IMAXで公開していたのでいそいそと出かける。僕はノーランがあまり得意ではないのだけれど、『インターテラー』だけは別格で好きだ。おそらく父と娘の話が軸になっているからだろう。
娘の部屋の本棚かあ。な>>続きを読む
塚口サンサン劇場で『犬神家の一族』4K版を見る。
以前にも『犬神家の一族』の通常盤の方にレビューを書いたのだけれど、市川崑の編集は本当に見事だ。この映画を初めて見た中学生の頃、編集テクニックに呆然と>>続きを読む
ジャック・ニコルソンとフェイ・ダナウェイがスクリーンに登場すると、どうしてもアメリカンニューシネマの系譜として捉えてしまいそうになる。でも、これっていわゆるハードボイルド映画だよね。まあ、ラストのアメ>>続きを読む
ノルウェーの新人監督によってもたらされた『ドリーム・シナリオ』は、かなり面白かった。
くたびれた冴えない大学教授ポール(ニコラス・ケイジ)は、急に多くの人々の注目を浴び始める。知人かどうかに関係なく>>続きを読む
面白かった。
十数年前の作品なので、いまならここではなく、この部分にフォーカスを当てるけどなあ、というところはある。でも、登場する人物たちの賢明さだけで見ていられる。
12分の短編でも、この監督はやっぱり変態なのだった。まあ、でも短編になるとどうしても上手くまとめるという結果になり、すっかり変態度がなりを潜めてしまうのだけれど。
もう、ホン・サンス作品は全部★5です。
だって、ホン・サンス作品のなかの優劣はあっても、ホン・サンスは全部面白いから。諸手を挙げて★5です。
さて、約30分の短編は主人公の女性が自分のやりたいことを>>続きを読む
うまいなあ、リンクレイター。
コメディ路線の時のリンクレイターの、わざとやる脱線が好みかどうかで評価が分かれそうな気がする。
今回はオープニングから、主人公のゲイリー・ジョンソンが実在した人物である>>続きを読む
倉本聰はテレビの人だと思う。しかも、市政の人々の中でもちょっと自堕落というか、自ら堕ちていきそうな人があがいているところを何週にもわたって繰り返し描くところに面白みがある。「前略、おふくろ様」しかり「>>続きを読む
セリフを排した映画というのはたくさんあるけれど、これまでみた映画で成功しているというか、それが功を奏して作品の質が上がっていると思ったのは、新藤兼人監督の『裸の島』だけだ。それ以外の作品はだいたいセリ>>続きを読む
この映画の竹内結子が抜群にいい。もともと竹内裕子って、うまさがわかりにくい人だけど、映画の中でホラー作家を演じていて、しかもそれがそこそこ知的で、物静かだという設定に、これだけ説得力があるのは、竹内結>>続きを読む
動画配信サービス・JAIHOに、ソフト化されていない『映画館の恋』が入っていた。こういうとこがJAIHOの嬉しいとこだ。
2005年の作品。『豚が井戸に落ちた日』でデビューしたのが1996年だから、>>続きを読む
人と人の言葉と、そこにある空気を、監督の森井勇佑は丁寧にすくいとる。そんなふうに作ろうとする映画はたくさんあるのだけれど、しっかりと完成度を高められている作品は少ない。
まるで、自分がかつて見ていた>>続きを読む
侍がタイムスリップして、現代の、というか1990年代から2000年くらいにやってきて、時代劇の斬られ役になる、というお話。
正直、前半はテンポが肌に合わずちょっとずつ苦労したけど、後半は面白く盛り上>>続きを読む
ハワード・ホークスの『暗黒街の顔役』のリメイクだったのか。これは、降板したシドニー・ルメットが撮った方が面白くなった気がするなあ。
まあ、仮定の話をしても仕方がないし、そんな紆余曲折が映画の面白さな>>続きを読む
シネマ歌舞伎を鑑賞するのは2作目。山田洋次監督であることはあんまり関係ない気がする。
やっぱり勘三郎はいいなあ。初めて見た歌舞伎も勘三郎の牡丹灯籠だった。華がある。粋がある。そこへきて、ベタな人情噺>>続きを読む
日本統治下の韓国から、日本人としてベルリンオリンピックに出場して、メダルを獲得したン・ギジョンとナム・スンニョン。しかし、そのメダルは日本にもたらされたものとして記録される。
そして、後年、この2人>>続きを読む
最近、こういう時代劇を見ると、なぜ?という感想しか出てこない。
こんなにいい役者を使って、こんなに特殊撮影を使って、ストーリーもしっかりとしているのに、なぜこんなにもつまらないのか。
飽きずに見せる>>続きを読む
