kさんの映画レビュー・感想・評価

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ことの次第(1981年製作の映画)

3.7

映画作りの資金が尽きた撮影チーム。ヴィムヴェンダース監督作。
現実と虚構。商業とアート。アメリカ的なものと、ヨーロッパ的なもの。常に対立して止まない二軸に苦しむドイツ人監督は、きっとヴェンダースのオル
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ドミノ(2023年製作の映画)

3.6

娘を誘拐された刑事のサスペンスアクション。ロバートロドリゲス監督作。
本当に前半後半で内容ガラッと変わる仕掛けは面白い。アホのマトリックスみたいな。アホのクリストファーノーランみたいな映画だな。いい意
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プロミスト・ランド(2012年製作の映画)

3.9

天然ガスの採掘権を買い叩くビジネスマンと、田舎町の人々の交流。マットデイモン×ガスヴァンサントの黄金コンビ。
基本的に、個人は組織に勝てないし、金持ちはより金持ちに、貧乏人は搾取される。良い悪いじゃな
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.3

公衆トイレ清掃人の物語。ヴェンダースの映画を同時代に映画館で観れる幸せ。
きっと主人公の平山はダメっダメな人間で、色んなものから逃げ出してきた男。そんな彼の日常を、否定とか肯定じゃなく、ただ観る人に手
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ロードハウス/孤独の街(2024年製作の映画)

3.8

バーの用心棒として雇われた元格闘家が、地元のギャング達を成敗する。流れ者が街を守る、現代版西部劇。
ムッキムキで絞りに絞ったジェイクギレンホールの肉体美と、プロ格闘家を招集したアクション。何よりもジェ
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サムライ(1967年製作の映画)

3.7

フランスでひっそり生きる孤高の殺し屋。アランドロン主演のフィルムノワール。
「侍の孤独ほど深いものはない」
西洋が抱くサムライ像がどんなのかは知らんけど、いわゆる日本のサムライ感はそこまで無い。
終始
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コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

3.6

アフガン戦争。1人の兵士と1人の通訳が交わした約束。ガイリッチーの戦争映画。
UKのアンダーグラウンド。どこか憎めない登場人物たち。軽妙洒脱な会話の応酬。。。みたいなのは全部封印して、ガイリッチーが真
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ハリソン・フォード 逃亡者(1993年製作の映画)

3.5

妻殺しの濡れ衣を着せられた外科医が、逃亡して真犯人を見つけ出す。サスペンスアクション。
追われては逃げ、囲まれては潜り抜け、泥臭く逃亡する主人公。追われる側(ハリソンフォード)と追う側(トミーリージョ
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マネーボール(2011年製作の映画)

3.7

データを信じてチームを作る。ブラピ主演の野球映画。
間違った選択。後悔と挫折。色々経て今の仕事を選んだ主人公。
自分がやってる事は正しいのか?とんでもなくバカな事をしてるんじゃないか?なんて、不安でど
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ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版(1989年製作の映画)

3.9

シチリアの田舎町の映画館と、ある少年の成長譚。映画へのラブレターみたいな、映画愛溢れる映画。
30年以上前に世話になった人の訃報を受けて、故郷に帰る主人公。
ひたすらに憧れた幼年期。恋をして、痛みを知
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ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997年製作の映画)

4.8

2024/3/18
余命宣告を受けた2人の男が、最後に見たかったもの、叶えたかった夢。ロードムービーの金字塔。
初めてこの映画と出会った日からもう4年。色々あったなあ。
少しだけ強くなったような、全然
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コードネーム U.N.C.L.E.(2014年製作の映画)

3.2

米ソ冷戦の只中で、両国のスパイが団結しちゃうスパイムービーガイリッチー監督。
めちゃくちゃにかっこいいスパイ2人と、男まさりな女整備士のワンチーム。いちいち車とかバイクとか、会話のセンスとかが男子過ぎ
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ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)

4.0

スウェーデン小説原作のハリウッドリメイク。デヴィッドフィンチャーのサスペンス。
レッドツェッペリン”移民の歌”のダークなオープニングから、ドラマ1シーズン詰め込んだみたいなギチギチの2時間半。
タフっ
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夜の大捜査線(1967年製作の映画)

3.7

人種差別が色濃く残る田舎町。ある殺人事件が起きた日に、たまたま通りかかった黒人刑事。ノーマンジェイソン監督のサスペンス。
偏見も差別も、自分と違う何かが怖いから、変化が怖いから。
ハンデを背負ってエリ
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シンシナティ・キッド(1965年製作の映画)

3.9

田舎町のポーカーの天才”キッド”が、不動のチャンピオン”ザ•マン”に挑む。
張り詰めた緊迫感。水面下の駆け引き。裏の裏のそのまた裏を読み合うプレイヤーたち。
ポーカーなんてアクションのしようも無い、映
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トゥルー・クライム(1999年製作の映画)

3.6

無実の死刑囚とはぐれ者のジャーナリスト。クリントイーストウッドが主演&監督のサスペンスドラマ。
死刑が迫る獄中の緊迫感と、真実を追う主人公の2軸が並行するつくりはいいとして、、やっぱ家庭崩壊と死刑は釣
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オーシャンズ11(2001年製作の映画)

3.8

ラスベガスの金庫を破る為に集結した、11人の犯罪者たち。クライムムービーの金字塔。
個々人の偏った能力がピタッとハマって、足し算じゃなく掛け算、指数関数的に機能する快感。結局誰と組むかが大事だよな。
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あるいは裏切りという名の犬(2004年製作の映画)

3.6

フランス産のハードボイルド映画。
家族には仕事のことも話さないし、弱さも一切見せない。悪の世界に片足突っ込んだようなアングラな中年刑事。
立場は逆だけど、”アウトレイジ”をちょい甘くしたようなノワール
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田舎の日曜日(1984年製作の映画)

