平太郎さんの映画レビュー・感想・評価

平太郎

平太郎

怒りの荒野(1967年製作の映画)

3.8

二人の師匠の間で板挟み状態になる主人公。ラストの避けられない師弟対決が何とも悲しかった。リー・ヴァン・クリーフの渋さが際立つマカロニウエスタンの名作。

ボーイ・ミーツ・プサン(2006年製作の映画)

3.4

江口のりこ目当てで鑑賞。
旅先の恋愛ストーリーとしてはありがちな内容ではあるが、ドキュメンタリーチックなカメラワークと柄本佑の自然体の演技、そして江口のりこの独特の魅力で上映時間の80分があっという間
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ユリ子のアロマ(2010年製作の映画)

3.3

江口のりこ目当てで鑑賞。
匂い(臭い)フェチのアロマセラピストと剣道部に所属する男子高校生の歪んだ恋模様をコミカルに描いた作品。
男女が逆転していたらかなりヤバい年齢差カップルではあるが、何故か嫌悪感
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現実を受け入れるべく夢を見る(2020年製作の映画)

3.4

「みなに幸あれ」の下津優太監督の短編作品。
YouTubeにあったので鑑賞してみた。
とても好きな世界観。こういう作家が日本に出てきたのが嬉しい。

みなに幸あれ(2023年製作の映画)

3.5

不気味でシュールでコミカルなホラー作品。
田舎町の設定なのに標準語で喋ったりする残念なところもあるが、個人的には好きなタイプの作品。あと、ポスタービジュアルは100点。監督の次回作に期待したい。

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.5

アマプラで鑑賞。
ゴジラまわりのCGはアカデミー視覚効果賞受賞も納得の素晴らしさで、日本でもここまで作れるんだと感動した。
ただ、問題はドラマパート。NHKの朝ドラ的な大袈裟な芝居がかなり酷かった。
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さすらいのガンマン(1966年製作の映画)

3.3

バート・レイノルズが先住民族の役をしているのに違和感があったが、wikiで調べたら彼がチェロキー族というネイティブアメリカンの血を受け継いでいることを知り、納得した。ただ、セルジオ・コルブッチ作品の中>>続きを読む

豹/ジャガー(1968年製作の映画)

3.8

メキシコ革命を描いたマカロニウエスタン。機関銃や大砲をもちいた戦闘シーンが西部劇とは思えないほどド派手。
先の読めない展開や人物描写も魅力的で、コワルスキとパコの裏切り裏切られつつの友情が最高に良かっ
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殺しが静かにやって来る(1968年製作の映画)

3.6

セルジオ・コルブッチの代表作。
復讐モノの西部劇として、ありがちな設定だと思っていたが、ラストの展開でこの作品が評価されていることに納得がいった。
映画の定石を無視したような演出ではあるが、運命の無情
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黄金の棺(1966年製作の映画)

3.5

セルジオ・コルブッチによるマカロニウエスタン。
登場人物のほとんどがクソ。唯一のまともな人物であるベンは頼りないし、一家の長であるジョナスを演じるジョゼフ・コットンが典型的主役顔であるにもかかわらず、
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トムボーイ(2011年製作の映画)

3.7

一見すると、まだセクシャリティが確立する前の子供時代の甘酸っぱい恋愛ストーリーって感じだが、LGBTQで自己のアイデンティティに悩む当事者にとってはもっと重みのあるテーマを持った作品なのかもしれない。>>続きを読む

福田村事件(2023年製作の映画)

3.8

事件系のpodcastで福田村事件のあらましは知っていたが、こうして映像作品として見ると改めてズシンと重い衝撃を受けてしまった。
日本人としては忘れてしまいたいような忌わしい事件ではあるが、こうして作
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セブン・デイズ・イン・ハバナ(2012年製作の映画)

3.8

キューバの首都ハバナで1週間に起った些細な出来事を切り取ったオムニバス作品。
南国特有のけだるさ、美しい景色、葉巻、ラム酒、キューバ音楽にダンス、そこで生活する人々の鼓動や息づかいまで感じれるような気
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殺人鬼から逃げる夜(2020年製作の映画)

3.5

タイトルがまんまなので思いっきりハードルを下げて鑑賞したのが幸いし、意外と楽しめた。
つっこみ所は多いが、スリリングな演出やカメラワーク、キャストの魅力も含めて、期待以上。以前観たよく似た設定のサスペ
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.7

独特の気まずい空気感は大好物だが、ストーリー展開は想定内でしかなく、意外性はなかった。このわかり易さはエンタメ作品として、より多くの観客にむけてのアピール材料にはなるが、「フレンチアルプス」のようなシ>>続きを読む

ルクス・エテルナ 永遠の光(2019年製作の映画)

3.5

もっと観念的な狂気を表現する映画と思っていたが、そうではなかった。意外とちゃんとしたストーリーがあり、ギャスパーノエ作品としては珍しく主人公(シャルロット・ゲンズブール)に感情移入してしまい、胸糞展開>>続きを読む

黒い家(1999年製作の映画)

3.6

大竹しのぶの有名なあの台詞を他のメディアで先に知ってしまったので、ホラーというよりブラックなコメディ映画を見ている感覚に近かった。陽が翳っていく独特な黒の使い方は最高に良かった。

レクイエム・フォー・ドリーム(2000年製作の映画)

