポットライト
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アイアンマン2(2010年製作の映画)

3.0

マーベル作品を公開順に観てみるシリーズ、やっと3作目。

まず警察側のローズ、「あれ、ドン・チードルみたいな役者が出てるな」と思ったら、ほんとに役者が替わってた。
思わず観てる途中にググって調べてしま
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インクレディブル・ハルク(2008年製作の映画)

2.8

『アイアンマン』に続いて、マーベル作品を公開順に観てみるシリーズ。
(まだまだ2作目)

大企業/株価/秘書/ハイテクという要素が盛りだくさんだったアイアンマンとはまた違って、ブラジル/半裸/土着とい
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アイアンマン(2008年製作の映画)

3.2

周りにマーベル好きな人はちらほらいるんだけど、一度も観たことがなかったので、「マーベル 初心者」でググりつつ、シリーズ最初の作品らしいこれから観ることにした。

「自分たちのしてきたことの意味を噛み締
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ミッドウェイ(2019年製作の映画)

3.0

山本五十六を少し調べたことがあり、その流れで鑑賞。

駆逐艦や戦艦を中心とした戦いから、戦闘機を中心とした空の戦い(と空母)へと主戦場が移った第二次世界大戦。

その空の戦いのスピード感、重力や気圧、
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グリーンブック(2018年製作の映画)

4.3

内容をほとんど知らないまま観たけれど、オシャレでもあり間口が広くもあり、良い映画だった。

ヴィゴ・モーテンセンとマハーシャラ・アリの演技も、緊張と笑い(弛緩)を自由に行き交うような編集・演出も、どれ
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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2014年製作の映画)

3.5

第二次世界大戦で西側の多くの命を救った秘密裏のプロジェクト、そしてそこに当時の同性愛とそれによる逮捕というテーマも絡み、最終的に41歳という若さでの自殺。

この題材をピックアップした時点で、ドラマ性
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愚行録(2017年製作の映画)

3.5

原作を読んでないけれど、これだけ人間(特に日本人、かな)の嫌な部分をうま〜く描いている映画、なかなかない。

冒頭のバスの中で、妻夫木聡演じる記者が足の不自由なフリをして席を譲らせた男をバツが悪くさせ
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わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)

2.5

自分が本当は空っぽであることへの不安をテーマにした、日本の若者を描く映画。

映像の感じや映画自体のテーマ、若い頃に見たら共感していたのかもしれないけれど、40代になったいま見ると「こういうウジウジし
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映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(2016年製作の映画)

2.2

うちの会社の21歳になるアルバイトの女子。
とても明るい子で、映画を撮っている彼の影響をもろに受け、上京して単館系の映画で演技をしたいと思うようになったらしい。

その子におすすめされたのが、これ。
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ラブ・アクチュアリー(2003年製作の映画)

4.3

クリスマスの名作と言われているけれど、2020年のクリスマスイブイブに初めて鑑賞。

日本で公開されたのは2004年初頭なのか。
人生でもけっこう映画館で映画を観ていた時期なんだけれど、当時は食指を伸
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

3.6

冒頭シーンと物語の合間合間に差し込まれる、回想シーンのなんとも言えない映像美。

美しくも儚い色合いがまず印象的で、ストーリーが進むにつれてよりその意味がくっきりと浮かび上がってくる。

Amazon
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.0

核戦争がまじで起こるかも、という恐怖に世界が覆われていた1962年のボルティモアが舞台。

そんな暗い時代にファンタジーを描こうとするのは、完全に『パンズ・ラビリンス』と同じ構造。

どっちが好きか、
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悪人(2010年製作の映画)

2.5

表現として映画と連ドラの中間を観ているような感覚。

全体的に緊張感がちょっと弱いというか、これだったらもっと緊張感のある表現をしているドラマもあるな…と感じた。

映画に求めるのはやはり連ドラとは違
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

3.5

『わたしはダニエル・ブレイク』

ケン・ローチ監督の『家族を想うとき』を観てから、順序的には逆で観た今作。

同じくニューカッスルで似たテーマを取り扱っている両作、結論からいうと『家族を想うとき』の方
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家族を想うとき(2019年製作の映画)