馬琴がいかにして『南総里見八犬伝』を書いたのか、という話と、『南総里見八犬伝』を実写化した物を交互に見せる。
やっぱり圧倒的に馬琴パートがいい。というか、八犬伝パートが学芸会みたいに見えてしまう。>>続きを読む
ある意味、奇跡のような映画だな、と思う。あれだけの若手俳優が集まって、みんなそこそこ売れたし、吉田監督にとっても代表作になったし、東出くんに至っては演技力のなさが逆に魅力的に映るという設定が絶妙だった>>続きを読む
かなり、史実を紐解かないとなかなか理解しづらいかもしれない。この映画はホラーでもなんでもないかな。
日本と韓国の歴史、そして陰陽師とシャーマニズムの話だったと思う。
そういう意味で、とても興味深い>>続きを読む
西田敏行が逝ってしまった。
面白いコメディアンがでてきたなあ、と思っていたら、『西遊記』で猪八戒を演じて人気者になり、『池中玄太80キロ』で人気を不動の物にした。
とはいえ、西田敏行だからみる!とい>>続きを読む
こういう映画を見ていると、日本がバブルに浮かれている間に、世界は大きな節目を迎えていたんだなあ、ということがよくわかる。
少年が夢を見て、それを実現するまでの成功譚。そのお手本のような映画。2000>>続きを読む
勘三郎が生き生きとスクリーンに蘇る。それだけで涙が出る。そして、江戸時代の火消しと相撲取りの大喧嘩を題材としたテーマにまた泣ける。
なにしろ、恥をかかされたなら、命をかけてでも仕返しをするっていう心>>続きを読む
黒沢清が帰ってきた!という感じ。
共感なんてさせないぜ、という姿勢がたまらない。
良かったなあ。これから、小難しい顔をしながら黒沢作品を見続けなければいけないのかと思っていたら、ここへきて純粋な娯楽映>>続きを読む
アメリカ合衆国の内戦を描いた近未来もの。というより、いつの間にかアメリカで内戦が始まっていた、とでもいうくらいにさりげないオープニングに「うまいなあ」と声が出そうになる。
予告編を見た時から、「こう>>続きを読む
丁寧につくられたいい映画だった。
一人の男が養子にもらわれ、酷い扱いを受け、その家を出てからも、大事な人を失ったり、怪我をしたり、いろんな不条理なことに出会ってしまう。
でも、やっぱり人生は続く。>>続きを読む
とても、いい映画だと思う。人を見つめる視線がとても優しい。多くを語らず、観客に委ねる演出も、押し付けがましくなくていい。
池松壮亮演じる元スケート選手で、コーチがとてもナイーブな演技を見せていて、彼>>続きを読む
黒沢清の作品をずっと見てきたファンにとって、これを見せられると「そうだろうな」と納得はする。だって、これが作れることは最初からわかっているんだから。
不穏な雰囲気の中で、狂気のようなものがじわじわ表>>続きを読む
この映画が好きだ、という気持ちは何物にも変え難い。作品としてのバランスとか演技の質とか、演出が上手くいってるかどうに関わらず、好きなもんは好きだとしか言いようがない。
市川準監督作品でいちばん何回も>>続きを読む
ずっと考えながら見ている。
なぜ、こんな状況になったのか?
なぜ、この人は怒っているのか?
この愛は見せかけなのか?
この言葉は嘘なのか?
確かな答えはない。けれど、確かな存在はそこかしこにある。認>>続きを読む
ウォン・カーワイの『恋する惑星』を30年ぶりに見る。フェイ・ウォンはいま見ても可愛いし、トニー・レオンも金城武もいい味出してる。
ただ、作品としては見事に古い。古いけれど、それは公開当時、最先端のセ>>続きを読む
宗教関係のお勉強のつもりで、関連の書籍などを読んでいる。そう言えば、若い頃にベルトリッチのブッダ関係の映画を見たなあ、と思い出して『リトル・ブッダ』を見直してみた。
チベットの高僧の生まれ変わりを探>>続きを読む
やっぱり、僕らの世代はあの日見た最初の『エイリアン』の影をずっと引きずっているんだなあ。なんてことを思わされる映画だった。
だってさ、最初の『エイリアン』のあの宇宙船の中だけで繰り広げられるゴシック>>続きを読む
井筒監督って、昔からこんな感じだったなあ、と改めて思う。ギリギリ面白い。でも、そのギリギリがなんか本質的なところをつかんでいる。
映画としてのバランスは悪い。もうこの作品に限らず、井筒作品は全部バラ>>続きを読む
ユアン・マクレガーと、実娘であるクララ・マクレガー共演の『ブリーディング・ラブ』を見る。
若い頃、『トレイン・スポティング』で、初々しいユアン・マクレガーを見てワクワクしたのは何年前だったんだろうと>>続きを読む