黄金綺羅タイガーさんの映画レビュー・感想・評価

黄金綺羅タイガー

黄金綺羅タイガー

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貴公子(2023年製作の映画)

3.3

とくになんの前情報も入れずに観たが、すごく楽しく観れた。

あれやこれや目まぐるしく状況は変わるが、それがとても爽快。
だからといって、あれこれ小難しいこと考えたり、細かいところを邪推しなくてもキッチ
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リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

マクラレンのシネカリ的表現のようにも、高畑勲監督の『かぐや姫の物語』的にも感じるメタモルフォーゼ的表現のドローイング。
ドローイング中心の作品ではあるが、日本のアニメーションのような商業化のなかで築き
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

1.2

やー、良くない。
本当に良くない。
劇場で観なくて良かったと心の底から思う。
たぶんもっとブチ切れモードになるところだった。

相変わらず“君と僕との物語”なのも、出会って10分で恋しちゃうアタマゆる
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

1.5

重い、くどい、長い。
重いというのは、内容やテーマがっていうよりは胃もたれする感じというのが妥当であろう。
なんだか肉汁なくてパサパサな割にもったりとした脂身の多いステーキをケチャップ味のソースで細切
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名探偵コナン ハロウィンの花嫁(2022年製作の映画)

3.0

ドラマチックな開幕がものすごいワクワクする。数分おきにハラハラする場面があって、それが意識を牽引していて全然飽きない。
しかし話の構成がなかなかトリッキーで、はじめに予想していた感じと違ったので肩透か
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名探偵コナン から紅の恋歌(2017年製作の映画)

3.1

新作映画公開記念かなにかか、ネトフリに大量の名探偵コナンの映画がアップされていたのでまだ観たことのなかった本作を観てみた。

『迷宮の十字路』好きとしては、平次と和葉というだけでもうハズレではない。
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オオカミの家(2018年製作の映画)

3.6

※はじめに

2回観ました。
しかし2回とも寝ました。
寝たのにレビューしちゃいけないと思って、2回観ました。
でも結局また寝ました。
なので、1回目と2回目を併せて補完してのレビューとなります。
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.6

アリ・アスター監督の作品のなかでいちばん好きかもしれない。

『ヘレディタリー』でも『ミッドサマー』でも家族や恋愛のテーマを描いており、本作も一貫してそのテーマについて描いている。
しかし本作を観ると
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ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ(2023年製作の映画)

2.4

なんだか俄然ゲーム自体には興味が湧いたものの、映画にはいまいち乗り切れなかった。
よくあるわかりやすいフォーマットのわかりやすいホラーであり、かつなにが起きていて、なにがどういう事情でということをわか
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Firebird ファイアバード(2021年製作の映画)

2.1

なんかモヤる。
映画の出来として悪いかと言われたらそうではない気がするけれど、すごくモヤる。
こういう類の映画は批判しづらい世の中になってしまったから、感想を書くのも躊躇われるが一応、僕個人の意見とし
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残穢 住んではいけない部屋(2016年製作の映画)

3.3

日本のホラーを観てひさびさに怖いと思った。
Jホラーはこういうのでいいんだよ、と心の底から思った。

西洋のホラーがステーキならば、Jホラーは出汁。
西洋のホラーが衝撃、画の迫力、刺激的な恐怖ならば、
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鬼畜(1978年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

『団地』の少年がガッチャマンを唄っているのはこの映画が元ネタだったのか。

本作の素晴らしいところは、作中ではっきり描くものと、はっきり描かないものがあるというところだと思う。

はっきり描いているも
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.5

なんの前情報もいれずに、ポスターだけ見て、面白そうだから観てみよー、とフラッとカジュアルに映画館に赴いて観たのでよけい衝撃的だった。
あぁ、そうか、ヨルゴス・ランティモスだったのですね。
これはまたど
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翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~(2023年製作の映画)

3.1

前作が思ったより面白かったのと、時間が合ったので今回は劇場で観てみた。
まー、今回も全力でやりちぎっているので何も考えず笑えた。

相変わらずGACKT様の魔夜峰央作品との親和性はすごい。そして魔夜峰
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サイレントラブ(2024年製作の映画)

2.8

本作を観て、真っ先に思ったことは日本のドラマ作りの良いところも悪いところも両方顕著に出ているということだ。

ストーリーといえば話せない青年と目の見えない音大生という設定の起点の面白さがある一方で、ご
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PIGGY ピギー(2022年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

これはいままであったようでなかったような角度の映画。
ありきたりな素材を集めてきて、アレンジで風変わりな料理を作ったような映画という印象を受ける。
『キャリー』のように強権的で家族を抑圧する母親と彼女
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古の王子と3つの花(2022年製作の映画)

3.9

ミッシェル・オスロらしい平面の構図。
ただ以前と変わったのは、切り絵をつかって切り絵アニメーションを表現するのではなく、3DCGをつかって切り絵アニメーションを表現しているところだ。
そのため以前より
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クレヨンしんちゃん アクション仮面VSハイグレ魔王(1993年製作の映画)

2.7

クレヨンしんちゃんの映画の最新作が公開中なので、最新作を観る前に劇場版第一作目から劇場版の歩みを振り返ってみようと思って鑑賞。

テレビシリーズが始まったのが1992年の4月らしいので、本作はテレビが
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翔んで埼玉(2018年製作の映画)

3.1

未完ということで、前半は魔夜峰央ワールドバリバリ全開で、後半はそれを踏まえての武内英樹節バリバリ全開。
なのに成立している不思議な作品。

人生の半分を神奈川で生活している僕は高みの見物…と思って油断
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今日も嫌がらせ弁当(2018年製作の映画)

3.0

普段は失敗したと思うのが嫌で、こういう実話やらエッセイ原作やらの映画は観ないのだけれども、この映画については観て良かったと思える映画だった。

ストーリーも現実のエッセイとは違うのだろうし、ベタな話だ
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Pearl パール(2022年製作の映画)

3.7

ミア・ゴス! ミア・ゴス!
ミア・ゴス! ミア・ゴス!