4.1

ニューカッスルで新たに配送ドライバーの職を得た、父親・リッキーとその家族の物語。

特に誰かが悪いわけでもない。
リッキーも、その妻のアビーも懸命に生きている。

それなのに少しずつ事態は悪くなってい
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そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)

4.2

途中までは正直「今の年齢の自分にはもうこういう映画、ついていけないな…」と感じていたんだけど、中盤からは4人の俳優と呉監督の撮りっぷりに惹き込まれ、とても充実感が残った。

今の自分がついていけないと
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

原題は『THREE BILLBOARDS outside Ebbing, Missouri』。

ミズーリ州〜ヴァージニア州の山地(ヒル)に住む低賃金の白人労働者を示す『ヒルビリー』を描く。

ハリウ
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

3.0

とても観やすい映画だった。
話の筋も編集も分かりやすく仕立てられていて、何より随所に流れる楽曲によってQUEENの独創性を再認識できることが単純に喜びや快感を感じる。

ただ、「観やすい」というのが必
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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

3.5

ワンカット風にCGも巧みに使った映像とサウンドによって、不思議な映画体験だった。

過去の栄光にすがりながらプライドとエゴを頼りに再起を期す的な男のストーリーは、自分がそういうタイプでないだけにあまり
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映画 おかあさんといっしょ はじめての大冒険(2018年製作の映画)

2.5

3歳になったばかりの息子の映画館デビューとして鑑賞。
館内は真っ暗ではなくほの暗いレベルの照明で、子どもが立ったり踊ったりはOKなルールでした。

幼児向け映画のレビューを(なんとなくの)幼児目線と親
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インセプション(2010年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

観てからレビューを書くまで3ヶ月あいてしまった。

「マトリックス」といえばあの銃弾をかわす360度スローモーションのシーンを思い出すように、この「インセプション」といえば90度直角に街が隆起してくる
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ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008年製作の映画)

4.0

とても好きな「ビッグ・フィッシュ」しかり、ある人の一生を他者が語りながら時系列を追って振り返っていくタイプの映画ってそもそも好き。

小さい頃から老いて亡くなるまで、どんな人の人生にもドラマはあるもの
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リップヴァンウィンクルの花嫁(2016年製作の映画)

3.8

現代の中での「家族」が大きなテーマとなって横たわってる、クッキリとした社会性を描いた脚本にまず驚き。

家族への一種の執着であるマザコン。
罠にかけられながらもその彼にあっけなく家族を破棄される主人公
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プリズナーズ(2013年製作の映画)

3.0

子どもをさらわれて「悪魔に堕ちる」ということが大きなテーマ。

ただヒュー・ジャックマンが葛藤もせず、誘拐直後から激昂して突き進むのには、ちょっとついていけなかった。

「主の祈り」で始まるオープニン
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メッセージ(2016年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

アイディアとそれを形にした造形がすごい。
ヘプタポッド、宇宙船、そしてあのイカスミのような文字、それぞれあんなフォルムや仕組み、なかなか思いつかないよ。

その造形もあって、あの宇宙船の内部への侵入、
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ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

2時間半の映画で、特に後半に時間を気にせず「え、これどういう展開になるの」と思いながらずっと見入ってしまったのは久しぶり。

脚本も音楽もよくできているけれど、この映画は特に編集がすごくよくできている
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レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ストーリーは芯の太いシンプルな復讐劇。
ってことも知らずに観ていたんだけれど、まず冒頭で原住民の矢が飛び交いアメリカ人部隊が次々に殺されていくシーンの描き方から「こりゃ普通の作品とは違う映画だな…」と
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ヘアスプレー(2007年製作の映画)

3.6

主人公のぽっちゃりの女の子とジョン・トラボルタ、母子揃って動きも表情もかわいらしいというのがほぼ奇跡。

単に「テレビと音楽とダンスに憧れる高校生」というだけでなく、黒人差別が色濃い1962年のボルテ
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