3.7

フランス郊外で家政婦と暮らす老人の家に、息子夫婦と娘が帰省する1日の話。
天気の良い日曜日。孫3人と息子娘に囲まれて、一見幸せそのものな光景の中の、繊細な感情の揺らぎ。
老人の後悔、息子の羨望、娘の焦
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遠い空の向こうに(1999年製作の映画)

4.0

ソ連からスプートニクが打ち上げられた頃。アメリカのど田舎の炭鉱の町で、宇宙に思いを馳せる少年たち。
寝るのも忘れて夢中になったこと。安定とかお金とか関係なく、ただ憧れたこと。いつの間にか引っ込んじゃっ
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ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

3.7

ジャンルとしてはディストピアSFだけど、スチール写真の連続にナレーションが入る紙芝居みたいな前衛映画。
第三次世界大戦後の、放射線に汚染された世界。過去と未来を行き来する男が、囚われたある一瞬。
主人
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野火(2014年製作の映画)

3.8

第二次世界大戦中、フィリピン戦線で部隊を追放された男の手記。大岡昇平の超傑作戦争小説の映画化。
主人公の心象風景を反映する”地の文”が映像化できてない分、ダイジェスト感も否めないけど、それでも十分すぎ
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ソング・トゥ・ソング(2017年製作の映画)

3.8

内省的なモノローグ、エマニュエルルベツキの圧倒的な映像美、レースのカーテンと美男美女。高純度なテレンスマリックの映像詩。
寄せては返す波のように、幸せだと思った瞬間に泣きたくなるような、普段は隠れてる
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キャッシュトラック(2021年製作の映画)

3.8

ガイリッチーのクライムアクション。UKの不良のガキが見る夢みたいなファンタジー。登場人物は良いワルと悪いワル。
時系列バラバラのトリッキーな仕掛けは正直どうでもよくて、ヴァイオレンスなアクションシーン
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イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

3.5

弱気を助け強気を挫く。デンゼルワシントンの誇張しすぎた勧善懲悪シリーズ3作目。
デンゼルは流石に年取っても、あの全部を見透かしたような眼差しは相変わらず。いつも通りテンプレな展開と、全くテンプレじゃな
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スウィート・シング(2020年製作の映画)

3.6

“インザスープ”のアレクサンダーロックウェル監督最新作。過酷な環境で生きる姉弟のロードムービー。
アル中の親父とアバズレのお袋なんて、ヒップホップの歌詞の中で山ほどででくる生い立ちだけど、この世には、
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さらば友よ(1968年製作の映画)

3.8

帰還兵2人の奇妙な友情。アランドロン×チャールズブロンソンの漢気サスペンス。
ひょんなことから金庫に閉じ込められる2人。いがみ合いながらも、どこか同じ匂いをまとう2人。
同じところに傷跡を持つような、
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ブラック・ダリア(2006年製作の映画)

3.5

実際の未解決殺人事件をベースにした、ブライアンデパルマのフィルムノワール。
大きな闇に巻き込まれるタフな主人公、もがくほどに深みにハマる陰謀、ブロンドとブルネットのファムファタール。クラシックなノワー
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冒険者たち(1967年製作の映画)

3.9

パイロットとエンジニアとアーティスト。それぞれ夢を追い、そして破れた3人の冒険。
フランス映画特有の褪せた赤。どこを切り取っても絵になる街並み。全シーンが神スタイリング。スーツでバイクのアランドロンの
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マイノリティ・リポート(2002年製作の映画)

3.8

犯罪を事前検知できるようになった近未来。自分の殺人を検知した捜査官の逃避行。フィリップKディック原作のディストピアSF。
タフでハードで、少し子供っぽくて、鬱屈を抱えた捜査官。ザ•サイバーパンクの主人
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ハイエナ・ロード(2015年製作の映画)

3.4

カナダ軍のアフガニスタン戦争もの。
スナイパーの主人公を中心に、最前線の臨場感はとてつもない。特に終盤。
映像とか戦闘シーンのクオリティがめちゃくちゃ高いくせに、ストーリーはとってもB級。あと主人公に
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イン・ザ・スープ(1992年製作の映画)

3.9

映画作りを夢見る青年と、何やら怪しい中高年の不思議な出会い。ずっと観たかったやつ、いつの間にかU-NEXTにあった。
脇目も振らず、貧乏も気にならないくらいに好きなことに没頭する。そんな人生の貴重な季
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魂のゆくえ(2017年製作の映画)

3.8

神父の心に巣食う闇を描く、ポールシュレイダーのヒューマンドラマ。
ポールシュレイダーが追い続けるテーマは、“タクシードライバー”とか”アメリカンジゴロ”の頃から変わらない、孤独な男を蝕む狂気。
円熟期
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テッド 2(2015年製作の映画)

3.8

マークウォールバーグとやさぐれテディベアのコメディ2作目。めちゃくちゃ笑った。
続編はオリジナルに劣るって定説は、コメディには適応外なのかも。
ランナーにりんごぶつけとか、若手芸人いじめとか悪趣味すぎ
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テッド(2012年製作の映画)

3.7

マークウォールバーグとやさぐれテディベアのコメディ。これもう10年前か。
こんな面白かったっけってくらい、当時はイマイチ分からなかったユーモアがビシビシ刺さる。マークウォールバーグの天然感も、テッドの
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K-19(2002年製作の映画)

3.9

ソ連の原子力潜水艦で実際に起こった事故を描く、骨太な潜水艦ムービー。
ロシア人設定でめちゃくちゃ英語喋ってる違和感すら忘れるほどの緊迫感。よく考えたらただの室内なのに、役者たちの表情ひとつで深海300
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