本作はミア・ゴスを堪能するための映画といっても過言ではない。
ファンタジックでキュートでクレイジーなサイコパス殺人鬼の映画とも、ひとりの哀れな
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みをつくし料理帖(2020年製作の映画)

2.2

角川春樹監督最後の映画ということで、ある意味ひとつの時代の終わりを物語っているような作品。

終わり方が思い切り尻切れ蜻蛉だったので、これは原作あって、そのなかのエピソードを切り出した映画なんだなと思
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そして、バトンは渡された(2021年製作の映画)

3.3

実に邦画らしい邦画。
この邦画というのは、クロサワ映画みたいなイカツイ邦画を指しているのではない。
平成あたりにミニシアターが流行ってからポツポツと生まれだした優しい風味のちょっと不思議なストーリーの
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ウェディング・ハイ(2022年製作の映画)

1.8

これは設定盛り込みすぎてとっ散らかってはいないだろうか。
だからといって一個一個の設定が濃いかといったらそうでもない。
映画のストーリーに関係ない各キャラクターの状況を説明するのに時間を割きすぎていて
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コンジアム(2018年製作の映画)

1.2

これは全然怖くないぞ…
ホラー展開に入るまで長すぎてイライラ。登場人物がうるさすぎてイライラ。突然登場するクリーチャーがなんだか意味がわからずイライラ。
全体的にイライラが上回って、全然怖くない。
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母性(2022年製作の映画)

2.8

変な時期にコロナに罹ってなかなか具合が悪い状態で、また変な時間に寝て起きてを繰り返していたせいで全く寝れず、子守唄がわりに〜と思って見始めるものではなかった。

後味悪いイヤミスだからとか、そういう訳
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

『崖の上のポニョ』で描き出した水の表現にやっと世間が追いついたかと思ったら、今度は冒頭から怒涛の炎の表現でまた時代の一歩先を行ってしまった宮崎駿。

内容はというと、これはダンテの『神曲』をちゃんと読
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怪物(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

映画のスケール感でいえば『万引き家族』が壮大な交響曲だとしたら、本作は室内楽といった感じだ。
しかしテーマ性や映画の造りでいったら、個人的には本作のほうがかなり好きだ。

公開してまだ日が浅いので、書
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エゴイスト(2023年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

酔った。
しかもあのカメラワークの意味がわからない。
なんであんなにカメラを振るのだろうか。
『CLIMAX』も酔う映画だけれど、コンセプト的に酔わそうとしているからこそ、あのカメラワークが正解だし、
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

映画を観るときにどこか疑いながら、考えながら観てしまう。それが僕の悪い癖だとは思う。映画に身を委ねて感じることができない。
だから僕はいつまで経っても映画通になれない。
そして本作は考えて観るべき映画
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愛と憎しみの伝説(1981年製作の映画)

3.1

本作を一本の映画として観た時、すこし冗長なうえ、すこし説明が足りていないように感じるところがある。
それは本作がジョーン・クロフォードというひとを知っているという前提で観ないといけないからだろうとは思
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台風クラブ(1985年製作の映画)

4.5

本作がよいところは、相米慎二という監督の独自性がありながらも、彼の中に刻まれた日本映画のエッセンスが至る所に感じられるところだ。
小津安二郎のような一画面のなかでの構図の美しさ、寺山修治のような唐突で
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何がジェーンに起ったか?(1962年製作の映画)

3.2

ベティ・デイヴィスの演技は凄い。
意地の悪い醜い老婆であり、目を輝かせて踊る無邪気な少女であり、恋する乙女であり、狂気に陥っていく哀れな女である。

でも映画自体の話は今の時代に観るとすこし単調である
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ザ・フィクション(2019年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

これは『シャイニング』なの?
それとも『私が、生きる肌』なの?
あれ? 『ミザリー』なの?
もしかして『スイミングプール』なの?
やっぱり『シャイニング』なの?
いいえ、これは『TRUE FICTIO
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女神の継承(2021年製作の映画)

3.6

なんだか上映終了後から僕の頭のなかではモーニング娘。の『愛の軍団』がずっと流れている。

企画のスタートが『哭声』の続編として作られたと聞き、なるほどと思った。
『哭声』と根っこは同じにして、『哭声』
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ブラック・フォン(2022年製作の映画)

3.0

“物語は旅である”とはよく言われることである。
本作はそれのお手本のような物語である。
そして本作はホラーであり、ほろ苦いジュブナイルである。
キング御大もよくテーマにしているようにホラーとジュブナイ
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