3.7

ドラッグムービーの多くは若者を惹きつけるような格好良い描写が使われることが多いが、本作ではそういう部分が全くない。
ドラッグによってもたらせる負の連鎖を最初はコミカルに、そして最終的にはかなり恐ろしい
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スローターハウス5(1972年製作の映画)

3.5

主人公は自らの意志ではなく偶発的に現在、過去未来を行き来するタイムトリッパー。
全ての時間は同時に進行していて、精神のみが色んな時代をスライドしているような哲学的な語り口が印象深かった。
映像的には古
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CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)

3.5

はからずもLSD入りのアルコールを飲んでしまったダンサーたちの地獄絵図のような一夜を描いた作品。
実話をもとに作られた作品だそうだが、いわゆるストーリーらしきものはない。他のギャスパーノエ作品の多くと
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プレデター(1987年製作の映画)

3.2

再鑑賞。
アーノルド・シュワルツェネッガーの若い頃の一連の出演作は作品のクオリティは別にして何度も観たくなる不思議な魅力がある。
つっこみ所満載のいわゆるバカ映画であるこの「プレデター」もそんな作品の
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オオカミの家(2018年製作の映画)

3.5

なんとも狂気的で奇妙なアニメーションだと思っていたが、コロニア・ディグニダから逃れた少女というバックストーリーがあることを知り、作品のイメージが大きく変わった。
作品単体でそれを語ることが出来れば、も
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スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団(2010年製作の映画)

2.6

個人的に、これがエドガー・ライト作品? と思うほどつまらなかったのが正直な感想。
ヒロインのラモーナにまったく魅力を感じれなかったし、ストーリーも陳腐そのもの。
派手なエフェクトとセンスの良い音楽使い
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ポゼッサー(2020年製作の映画)

3.7

もっと変な映画を想像していたので、意外にちゃんと観れる作品で驚いた。と、いうよりむしろ面白い作品と出会えたことに喜びを感じる程だった。
この監督の作品に注目していこうと思う。

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.7

実はテーマ的に気がすすまなかったが、映画好きとしてノーラン好きとして、唯一の被爆国の国民として、半ば義務感を感じながら鑑賞した。
予習の甲斐もあって時系列や登場人物の多さに戸惑うことは無かったが、感情
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マローボーン家の掟(2017年製作の映画)

3.6

ミア・ゴスとアニャ・テイラー=ジョイが共演しているだけで十分観る価値のある作品。
つっこみ所はあるが、ホラーやサスペンスというジャンル映画の枠には収まりきらない人間ドラマとして評価できると思う。

スマイル(2022年製作の映画)

3.8

「リング」や「Cure」、「ファイナル・ディスティネーション」など過去のホラーの名作の良いところをコラージュしたような作品。
余計な説明を排除して、怖さを表現することに全振りしているところが潔い。
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.4

二回連続で鑑賞。一回目はイマイチ内容を理解出来なかったが、二回観て、全てが繋がったとき、大袈裟ではなく涙が止まらなくなった。
大人になりきれない親と、大人になりかけている娘が最期に同じ時間を共有したキ
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Winny(2023年製作の映画)

3.4

winny事件の不条理な捜査や逮捕、そして裁判の顛末を作品として後世に残せたことには意義のある映画だと思う。
残念だったのは不自然な関西弁と台詞まわし。ストーリーを追いかける上でかなりのノイズに感じた
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眠りの地(2023年製作の映画)

3.5

ジェイミー・フォックスがやり手の黒人弁護士を演じた実話ベースの法廷もの。
差別問題をからめた悪徳大企業との法廷バトルはなかなか見応えがあった。正直なところ、後半にもうひと盛り上がり欲しかったが、カタル
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Saltburn(2023年製作の映画)

3.8

貴族階級のエリート学生と努力でここまで這い上がってきた苦学生。住む世界の違う者同士のBLモノかと思っていたら、中盤あたりからとんでもない展開に…。
「聖なる鹿殺し」のような不気味なバリー・コーガンを期
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フレンチアルプスで起きたこと(2014年製作の映画)

3.6

休暇で訪れたスキー場で雪崩に遭遇する家族。思わず一人逃げた父親。幸い家族は無事だったが、おかげで休暇中ずっと妻から蔑んだ目で見られることに…。
地獄のような気まずい空気感は個人的に大好物。
最後で何と
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閉ざされた森(2003年製作の映画)

3.5

特殊訓練中のレンジャー部隊で起った不審死をめぐるスリラーサスペンス。
わりと骨太な感じで物語は進むが、絶対に予想出来なかったラストの展開で作品のイメージが大きく変わった。もう一度、最初から見たいと思っ
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トレーニング デイ(2001年製作の映画)

3.6

不良刑事と新米刑事のバディものかと思ったら、本物の悪徳刑事の話だった。意表をつかれた感じで面白かったが、正直なところ、悪の限りをつくすデンゼル・ワシントンの姿をもっと見たかった。

The Son/息子(2022年製作の映画)

4.6

前作「ファーザー」に引き続き本作も深く突き刺さった。自分と重なる部分も多く、心を揺さぶられた。

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.7

ステレオタイプな黒人のイメージをシニカルな視線で見つめる作家モンクだったが、金の為に別名義でやけくそで書いた作品が意図に反して大ヒットしてしまうという騒動を描いたコメディ作品。
アカデミー作品賞にノミ
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