全てのショット、シーン、シークエンスが緻密に精巧に作りこまれており、絢爛たる美術とその演出に目を奪われる。5時間越えの上映時間も、これだけ横断的で包括的なテーマを描くためには必要な長さであって冗長さ>>続きを読む
『ボーイ・ミーツ・ガール』に次ぐ所謂アレックス三部作の二作目。この時点でレオス・カラックスの作家性みたいなものは確立されているように思う。鮮烈な色遣い、ドニ・ラヴァンの身体性を活かした挙措動作、ジュ>>続きを読む
ゴダールを、特に『勝手にしやがれ』をかなり意識して作っているように感じる。取りたてて面白い映画というわけではないけど、カッコよくて痺れるシーンや台詞もいくつかある。ダンスのシーンなんかはジム・ジャー>>続きを読む
高校生がめちゃくちゃやってるのが青春映画(群像劇)の魅力ではあるんだけど、流石にちょっとアナーキーすぎてハマれなかったかも
それらしさをなぞるだけで表層的。特別印象的なシーンもないし、ルイス・ブニュエルがカトリーヌ・ドヌーブ主演でこういう映画を撮りたかっただけじゃないでしょうか
静の美学、動の美学。突沸みたいな不可避の暴力。この頃の北野監督映画は暴力をエンタメ抜きで、ただそこにあるものとして描いているのが良い。ハードボイルドに生きた男の愛の物語
これは映画という形を保った自由詩である。ロングショットと長回しの多用、無辺際に拡がる空と大地、茫洋たる海。濃霧で青みがかった鮮麗な画が、観る人に憂愁を感ぜしめる。劇中劇と現実世界とをシームレスに行き>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
"Lawrence ! Merry Christmas ! Merry Christmas ! Mr. Lawrence !!"
青春の放逸、挫折。青春の追憶。たけし映画の掛け合いはユーモラスで、かつ味わい深い。難しいと思うけどまた北野武×久石譲で映画撮ってくれないかな
"「ガキがビール飲んじゃいけねぇっつう法律でもあんのか」>>続きを読む
面白いけど主演のマストロヤンニが色男すぎて、女性に慣れていないんですというのはちょっと無理がある。ブレッソンの方もみます
ぎこちなくて不器用な父親と多情多感な年頃の娘。しかし、いつでも父が娘に向ける愛というのは定量不可能に最大であり、多くの言葉を交わす必要は無い
コーエン兄弟のセンス。コメディタッチでもCOOLでカッコイイ。『ダウン・バイ・ロー』にもちょっと近い雰囲気がある。カントリーミュージックいいなあ……
"明るく生きていこう いつも明るい人生を 毎日が>>続きを読む
ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。 淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし───
山紫水明の眺めを美麗な鉛筆画で描く
話の荒っぽさ、無骨さとは打って変わって映像がずっと美しくて衝撃的。特に青と緑が効果的に使われているけど、それが冷たい印象を与えるときもあれば、一方で南米のむせるような暑さとかジメッとした湿度みたいな>>続きを読む
ちょっと雑な部分も(あと、迅がカフカの『審判』読んでるのとか思わせぶりすぎるというか、作劇としてあざとすぎるところも)あるけど、それ以上に今泉監督って優しい人なんだなあと思った。行為の接写で始まった>>続きを読む
前半ちょっと気鬱なムードが漂う部分もあるけど、エイプリルのひたむきさに心打たれて最後まで見届けたくなる。ハンディカメラで撮ったような荒っぽいカメラワークも乙。劇的じゃないからこそ、家族関係の寛解の兆>>続きを読む
第1回のヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞作。『モダン・タイムス』とテーマが似通っていて、労働の機械化とか平準化に対する諷喩的なメッセージを結構強く感じる。コメディタッチだから今でも観やすい。終幕のシ>>続きを読む
どうやって撮ってるのか全く分からないシーン、ショットの連続。『カイロの紫のバラ』とか『今夜ロマンス劇場で』的な映画内映画のエッセンスもこの時点で既にキートンが確立していたことがわかる。あんまり凄い
原作もどうにかLとキラの対決で終わらせた方が良かったと思う
静と動、青と赤、生と死、無邪気と暴力、この対比が実に美しい。カットをブツ切りにしてその編集のキレで繋ぐやり方って相当な技術がないと成立しないと思うけど、それが見事に作品の情感と北野映画が醸し出す独特の>>続きを読む
ラストシーンのインパクトだけでなく、グッとくるようなカッコいいショットがいくつかあって、名作と呼ばれるのも分かる。女性の裸体を前にしたときのダスティン・ホフマンの表情とかちょっとした仕草が童貞然とし>>続きを読む
"もしあんたが海が嫌いで 山も嫌いなら そして街も嫌いなら 勝手にしやがれ!"
狙いに狙ったショットを撮ったり、画面内に分かりやすく瑞々しい色を配置したり、ラストの劇的なシークエンスにPink Floydを掛け合わせたり、そういう直感に従った素直な作為というかある種のダサさみた>>続きを読む